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夫の2,000文字エッセイ

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2021年3月の記事一覧

67.基礎英語を学ぶ外国人

67.基礎英語を学ぶ外国人

ある日の休日、電車に乗って妻とお出かけをしていると、向かいの席に女性の外国人が座りました。顔立ちのはっきりとした、東南アジア系の方のようでした。

そこで僕は「おや?」と、ある違和感を覚えました。

外国人が珍しかったというわけではありません。
むしろ電車に外国人が乗っているのは、もはや日常で、今となっては日本人だけの車両を探す方が難しいと思います。

違和感の正体は、その女性が読んでいる本にあり

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65.絡まれたとき、絡まれることについて考えた話

65.絡まれたとき、絡まれることについて考えた話

何かに憑かれたかのように、人に絡まれていた時期があります。
一口に絡まれるといっても、「絡まれ方」は色々あるかとは思います。
ただ「絡まれる」という言葉を好意的な意味として使う人はいないはずです。
ご多分に漏れず、僕の「絡まれ方」も愉快とは言えないものでした。

社会人になり、上京したばかりの頃。

疲れた仕事の帰り道、つり革に掴まりながら大江戸線に揺られていると、隣に大きな男がやってきました。(

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63.自分にとって大切なこと

63.自分にとって大切なこと

少し捻くれた話をしたいと思います。

僕は「明けない夜はない」「やまない雨はない」的な言葉があまり好きではありません。

好きではない理由のうちの1つが、「明けない夜」も「やまない雨」もきっと、存在すると思っているからです。

考えたくもないですが、例えば、妻がこの世界からいなくなってしまったら。それは僕にとって「明けない夜」や「やまない雨」のはじまりとなります。

他の誰にも、妻の代わりはできな

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61.内に秘めた赤紫色のボクサーパンツ

61.内に秘めた赤紫色のボクサーパンツ

「どうしてここにこんなものがあるんだろう?」

そんな経験をしたことはないでしょうか。
恐らく誰しも一度は思ったことがあるはずです。
国道沿いに落ちている片方の軍手、あるいは片足の靴下。
きっと見たことがあるはずです。
そんなとき、こう思うはずです。

「どうしてここにこんなものがあるんだろう?」

せめて両手分の軍手や両足分の靴下だったら納得がいくものですが。

この現象は必ずしも外で起きるとい

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