ペリドン

音楽が好きで音楽の話を中心に書いてく所存です。 たまにテレビ番組の曲を作ったりしてます…

ペリドン

音楽が好きで音楽の話を中心に書いてく所存です。 たまにテレビ番組の曲を作ったりしてます。 ご意見ご要望等はTwitterまで。 https://twitter.com/PelicanDonkey

マガジン

  • 悪魔城ドラキュラの楽曲解説

    来年発売予定のPCエンジン mini に、私が愛してやまない悪魔城ドラキュラX 血の輪廻もめでたく収録されるようですので、勝手に記念して楽曲の構造解説をする事にしました。近日、必死に採譜して作成したMIDIデータと共に1曲ずつアップしていく予定です。

  • 音楽

    音楽にまつわる記事をまとめています。多少音楽の知識を必要とする記事が多いかもしれません

  • 雑記

    意味ないので読まなくても問題ありません。

最近の記事

マヌスクルス(あらすじ)

 ある夜、偶然に通りかかった路地裏で、奇妙な生き物を目撃した主人公。その生き物の正体を突き止めるべく、あれこれ手を尽くす主人公の前に現れたのは、ドクと名乗る元医師の男だった。彼はその生き物の正体を、マヌスクルスという、自身が生み出した人造生命体であると告げる。  主人であるドクの意思によって自在に動くマヌスクルスは、切断したドクの片手を素材に作られたと言う。ドクの説得と協力のもと、主人公は自らの片手を切断し、自身のマヌスクルスを生み出す。  マヌスクルスの操作を覚えるため奮闘

    • マヌスクルス 第三話 訪問者

       奇妙ではありますが、今回の出来事で、長く失われていた生命力が回復し、生来の好奇心が戻ってきたような気がします。これまでもう何年もの間、休日になろうが何処へ出かけるでもなく、一日中家の中に居て、唯一の趣味だった映画を見たり、テレビを見たりしていました。その後、会社を首になり、母親も亡くなったりと、短期間で次々災難が降りかかってきてからは完全に気力が尽き、週四程度のアルバイトすらやっとで、もはや休日など、ただ寝て過ごすだけになっていました。寝ている間は生きているのを忘れられるか

      • マヌスクルス 第二話 侵略生物

         仕事の間中、脳内シアターで昨日の出来事が上映されていましたが、逆にそのおかげで寝不足と疲れを紛らわすことができ、何とか無事に仕事を終えました。スーパーの裏口から出て帰ろうとすると、「あっ! ちょっと待って!」と、急に店長に呼び止められたので、「やはり知らぬ間に何かやらかしてたか。ひょっとしてレジ締めで違算金でも出たかな」と、怒られるのを覚悟しましたが、店長は急いで事務所兼自宅になっているスーパーの二階へ上がり、直ぐに戻って来ると、「先月はご苦労様でした。あんまりシフト入れて

        • マヌスクルス 第一話 遭遇

          「AIが人間の知能を超えるなんて、面白いじゃないですか」  最終電車に揺られながら、どこかで聞きかじったニュースを何となく思い出し、その浅い感想を、脳内の、なるたけ音が響かないような隅で呟きました。  この内的症状を自己分析するに、心の声がふとした拍子に外へ漏れ出しても構わないように、という配慮なのでしょう。およそ有り得ないことにまで気を遣っている自分の矮小さに嫌気が差します。  真っ暗な窓に反射する自分の姿をぼんやり見つめながら、何でもいいから世の中が大きく変わるような

        マヌスクルス(あらすじ)

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        記事

          Cemetery(コード進行編)

          はじめにCross a Fearに続いてCemeteryです。 コード進行編と個別トラック編に分かれているので、各トラックの音作りや具体的なフレーズに関しては個別トラック編をご覧ください。 凡例本文中で使用する表記方法を最初にまとめておきます。 ・コードのディグリー表記 ローマ数字は用いず、アラビア数字に「度」を付けて表記し、それ以降はカタカナ表記します(場合により、適宜度数の前に#と♭を使用) 例)「5度セブンス」「1度マイナー」「♭3度メジャー」等。 ・スケールノー

          Cemetery(コード進行編)

          Cemetery(個別トラック編)

          はじめにコード進行編に続き、個別トラック編です。 こちらでは音作りや音楽的な考察についてパート毎に解説して行きますが、これまで同様、音源はStudio Oneに付属しているPresence XTにて作成しております。 トラックの概要大きくパート分けした場合、以下のようになります。 上から順に解説して行きますが、リードのパートはメロディの音楽的な分析を含んでいますので、コード進行編でも使用した以下の楽譜を参考にして頂けると幸いです。 また、部分的にですがピアノロールのスク

          Cemetery(個別トラック編)

          Cross a Fear(個別トラック編)

          はじめにコード進行編に続き、個別トラック編です。 こちらでは音作りや音楽的な考察についてパート毎に解説して行きますが、前回の乾坤の血族同様、音源はStudio Oneに付属しているPresence XTにて作成しております。 トラックの概要大きくパート分けした場合、以下のようになります。 ギター 以外はオールシンセといった感じですね。 上から順に解説して行きますが、リードのパートはメロディの音楽的な分析を含んでいますので、コード進行編でも使用した以下の楽譜を参考にして頂け

          Cross a Fear(個別トラック編)

          Cross a Fear(コード進行編)

          はじめに前回の乾坤の血族に続いてCross a Fearです。 今回もコード進行編と個別トラック編に分かれているので、各トラックの音作りや具体的なフレーズに関しては個別トラック編をご覧ください。 凡例本文中で使用する表記方法を最初にまとめておきます。 ・コードのディグリー表記 ローマ数字は用いず、アラビア数字に「度」を付けて表記し、それ以降はカタカナ表記します(場合により、適宜度数の前に#と♭を使用) 例)「5度セブンス」「1度マイナー」「♭3度メジャー」等。 ・スケー

          Cross a Fear(コード進行編)

          乾坤の血族(個別トラック編)

          はじめにコード進行編に続き、個別トラック編です。 こちらでは音作りや音楽的な考察についてパート毎に解説して行きますが、まず基本情報として、データの音源はStudio Oneの付属音源であるPresence XT縛りで作成しております。 当初は手持ちの音源を駆使して限りなく原音に近づけるつもりでしたが、そこまですると時間と手間がかかりすぎると判断し、限られた環境で出来るだけ近づける方向にシフトしました。 トラックの概要大きくパート分けした場合、以下のようになります。 上か

          乾坤の血族(個別トラック編)

          乾坤の血族(コード進行編)

          はじめに もう彼此20年以上前、楽曲の分析と耳の訓練の為に悪魔城ドラキュラXの殆どの曲をコピーしましたが、近年そのデータを改めて聴き直したところ採譜ミスだらけだったので、これはイカンと一から採譜し直す事にしました。 完コピを目指した為に予想以上の時間と労力を費やしましたが、得られた知見も数多くあり、自身の備忘録も兼ねて音源と共に分析結果を解説しようと思います。 ただ先に申し述べておきますが、読み手に基本的な音楽の知識がある前提で書いているので、普通にドラキュラXの楽曲が好き

          乾坤の血族(コード進行編)

          ハマシアンのポリリズム

          Tigran Hamasyan (ティグラン・ハマシアン)の Entertain Me という曲があります。こんな感じの曲ですね。 この曲のテーマ部(前半1分間)のリズムについて解説していきます。 端的に言うとこの曲は「5連符」と「4連符」のポリリズムになっています。 要するに曲中の基本的な音符が5つ括りで1拍のリズムと、4つ括りで1拍のリズム(16分音符という語を用いると混乱を招く為、この記事では4連符と表記します)が曲中を同時に走っているという訳ですね。 曲中の基本

          ハマシアンのポリリズム

          途中からテンポが変わる曲とその方法4

          補遺 初回の<途中からテンポが変わる曲とその方法1>、前々回の<途中からテンポが変わる曲とその方法2>、前回の<途中からテンポが変わる曲とその方法3>と、全3回に渡りテンポチェンジの手法を解説してきましたが、今回は種々の観点から本編中に含めなかった曲を、その理由と共に解説します。 1曲目、「KID FRESINO - Coincidence」です。 この曲は、16分音符の5つ取りをしている箇所(1:03〜1:13秒、2:52秒〜最後まで)があり、明確にリズムが変わったのを

          途中からテンポが変わる曲とその方法4

          途中からテンポが変わる曲とその方法3

          3 タイムストレッチ前々回の<途中からテンポが変わる曲とその方法1>、前回の<途中からテンポが変わる曲とその方法2>では、メトリックモジュレーション系のテンポチェンジを解説してきましたが、今回はそれ以外の方法論を用いてテンポチェンジしている曲を解説します。 まずは「tofubeats - SOMETIMES」です。 2:08秒からテンポが遅くなっており、拍子も同時に4拍子+3拍子(7拍子)になっています。とても不思議な感じがしますね。 これは、オーディオ化したバックトラッ

          途中からテンポが変わる曲とその方法3

          途中からテンポが変わる曲とその方法2

          2 メトリックモジュレーション(応用編)前回の<途中からテンポが変わる曲とその方法1>では、メトリックモジュレーション系テンポチェンジの基本編として、8分音符の3つ取りを解説しましたが、今回はメトリックモジュレーションを更に踏み込んだ形で使用したテンポチェンジの例を解説したいと思います。 それではまず、8分音符の3つ取りの発展形として「Fear, and Loathing in Las Vegas - The Stronger, The Further You'll Be」

          途中からテンポが変わる曲とその方法2

          途中からテンポが変わる曲とその方法1

          はじめに 楽曲に変化を付けるには様々な手法がありますね。 転調するとか、リズムを変えるとか、メトリックモジュレーション、モーダルインターチェンジ、変拍子、ポリリズム、等々、挙げていけばキリがないのですが、最近特に気になっているのは、曲中でのテンポチェンジです。 そこで、具体的な曲例を挙げながら、その方法論を解説致したく存じます。 1 メトリックモジュレーション(基本編) これが曲の途中でテンポチェンジする、最もポピュラーな方法論ではないかと思われます。 具体的には、1

          途中からテンポが変わる曲とその方法1

          水の星へ愛をこめての最高音はC#なのかDなのか

          この曲を聴くたび思うのですがどっちなんでしょうね。 何故なら元々のレコーディング音源ではC#ですが、この動画のように現在の森口さんはDで歌っているからです。 具体的には「炎あげ呼びあう」の「あ」の音な訳ですが、以前は表題通り曲中で最高音の箇所なので、森口さんも若かったし、単純にレコーディング当時はDに半音届かなくて結果的にC#になったのかなと思っていたのです。 ところが、今改めて聴くとかなり正確にC#に音を当ててるんですよね。届かなかったようには聴こえない訳です。むしろ、

          水の星へ愛をこめての最高音はC#なのかDなのか