干物ぱんだ

毎日の生き物たちのささやかな幸せをしたためる、絵本式の日記を連載中です。たくさんの人に読んで頂けるとうれしいです🐼インスタでも連載中(アカウント:@himono_panda) #えほん #絵本 #絵日記 #詩 #短編小説

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    • 絵本日記

      ちいさなしあわせを絵本の物語として、日記のように書いています。 ぜひ、お読みください!!

    • 短編小説『今日も一緒に生きる』

    • 短編小説『雨上がりのあした』

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    【絵本日記】うわさだいすきかめれおん

    かめれおん君は、うわさがだいすき。 森中のうわさに、いつも耳をすませ、 姿をかくして、うわさがやってくるのを じっとまっている。 「ねぇねぇ、しってる?」 りすさんとうさぎさんの話し声。 ほらほら。うわさがやってきた。 「なになに?」 「ビーバーさんの夫婦、 おおげんかしたらしいよ」 「わぁ、たいへん!」 ニタニタニタ。 ペロリ。 そのうわさ、いただき! かめれおん君は、はりねずみさんに言った。 「ビーバーさんの夫婦、おおげんかして おうちがこわれちゃったらし

      • 【絵本日記】くまさんのくま

        ある日、くまさんが鏡をみると 目のしたが、まっくろになっていた。 「くまだぁ!!くまができちゃった!!」 くまさんは、あわてて戸棚のひきだしから はちみつのパックをとりだし、顔にあてた。 「たいへん、たいへん。ピチピチにしなきゃ」 その上から、どんぐりがたくさんついた枝で 小顔ローラーをした。 「お顔をちっちゃくしなきゃ!」 鏡をのぞいてみる。 それでも、くまさんのくまは、とれていない。 「よぉし!」 くまさんは、桐の箱から ラベンダーのお花であんだアイマスク

        • 【絵本日記】おもいだせない、かばさんとご飯

          「どうしよう!!」 ある日、かばさんのお家から、おおきな声が きこえてきた。 きつねくんがあわてて、お家に行くと、 かばさんは体重計にのり、まっさおな顔をしていた。 「かばさん、どうしたの?」 「たいへんだ。さいきん、どうもお腹がぽんぽこりんだなぁと思っていたら、こんなにもふとっちゃった!!」 きつねくんものぞきこんでみた。 でも、かばさんのお腹で体重計がよくみえない。 「うーん、よく見えないや。 おもいあたる節はあるの?」 「うーん……」 かばさんは、よーく、よ

          • 【絵本日記】なまけもののムッちゃんのひみつ

            なまけもののムッちゃんは 森でいちばんの、のんびり屋さん。 「おしりがかゆいなぁ」 ポリポリ。ポリポリ。 「あ、あそこの物をとりたいなぁ」 ウーンと手をのばしてみる。 「とどかないから、いいやぁ」 のんびり、のんびり。 ポカポカのお日様にあたるとねむくてウトウト。 ある日、森のみんなでピクニックをしていると 噂をききつけたムッちゃんもやってきた。 「ムッちゃん、いらっしゃい!」 「ムッちゃんがきてくれるとうれしいな」 森のみんなは、大きなシートをひろげて、 その上

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            【絵本日記】ぜったい、花粉症じゃないぞうさん

            ムズムズ。 ぞうさんには、天敵がいる。 ムズムズ。 ムズムズ。 でも、ぞうさんはみとめたくない。 そいつが天敵であることを……。 ムズムズ。 ムズムズ。 朝起きると、目がかゆくて、 なみだが、とまらない。 ショボショボ。 ショボショボ。 かゆい、かゆい。 お手手で目を思いっきりかいてみる。 それでも、ショボショボはとまらない。 次の日になると、鼻水がとまらなくなった。 ズビズビ。 ズビズビ。 なんど、すいこんでも、 たら〜っとたれてくる。 ズビズビ。 ズビズビ。 ショ

            【絵本日記】はずかしがり屋のうぐいすさん

            とある森に、とってもとっても、 はずかしがり屋のうぐいすさんがいた。 「ホーホケ」 何度がんばっても、じょうずに鳴けない うぐいすさん。 「ホーホ」 「ホーホケ」 森中のみんなが、うぐいすさんの声をききたくて 耳をすませる。 「そんなに耳をすまされたら、はずかしくて じょうずに鳴けないよ……」 うぐいすさんは、一人かくれて、 練習をしてみた。 「ホーホケキ」 でも、うぐいすさんが行くところには、 みんなもついてきては、耳をすませる。 「もー!ついてこないで!

            【絵本日記】もぐらさんのおはなみ

            みどりのかおり。 胸がスーッときもちがいい、かぜのにおい。 森に春がきた!!! ムクムク、ムクムク。 地面が、なんだかムクムクする。 ポコ! ポコ! ポコ! あちらこちらで、 たくさんのもぐらさんが顔をだした。 「おはよう!春だね!」 「どうもどうも、久しぶりだね」 「いやぁ、すっかりあたたかいひざしだね」 あたり一面に、もぐらさんが顔をだしては たのしそうにおしゃべり。 久しぶりにあえて、みんなのお顔がニコニコ。 おしゃべりも止まらない。 「この前ね、地面のな

            【絵本日記】かたつむりさんの大冒険

            ある日、かたつむりさんは、 大きな荷物を持って、でていった。 森のみんなは、心配をして かたつむりさんに言った。 「かたつむりさん、 そんな大荷物で、どこにいくの?」 かたつむりさんは、 ほこらし気に胸をはり言った。 「この森をいっしゅうするんだよ!」 カラスは、かぁかぁとわらった。 「ボクなんて、びゅーんとひとっ飛びだ!」 うさぎも、ピョンピョンとわらった。 「わたしもピョンピョンはねてあっという間ね」 それでも、かたつむりさんは ゆっくり、ゆっくり歩きはじめた

            【絵本日記】ひみつの喫茶店へようこそ

            とある森に、ちいさな喫茶店があった。 そこでは、ふしぎなまほうがつかえ、 どんな悩みごとも、モヤモヤも、 フワッとあわのように消してしまうという。 ある日、りすが、喫茶店をおとずれた。 チクタクと時計の大きな音。 コーヒーの香り。 うさぎに、さるに、くまにと、 中にはたくさんのどうぶつたちが座っていた。 「いらっしゃい。おはいり」 ふくろうが、カウンターから顔をのぞかせた。 「メニューはないの?」 りすは、ふくろうにたずねた。 「ないですよ。   そのかわりに、あな

            【絵本日記】ポケポケコッコちゃん

            にわとりのコッコちゃんは、いつもポケポケ。 「ごはんを食べなきゃ。コッコー」 3歩歩くとポケポケ。 「あれ?何しにこっちに、きたんだっけな?」 「目がよく見えないから、メガネかけよう」 メガネをかけて3歩歩くとポケポケ。 「あれ?メガネはどこいった?コッコー」 ポケポケしちゃうから、コッコちゃんの周りは コッコちゃんの忘れものだらけ。 忘れちゃうたびに、コッコちゃんは あっちにうろうろ。こっちにうろうろ。 ある日、コッコちゃんがいつものように、 忘れものをして歩いてい

            【絵本日記】だいじょぶだよ。はりねずみ君

            はりねずみ君は心がヒュッとこわくなると、 ハリをピンとするどく立ててしまう。 「この木にのぼって、ご飯とってきてよ」 ピン! 「穴の中とくいでしょ。探しものしてきてよ」 ピン! ピン! 「そんなにハリ立てちゃって。やな感じ」 ピン!ピン!ピン!ピン!ピン! ハリが、どんどんするどくなっていく。 ある日、はりねずみ君は、自分のハリのあまりの するどさに、からだ中がチクチクといたくなり、 動けなくなってしまった。 「もう……。ハリのしまい方がわからないよ」 トン

            【絵本日記】ギターと犬と僕

            ある日、名前のない犬はいつものように、 道をトボトボと歩いていた。 クンクン。 草のにおい。人間のごはんのにおい。 いろいろなにおいがする中に、 木と金ぞくがまじった、ふしぎなかおりがした。 犬はかおりにひかれるようにして、歩いた。 すると、そこには、 一本のギターがすてられていた。 「これは、なんだ?」 犬は、おそるおそるさわってみた。 かたい木。少しゆるんだ弦。 ジャーン。 とつぜんの大きな音に、 犬はおどろいてかくれた。 もう一度、おそるおそるさわってみた。

            【絵本日記】かにすま美容師

            ちょき、ちょき、ちょき ちょき、ちょき、ちょき かにさんは、村一番の美容師さん。 どんなに、むずかしいおねがいも、 おちゃのこさいさい。 本日さいしょのお客さまは、 くせ毛の強いねこさん。 「いらっしゃい!」 「このクルクルの毛を、ペルシャねこのように、サラサラにしてほしいの。きょう実はデートで」 「おまかせあれ!」 ちょき、ちょき、ちょき。 ちょき、ちょき、ちょき。 「いかが?」 かにさんが、両手にかがみをもって、 ねこさんに見せた。 クルクルの毛はサラサラのま

            【絵本日記】280文字の郵便屋さん

            ある森に、一羽のまっしろなハトさんがいた。 そのハトさんは、郵便屋さんだった。 世界中の空をとびまわり、たくさんの小さな小さなお手紙をとどけるのが、お仕事。 「郵便だよ。クルック〜」 「ありがとう。素敵なお手紙だぁ」 「郵便だよ。クルック〜」 「だれから?」 「なまえのない、世界中のみんなから」 「わぁ!うれしいなぁ」 みんな、みんな、うれしそうに、お手紙をキュッとだきしめた。 でも、時に悲しそうに、泣きだしながら、お手紙をやぶりすてられちゃうこともあった。 「郵便だ

            【絵本日記】ケリケリかんがるーまん

            かんがるーまんは、こわい、こわい。 ふだんはやさしいお顔をしていても、 おこればケリケリがとまらない。 いつだってファイティングポーズで、体からはメラメラと怒りがたぎっている。 みんながお昼ごはんを食べているあいだも、 キックボクシングのれんしゅうへ。 かばんには、グローブをこっそりしのばせ、 両足には「けんかじょうとう」とかかれたソックスをはいている。 ある日たぬきさんは、かんがるーまんに聞いた。 「かんがるーまん、かんがるーまん。 どうして、いつもグローブをもって

            【絵本日記】ふぐのぷくちゃん、まんぷくぷく

            めがさめると、ふぐのぷくちゃんは おなかがぺこぺこだった。 「おなかすいたよ〜。からっぽだよ」 ぷくちゃんのおなかは、ぺっちゃんこ。 スリムなからだで、海をスイスイとおよぐ。 「あ、あんなところに、まき貝だ!  いただきまーす!!!」 ぷくちゃんはまき貝を5個、たべた。 おなかは、すこしだけおおきくなった。 おひるになり、おひさまが海のあたまの てっぺんにのぼった。 ポカポカ陽気につつまれながら、 プカプカとうかぶ、ぷくちゃんは、 すこしだけおなかがすいていること