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【絵本日記】コータのふワン!

コータは、いつも不安気。


お外を見てはワンワン。
「明日、はれるかな?
 あめになっちゃったらお散歩いけない……」

ご主人さんが見えなくなるとワンワン。
「どこ行ってたの?すてられちゃうの?」

だいすきなお人形をみうしなってワンワン。
「あぁ、どこに行っちゃったの?
 もうボクのこときらいになっちゃった?」

コータは不安気に、ワンワンとほえる。


ある日、ご主人さんがしょんぼりとした
顔でかえってきた。
コータは不安になった。

「どうしたの?」
ワンワンとほえる。

ご主人さんは言った。
「ごめんね。今日は遊ぶ気分じゃないの。
 だいじなネックレスをおとしちゃったの」

コータは不思議そうに首をかしげた。
不安そうなご主人さんのお顔。
コータはとつぜん、外にとびだし走りだした。

ワンワン!
ワンワン!
ワンワン!

ご主人さんのコータの名前を呼ぶ声が
どんどん遠くなっていく。

ワンワン!
ワンワン!
ワンワン!

コータは走った。
通りすぎる人間が不安そうに見つめている。

ワンワン!
ワンワン!
ワンワン!

自慢の鼻でご主人さんのにおいがする道を
ぐんぐんすすんでいく。

クンクン。
クンクン。

ツンーー

だいすきなにおいに混じった、冷たい感触。
コータはよーく、におった。

クンクン。
クンクン。
ワンワン!
これだ!!

コータは口にくわえ、夢中になって走った。

ワンワン!
ワンワン!
ワンワン!

コータに不安はなかった。

ワンワン!
ワンワン!

「コータ!!」

コータはご主人さんの胸の中にとびこんだ。

シッポをブンブン。
会えたことがうれしくって、うれしくって
目がショボショボ。

そして、口にくわえた
ネックレスをご主人さんの手にのせた。

「探してくれたの?こわくなかった?」

にっこり笑顔で、ワンワン!

「そっか!ありがとう!」

コータは、いつも不安でいっぱい。
小さなことでも、大きな不安になっちゃう。

だけど、だれかが不安で悲しそうにしているのを見るのは、もっともっと不安。
だからそんな時は、ちょっとだけ、強くなれる。


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