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【絵本日記】かたつむりさんの大冒険

ある日、かたつむりさんは、
大きな荷物を持って、でていった。

森のみんなは、心配をして
かたつむりさんに言った。

「かたつむりさん、
そんな大荷物で、どこにいくの?」

かたつむりさんは、
ほこらし気に胸をはり言った。
「この森をいっしゅうするんだよ!」

カラスは、かぁかぁとわらった。
「ボクなんて、びゅーんとひとっ飛びだ!」

うさぎも、ピョンピョンとわらった。
「わたしもピョンピョンはねてあっという間ね」

それでも、かたつむりさんは
ゆっくり、ゆっくり歩きはじめた。


ゆっくり、ゆっくり。

ゆっくり、ゆっくり。

雨の日も、風の日も、雪の日も、歩きつづけた。

春がきて、夏がきて、秋がきて、冬がきた。

そしてまた、春がきて、夏がきて、秋がきて、
冬がきた。
そうして、ようやく4回目の春がきた日、
かたつむりさんは帰ってきた。

「ただいま!」

森のみんなが集まった。
かたつむりさんは、いっぱいの荷物の中から、
いっこ、いっことりだしはじめた。

「はい。これは、くまさんの。
とっても、おいしそうなドングリを見つけたよ。
はい。これは、うさぎさんの。
すっごく、おいしいにおいがする、やさいだよ。
はい。これは、からすさんの。
あたらしい、野いちごがあったよ」

かたつむりさんの荷物からは、
つぎから、つぎにと、おみやげが出てくる。

うさぎさんは、やさいを一口たべた。
「とっても、おいしい!ありがとう!
でも、こんなやさいがあるだなんて知らなかった!!」

からすさんも、野いちごを一口たべた。
「なんて、すっぱくてあまいんだろう!
この野いちご、どこにあったの?」

かたつむりさんは、エヘンエヘンと
首をせいいっぱいのばして言った。

「この森のことなら、ボクにおまかせあれ!」


ゆっくり、ゆっくりすすむ、かたつむりさん。
歩くのはおそいけれど、
だれも気づかないことも、しらないことも、
しっている。


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