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【英論抄読】ノルディックウォーキングの有効性

▼ 文献情報 と 抄録和訳

ノルディックウォーキングトレーニングが高齢者のQOL、バランス、機能的移動性に及ぼす効果。無作為化臨床試験

Gomeñuka NA, Oliveira HB, Silva ES, Costa RR, Kanitz AC, Liedtke GV, Schuch FB, Peyré-Tartaruga LA. Effects of Nordic walking training on quality of life, balance and functional mobility in elderly: A randomized clinical trial. PLoS One. 2019 Jan 30;14(1):e0211472.

[ハイパーリンク]

DOI, PubMed(Full text), Google Scholar

[目的]


ウォーキングトレーニングにおいてポールを使用することの優位性を示唆する生理学的・生体力学的エビデンスが存在する。この概念実証研究の目的は、訓練を受けていない高齢者がノルディックウォーキングを8週間行った場合、ポールを使用しない場合よりも機能的モビリティ、QOL、姿勢バランスにおいて高い改善を示すという仮説を検証することである。また、QOL、静的バランス、動的安定性よりも、自己選択歩行速度(主要アウトカム)、運動器リハビリテーション指数に高い改善が見られるという仮説も検証することであった。本試験は、2群の無作為標本・負荷対照試験である。

[方法]


未訓練高齢者33名をノルディックウォーキング(n=16、年齢:64.6±4.1歳)とフリーウォーキング(n=17、年齢:68.6±3.9歳)のトレーニング群に無作為に割り付け、それぞれを実施した。

[結果]


両群で自己選択歩行速度(主要評価項目,p=0.011,ES=0.42 95%CI -0.31~1.16),Locomotor Rehabilitation Index(p=0.013,ES=0.36; (95%CI -0.39~1.10),QOL(p<0.05),Static Balance(p<0.05),Dynamic Variability(p <0.05) )の向上が認められた。

[結論]


仮説は支持されなかった。8週間後の調査結果では、主要アウトカム(自己選択歩行速度)および副次アウトカムのほとんど(運動器リハビリテーション指数、静的バランス、動的安定性、QOLの心理・社会参加領域など)において、ノルディックウォーキングトレーニングは自由歩行トレーニングより大きな改善をもたらさなかったことが示された。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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ノルディックウォーキングの有効性は近年注目されている。
臨床上の経験においても、「この杖で歩くと歩きやすい」との声をよく聞く。
今回の結果は、ノルディックウォーキング vs. フリーウォーキングにおける結果であるが、他にも頸部痛を認める対象者や、パーキンソン病などに対しても検討されているようだ。
運動器疾患に着目してみると、感覚的には、圧迫骨折患者に対してノルディックウォーキングを行うと、「歩きやすい」「痛みが少ない」といった意見を頂くことが多いように思う。
このように、様々な対象者において、継続したノルディックウォーキングに関する研究が行われることが望まれる。

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