更年期の妻に夫ができる3つのポイント
前回の記事で、夫として知るべき妻の更年期に関してお伝えしました。
今回は、夫としてどう関わればいいのかを中心にお伝えします。
1.女性は誰もが通る道であることを理解する
更年期の症状は、50歳前後の女性であれば、症状の出方や大きさには違いあれ、誰にでも出るものです。
集中力がなくなり、ボーとすることや、急にイライラしたり、何となく身体の不調が続く状態を訴えることに対して、「怠けている」とか「甘えだろ」と決め付けてはいけません。
男性には女性のような更年期障害は少ないので、ピンと来ないかもしれませんが、まず、つらい状態にあると理解することです。
妻との会話の中で、「更年期」という言葉は安易に使わないことも重要です。
女性のなかには「更年期」という言葉を直接的に投げかけられると「年を取った」と言われたように感じて傷つく人もいます。
女性自身が更年期だと認識していないうちに、「更年期なんじゃない?」というのは、ケンカの火種になることもあります。
ではどんな声掛けが適切なのでしょうか。
例えば、夫が妻の不調を察知し、気遣う際には「女性は40代くらいからホルモンバランスが崩れて不調が増えるようだけど、そういう可能性があるのかな」など、症状に焦点を当てた会話がおすすめです。
2.体調に関心を持ち、気持ちに寄り添う
更年期症状には精神的な不調もあります。
抑うつ的な気分やいらだちなど多岐にわたります。
まずは「大丈夫?」「どんな感じなの?」と妻の体調に関心を示しましょう。
その上で、どういうことをしてほしいのか、尋ねていきましょう。
妻が精神的に不安定なときには、会話の内容が堂々巡りしているように感じることもあるかもしれません。
そんなときは、ただただ、夫が話しを聞くだけで落ち着くこともあります。
45~55歳は、子どもの教育、仕事や周囲との人間関係、親の介護などストレスが重なる時期でもあります。
妻の話に「それはつらいなあ」「しんどいよね」と共感しながら、気持ちに寄り添う姿勢を見せましょう。
体の症状がひどくて、例えば家事ができない場合は、「無理しないでいいよ」「それはオレがやっておくよ」などと理解、協力する言葉がけが大切です。
3.治療で改善できることを知る
更年期に特化したウェブサービスを立ち上げた「よりそる」代表、高本玲代さん高本さんによると、女性自身が更年期症状について十分な知識を持っていないケースも多いとのことです。
「40代以降、女性ホルモンの低下による体調不良が起きることや、そうなった際に婦人科にかかることで改善されることを、当事者だけでなく、パートナーが知っておくことは非常に大事」と力説します。
パートナーからの声掛けで受診につながり、女性を不調から救えることもあるそうです。
更年期症状は適切な治療を行えば改善する病気です。
ところが、NHKの調査によると、実際に「更年期症状を経験した」と答えた女性およそ1万人のうち、「婦人科を受診していない」と回答した人は6割以上に上りました。
さらに受診しても更年期障害と診断された人は19%にとどまっています。
それだけ、専門医に診てもらうということが重要です。
僕の妻によると、女性にとって、婦人科は非常にハードルが高いということです。また、病院の数がそれ程多い訳でなく、なかなか予約が取れないということもあるとのことです。
なお、NHKの調査によると、更年期症状によって仕事に何らかのマイナスの影響があった、いわば「更年期ロス」にあたる人は専門家の推計で100万人を超えます。
中でも「更年期離職」による経済損失は男女合わせて年間およそ6300億円に上るとのことです。
更年期の妻を持つ夫の中には、組織人として管理職にあたる人も少なからずいると思います。
そのような人にとって、更年期障害に対しての理解を深めることは、大事なことともいえますね。
日本女性医学学会は更年期症状に詳しい医師を認定して学会のHPで公開しており、いち早く適切な治療につなげてほしいとしています。
以下をぜひ参照してみてください。
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