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親がASDの場合の子どもに与える影響とは

前回、ASD(自閉症スペクトラム症)のことをご紹介しました。

夫婦で問題が表面化するのは、まずはパートナーの一方がASDの場合、ついで、子どもがASDの場合です。

もう一つ隠れた問題として、パートナーの一方の親の一方、あるいは双方がASDで、その子どもである側が、生きづらさを感じているケースです。

毒親専門弁護士吉田さんのケース


これは、2024年5月29日の朝日新聞の記事に出てた、「毒親」問題を扱う弁護士、吉田美希さんのエピソードです。一部、抜粋した上でご紹介します。

 吉田さん自身、子どもを支配する親に苦しめられてきた。
 3歳ごろの原体験がある。家の中で母の後ろをついて歩いていると、突然、「金魚のふんみたいについてこないで!」と怒られた。父に「遊んで」と言うと、忙しかったのか「邪魔だ」とベランダに締め出された。
 小学生のとき、一輪車の練習中に転ぶと、親は娘よりも、ぶつかった柱に傷がつかなかったどうかを心配した。
 いま思えば、2人とも「自分がどうしたいか」が優先で、「子どもがどう思うか」という視点が絶対的に欠けていた
 「暗闇が怖い」と泣くと「なんて弱虫なんだ」と馬鹿にされ、うれしいことがあって喜んでいると「調子に乗るんじゃない」とたしなめられた。感情を表すだけで怒られるため、いつしか自分の感情さえわからなくなった。
 学校でいじめに遭っていることを、勇気をふりしぼって相談した。だが、返ってきた言葉に耳を疑った。
 「お前のせいだ」
 その瞬間、心の中のすべてが崩壊した気がした。何を言っても、この人たちにはわかってもらえないんだ。以来、親から理不尽なことを言われても、言い返さなくなった。
削られる自己肯定感、心と体が悲鳴を上げた
 「お前は価値がない」と否定され続けるうちに、自己肯定感はどんどん削られていった。

 大学院で司法試験の勉強をしていた24歳のとき。全身のさまざまな場所に激しい痛みが出る「線維筋痛症」を発症した。強いストレスが関係していると言われるが、親からは「詐病だろう」と言われ続けた。
 
 常に「親が喜ぶか」「嫌がるか」が行動の基準だった。自分の一部が欠落してしまったような気分だった。
 「死にたい」という気持ちも強く、薬の過剰摂取による自殺未遂を繰り返した。
 一方で、「親に愛されたい」という思いからも逃れられなかった。どんなにひどい扱いをされても、親から愛情を受けたかったし、「愛されない自分に欠陥がある」とは認めたくなかった。
 だから年に2度は実家に帰り、関係を立て直そうとした。でも、社会人になっても親との関係は変わらず、そのたびに傷ついた。
自殺未遂を告白したが…親の反応に限界超えた
 弁護士になって4年目、年末年始を実家で過ごすために、電車に乗ったときのことだった。過呼吸を起こし、「いよいよまずいな」と思った。
 その予感は、的中した。
 意を決して、親との関係に悩み、自殺未遂をしたことを打ち明けた。さすがに親も慌てると思ったが、とくに反応もなく、そのまま会話は流れていった。
 その瞬間、自分の中のコップの水があふれ、限界を超えた。
 「もう、この人たちが私のことをわかってくれることはないんだ」
 自殺未遂を繰り返したのは、親子関係のつらさだけでなく、親への復讐(ふくしゅう)心もあった。自分は親が思い通りにつくった「作品」で、その作品を自ら壊したいという思いにさいなまれてきた。
 でも、この人たちのために死ぬなんて馬鹿らしい――。
 以来、親とは一切の接触を断った。

2024年5月29日朝日新聞朝刊より

この吉田さんの両親の共感性の乏しさは、すさまじいものがあります。

子どもが重篤な病気になっても、自殺未遂までにしても、子どもに寄り添うどころか、反応がない。

記事では明らかになっていませんが、僕は、この両親はASDである可能性が高いと思います。

実は、僕の妻の母親も、まさにこのような「毒親」でした。

以前、妻が幼い頃、母の日のプレゼントを渡して、スルーされたことをご紹介しました。

当時、ASDや発達障害という概念はありませんでした。妻の母親は、ASDと診断を受けた訳ではありませんが、今を思うと、ASDだろう特性を有しています。

妻は、自分の母親のことを、よく、自分をあたかも道具のように扱っている、生身の人間だという感覚がないということをよく言っています。

そして、そんな毒親であったとしても、簡単に切り捨てることができない、愛してほしいと思ってしまう。

死ぬことで親に復讐を果たしたいという気持ちも同じです。

吉田さんは、親と絶縁した今でも、カウンセリングを通じて内面を整理する作業をしています。

親から受けた心の傷が、消えることはない。でも、「それもふくめて自分だ」と受け入れながら、人生を生き直している。

2024年5月29日朝日新聞朝刊より


そして、僕の妻も、信頼できるカウンセラーとのセッションを通じて、当時の親との関わりの中での苦しみや悲しみを丁寧に扱ってもらいながら、少しずつ癒やしています。

ASDの親のような、共感性が著しく低い親に育てられた場合、吉田さんや僕の妻のように、自己肯定感が低く、心が不安定となりがちです。

そのあおりを、結局パートナーが受けることになります。

今回は、共感性の低い親に育てられたケースでした

もちろん、毒親に育てられても、全員が大人になって、生きづらさを抱えている訳ではありません。

ただ、親の影響はとても大きく、もしパートナーの方が、精神的に不安定だったり、人間関係を築くのに難しさを抱えているときには、親の影響があるかもしれないと理解することも必要なのです。


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