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誰でもできる「科学的思考」

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震災や感染症などで不安や混乱が取り巻く社会に決まって広がる似非科学、デマ。 SNSが発達した今、あなた自身がデマ拡散に加担しているのかも。 これは、ニセ情報に騙されないハウツーを…
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#学問への愛を語ろう

あなたを突き動かすのは論理?感情?

あなたを突き動かすのは論理?感情?

全ての行動を感情のままに行っている社会人なんて、まさかいないでしょうね。

しかし、その感情が生起するバックグラウンドを知っておくと、もう少し良い選択をできるかも知れません。

人類に備わる二つの心超心理学者・石川幹人は人類の進化の過程で培われた心の働きに着目し、成立時期と性質の違いから人の心は大きく二つに分けられる、とします(※)。

一つは「野生の心」。

これはホモ属としての人類が、文字通り

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「がんにも効く」はウソ、やめとけ

「がんにも効く」はウソ、やめとけ

従前より私は拙著やブログなどで、エセ科学にだまされるのを防ぎ、自然科学非専門の人がニセモノ科学とホンモノ科学を見分ける為の「クリティカルシンキング7ヶ条」(略称クリシンセブン)というものを提案しています。

これは完成形ではなく今後改訂されるべきものであり、その為にもいろいろな事例を見て分析していく必要があるでしょう。

医師・桑満おさむはその著書、「“意識高い系”がハマる『ニセ医学』が危ない!」

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行き過ぎた自然主義

行き過ぎた自然主義

2017年ころだったと思います。

都内某所で「スピリチュアル科学セミナー」というのがあり、顔出してみました。

跋扈するエセ量子力学今だったら絶対行かないでしょう(笑)。

当時はまだスピリチュアルという言葉にも今ほどのアレルギーはなく、「怪しさ」は感じつつも参加してみることに。

まあそしたら案の定ですわ、中身はデタラメのてんこ盛り。

どうやったら願いがかなう幸せな人生をゲットできるかを「量

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隙あり!省エネ脳

隙あり!省エネ脳

食や農業に関する報道が、他の科学トピックの報道に比べてお粗末である。
なぜか?

サイエンスライター・松永和紀(わき)氏は問いかけます。

そういった生活に直結した科学の問題は、本当は最先端の科学を含み本質的に不確実性も伴う問題であるにもかかわらず、暮らしに密着しているテーマであるがゆえにそのように認識されない。

それは、こういう分野では自分たちに知識がないことに気付きにくく、簡単に理解でき伝え

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抑えがたい信仰の心とスロー思考

抑えがたい信仰の心とスロー思考

人は本質的に「他人に言われたことを信じやすい」傾向があり、これには進化論的背景がある、ということが分かってきました。

数百万年に及ぶ狩猟と採集の時代を経た人類は、その過程でその時代での生活に適した認知機能や性質を遺伝情報として保持するようになりました。

この時代人類は血縁関係に基づく、数十人程度、多くても150人くらいまでの集団で、移動しながら生活していたらしい。

太古の昔に養われた信仰心厳

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「波動医療」に気を付けて!

「波動医療」に気を付けて!

バイオレゾナンスは「波動医療」の一種。
1970年代にドイツの技術者(医師ではない)パウル・シュミットが開発しました。
その内容は‥

「量子力学によれば物質は全て振動していて、それにより波動が出ている。
物質にはそれぞれに固有の周波数がある。
臓器の発する波動の周波数を測定することで不調や病気の原因を突き止める。
共鳴により波長を整えることで治療効果を得る」、のだとか。

一体この「波動」と称

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イメージ先行?「波動生命体」論

イメージ先行?「波動生命体」論

「ウイルスは波動生命体」論、SNSで広まって久しい。
科学的なようで科学とは無関係。
他愛のない論調だが、影響を考えると見過ごせない疑似科学特有の問題点とは?

定義のあいまいな「ウイルス=波動生命体」だからPCR検査もワクチンも必要ない、と続きます。

まず、心の持ちようでウイルスの影響がなくなる、などというエビデンスはありません。

それにしても疑似科学でよく出てくるキーワード、「波動」がここ

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