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午前4時、成田空港より。#ひとり旅エッセイ

 長編シリーズエッセイの予感。
 どうも、コーシです。

 タイトルから少し遡り、前回の続きの2月21日午前2時半くらい。星野源のオールナイトニッポンを聴きながら成田空港へと車を走らせる。
 車もまばらな高速道路。実に爽快。車でラジオを聴きながら大笑いできるこの時間が大好きだ。

 この日の東京はポカポカ陽気で、沖縄に発つ私を「東京だってあったかいヨ」と引き留めているようだった。

 車はスイスイと進み、成田まで10kmくらいのところで酒々井PAに立ち寄った。トイレと水を買うため、外に出る。え、、寒い。待って、寒すぎる。白い息出てる。
 私は寒暖差に弱いので、沖縄に行くのにも相当覚悟を決めてきたが、まさか東京千葉間でここまでの温度差を感じるとは。東京都は打って変わって、千葉は「ぐずぐずしてねぇで早く沖縄に発て!」と言っている
 いや千葉さん、流石に飛行機の時間ってものがあるのよ。もう少し優しくしてよ。

 そんなこんなで、成田空港の駐車場に到着した。時刻はちょうど4時くらい。いつも賑わっている成田空港も眠りについている。ここから、2時間半ほど時間を潰す。さぁ、問題は寒さだ。
 間違いなく、2時間半エンジンをつけっぱなしにすることは恐ろしい。騒音とか色々問題ありそう。並びに、ずっと窓を閉めっぱなしというのも、よくなさそう。なんか一酸化炭素中毒みたいな、そんな系統の中毒になると聞いた記憶がある。

 ただ、それは寒そう。マジで。ポカポカ陽気から始まった旅なので、私はアウターとか持ってない。暖かい沖縄でもギリ使えそうなパーカーのみ

 とりあえず、運転席から遠い窓を極限まで少なく開けて耐え凌ぐことにした。そして私は、この旅行の待ち時間のためにダウンロードしてきた『ブラッシュアップライフ』を1話から見始めた。
 このドラマ、本当に面白い。あとでちゃんと感想も文章にしたい。面白い。面白いのだけれど、徐々に、間違いなく寒い。

 しかし成田空港第1パーキングに滞在し始め、早1時間が経っている。時刻は午前5時。『ブラッシュアップライフ』効果もあり、時間の進みが早い。

 あと1時間。いやぁ、ギリギリだなぁ。寒さには強かったはずなのだが、ここ1,2年は生命の危機すら感じるようになってしまった
 私は一旦、トイレに向かった。これが間違いだった。5階に車を止めた私は1階のトイレまで往復する間にかなり冷えてしまった。そして肝心のトイレでは、”トイレあるある:流してない”を食らってしまい、心も冷えた

 これは、ピンチ。結構ピンチ。昔、キムタク主演の『南極大陸』で堺雅人が凍死しかけるシーンがあった。あれを見て以降数ヶ月、寝るのが怖くなった。それを思い出してしまった。間違いなく、私は今人生の中で最も凍死に近い状況にいる

 あと車中で夜中に長時間を過ごすことなんてなかなかないので、ちょっと怖い。多分、ここは治安が良いどころの騒ぎじゃないくらい治安が良いはず。むしろ、この空の玄関先で、今1番怪しいのは一人凍えている私だ。だけどなんか怖い。

 そんなこんなで身も心も寒い。早く沖縄に飛びたい。

 そんな私の目に留まったのは、助手席に置かれたカレーパンと野菜ジュースだった。
 昔保健室の先生が教えてくれた。「食べた後は体温が高くなる。」その言葉を胸に、私はカレーパンを口にした。カレーパンをこんな暗い時間に食べるという罪悪感を野菜ジュースで相殺する。

 うまい。これは温まった(気がする)!

 私はその後、自分の息を服の中に吐き暖を取ったりしながら、ちょっと胃もたれの予感も感じながら、『ブラッシュアップライフ』を存分に楽しみ、午前6時を迎えた。成田空港も目を覚まし始めた。

 いよいよ沖縄も目と鼻の先である。

 フクダコーシ しそとツナ缶。
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 Twitter @FKohhhhhshi


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