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連作短編小説「奇特な病院」

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ニッチで風変りな、もしかしたらどこかにあるかもしれない病院の話です。
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2024年8月の記事一覧

「奇特な病院2」こんな目にばかり科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第32外来:こんな目にばかり科(患者 宮崎佐助…

渋紙のこ
4週間前

「奇特な病院2」本音が言えない科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第31外来:本音が言えない科(患者 桝田誠也) …

渋紙のこ
1か月前
3

「奇特な病院2」あったまる科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第30外来:あったまる科(患者 堀川にい)  …

渋紙のこ
1か月前
1

「奇特な病院2」わがまま言っちゃっていい科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第29外来:わがまま言っちゃっていい科(患者 …

渋紙のこ
1か月前
2

「奇特な病院2」褒めたい科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第28外来:褒めたい科(患者 藤原透子)  自…

渋紙のこ
1か月前

「奇特な病院2」暇科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第27外来:暇科(患者 桧山楓)  本で人生は…

渋紙のこ
1か月前
2

「奇特な病院2」わざと科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第26外来:わざと科(患者 張本あかり)  わざと自分が不幸になるようなことをしてしまった。  相手をふいに傷つけた。  それは、確かに自分の弱さで、相手が傷つくのを確信して、伝えた。  自分の性格の悪さに、自分の毒に、自分から飛び込んでいった。幼かったとはいえ。  あれは、そう。まだ後悔の中にいる今日。大人になった自分があの場でいたら。  自分で自分を陥れるようなことは、自分に良心があるなら、心に背くようなことはしない方がいい

「奇特な病院2」ぐっとこらえる科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第25外来:ぐっとこらえる科(患者 野上すいか…

渋紙のこ
1か月前
1

「奇特な病院2」話が通じるっていいな科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第24外来:話が通じるっていいな科(患者 根石…

渋紙のこ
1か月前
2

「奇特な病院2」人の顔色を読んでしまう科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第23外来:人の顔色を読んでしまう科(患者 沼…

渋紙のこ
1か月前
1

「奇特な病院2」他人のせいにしたい科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第22外来:他人のせいにしたい科(患者 新妻し…

渋紙のこ
1か月前
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「奇特な病院2」ここから突き進む科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第21外来:ここから突き進む科(患者 名倉祐介…

渋紙のこ
1か月前
2

「奇特な病院2」どこか冷めている科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第20外来:どこか冷めている科(患者 徳島やま…

渋紙のこ
1か月前
3

「奇特な病院2」不安に寄り添う科

※連作短編小説ですが、1話でも完結します。 第19外来:不安に寄り添う科(患者 寺田とくと)  私が不安なのは、鍵を失くすことと鍵をかけ忘れること。  それに他にも、もし親が死んだらとか、もし私の大事な誰かが死んだらとか。不安は尽きない。  一つ不安になったら、どんどん不安が膨れ上がる。  それもこれもあるひとが、死んでから不安に思うことが、続いている。  幼い頃の私は悪いことがあっても、これはここが、きっと底辺で、浮き上がるしかないんだと自分に言い聞かせて、私は大丈夫と