システマ ヴラッド大阪セミナーに行ったら色々すごかった
システマトロント本部校長のヴラッド(ヴラディミア・ヴァシリエフ)に会うため、大阪セミナー初日に参加しました。100人近い参加者とシステマをするのが初めてだったので、全体的に情報量が多かったです。
ヴラッドの印象
まず、存在感がすごかったです。ヴラッドの胸に触れると、砂がパンパンに詰まったサンドバッグみたいな感じで、押しても引いてもビクともしない。そんなパワーの塊が穏やかに軽やかに動くので、見えないところから鉄球の塊が飛んでくるような感じなのかなと思いました。
ヴラッドは人柄的にも穏やかで優しい紳士なのですが、触れあった時に修羅場をくぐりぬけた人が醸し出すもの悲しさ、儚さみたいなものも感じました。デモンストレーションでもユーモアを交えて説明をしてくれるのですが、怖いことやつらいことをたくさん経ての、この強さや人格なのかなと。ロシア軍の特殊部隊に従事した人物に会うということは、単にシステマを学ぶ以上に、多くの意味がありました。戦争をしてはいけないなと思いましたし、そういう経験をした人が言う「破壊の否定」は重い言葉だなと感じました。
ヴラッドの印象的な言葉
セミナーの内容に戻ります。頭の整理があまりできていないので、印象的だった言葉やワークの内容などを記憶を頼りに書いていきます。ワークとしては、床に寝転がって自由に動けるかを確認したり、2人以上でプッシュやストライクやコンタクトをしあったり(立ち、床ともに)、電車ごっこのように一列になって一番前の人をプッシュして後ろの列まで動きを伝えたり、などをしました。
印象的だった言葉
・まず、この会場やここにいる人々たちに適応できているか、快適でいられているか
・ミカエルの体に触れると沼のようだった(テンションがなくとらえどころがないという意味)、ミカエルはたとえ暗闇でも空間全体がよく見えていた
・この集団の中にうまく溶け込めているか、テンションがある人は目立つ
・99.9%の人は呼吸ができていない。フィジカル的な意味ではなく、自分をよくする呼吸ができていない
・みんな頭で考えすぎてテンションを内側にためこみすぎている
・自分の体にたまったテンションを溶かす→プッシュアップでたまったテンションを歩いて溶かし、拳を大きくする
・我々はプロであるべき、相手によってやることは変わらない
・軽く動く、相手の動きにアジャストして動き続けるほど軽くなる
・バネのように動く(軽く、しなやかにという意味かなと)
・自分の神経系が体の前にあるように、素早く対応する
・熱いものに触れた時のように、相手の手がナイフを持っているかのように想像して反応する(危機を察知し素早く動くということかなと)
・相手から触れられたところが動く(膝を触られたなら、膝が動く)
・ショートに無駄なく動く
・床にアジャストすれば、床が自分を押してくれる、自分が動く手助けをしてくれる
・コンタクトを恐れず、受け入れる。(動く)準備ができている体にする
・自分をオープンにする
ヴラッドは何度も「アジャスト」と言っていました。
アジャスト(adjust)は、
セミナーのテーマであるアダプト(adapt)は、
なので、ほぼ同じ意味ですね。ポーカーでもアジャストという表現をしますが、これも正しく相手をラベリングして、その想定をもとに柔軟に対応するというような意味です。フィジカル寄りかマインド寄りかの濃淡の違いはありますが、相手の動きや状況に合わせて対応していく、ということは共通の感覚です。
参加者のみなさんに教えてもらったこと
セミナーには、各地のインストラクターをはじめ、海外各国からも人が駆けつけました。人によって教え方も表現も様々なのが面白くもあり、学びにもなります。参加者の人たちに教えてもらったことも書いていきます。言葉よりも、体験・体感そのものが大きな学びではあるのですが。
・ショートに動くには、両手の拳を常に相手に向けておく。すると、相手から打たれたら反対側の手が自然に出てくる
・(コンタクトの時に)自分は空っぽで、相手を取り込む感じ、つながりを意識して触れる
・視線も大事。目を見て、感じてコントロールする(目だけで見すぎるのはよくないという前提で)
1日を通しての変化
慣れない移動や仕事の疲れなどで、会場到着時は頭が疲れてモヤモヤしていましたが、セミナーを通して体を動かす中で、体は疲れますが頭のモヤは晴れてきました。そして何より、最初は大勢いる環境で緊張していましたが、参加者の人たちと触れ合う中で、ヴラッドのデモ中のジョークにも自然と笑みがこぼれるくらいリラックスしていました。体のこわばりがとれたことで、心にまとっていた鎧も脱げていきました。心の鎧が脱げると、人間は図太く強くなれます。
ただ、固い床だったので、肘、膝、腰など体のとがっているところはその日のうちにアザだらけでしたが…。あと、最後のマスアタックで転倒してしまいヒヤリとしました。自分の体格や体力を考えれば危機管理として通常はマスアタックに入らないという判断をしているはずですが、1日を通してハイになっていたのかなと後から振り返って思いました。ケガがないのが一番なので気を付けたいです。
そしてほとんどの参加者はシステマTシャツを着ていましたが、私は何となくインベーダーTシャツをチョイス。程よくいじってもらい、会話のきっかけになったので良かったです。英語ができると、海外の参加者とも即興で交流できてよいなと思いました。そんなことを考えました。
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