マガジンのカバー画像

エッセイらしきものばかり

521
何がエッセイなのかよく分かっていない人が書いたエッセイらしきものです。
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

デルタゾーン供給過多

デルタゾーン供給過多

 友人たちとボーリングに行ったんです。しかし、ボーリングの才能が欠如している私は気が進みませんでした。一生懸命やって小学生以下のスコアを叩き出し、しかもそれをおいしくいじられるようなスキルもない。そのため、ボーリングのたびに微妙な空気を充満させてきた過去があります。

 しかし、その日は何とかなりました。理由はいろいろありますが、居酒屋経由でボーリング場へ来たため、みんなしっかりお酒が入っていたか

もっとみる
オープン闇トイレ

オープン闇トイレ

 まだ実家に住んでいた頃です。自分の部屋で夜中までダラダラ起きていた私は何気なくトイレに行ったんです。トイレは電気がついておらず、真っ暗です。真夜中なんだから当たり前です。私はいつものようにトイレの電気をつけ、その流れでドアを開けました。

 普通に祖母が便器に座っていたんで私、「うおっ」と声をあげました。しかし、当の祖母は「ああ、ごめんね。すぐ終わるからね」と、のん気な言い回しです。とりあえず、

もっとみる
悪いことにも個性が出る

悪いことにも個性が出る

 何をするにしたって個性が出る。当たり前と言えば当たり前なんですけど、その「個性の出方」はしばしば見る者を不思議な気分にさせます。価値観の違いがそうさせるのか分かりませんが、「彼はどうしてそんなことをしたのか」としか思えないような行為を目撃する場合もある。それは悪いことであっても同じのようです。

 例えば、私が通っていた大学の学食で起きた出来事です。ご飯を食べるお店ではしばしば、入口にメニューの

もっとみる
世紀末訂正印伝説

世紀末訂正印伝説

 訂正印を知ったのは中学生の頃です。学校で高校受験の書類にあれこれ記入する時、間違いを訂正するための手法として習いました。

 世の中には便利なものがあるもんだと思いました。同時にこうも考えました。「やっぱみんな間違えるんだ」と。既に数々のウッカリをやらかしてきた歴戦の勇士である私としては、重要な書類でもこんな救済措置がある点に安堵を覚えて仕方がありませんでした。

 それからちょっとした年月が過

もっとみる
事故日焼けスタイル

事故日焼けスタイル

 今のように外気温が人の体温を越えるかどうかみたいな時期より少し前、季節としてはいわゆる初夏の頃、晴れた日に割と整備されている公園へ行くと、上半身裸で寝転んでいる人がチラホラ現れるんです。

 大体は日当たりのいいベンチや平らな地面に仰向けまたはうつ伏せでいて、下にはシートが敷かれていますから、何らかの身体的トラブルでぶっ倒れたわけではないと分かるんです。たまにサンオイルで全身テカテカの人もいます

もっとみる