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2024年5月の記事一覧
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第七章 花手水
第七章 花手水(はなちょうず)
届かなかった想い
届いた想い
どれも何時しか願いとなりて
此の世界を安らかに見守っている
清まれし願いは
生きていく我々に
魂の安寧を授けん
――――――――
「サダノブ行くぞ!」
黒影は痛む背中から血を滲ませながら、朱雀剣を後ろ手に精一杯引く。
三匹の龍が更に水中を出たと思われた時、華渦巻く朱雀剣が丁度全ての花弁を巻き込んだ。
サダノブ
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第六章 闇より深く……
第六章 闇より深く……
※此の章はイメージを大切にして頂くラスト前ですので挿し絵は控えております。
「来るぞ!」
僕は辺りを見渡し警戒した。
ただでさえ硝子が崩れそうなこの状態で、一気に全ての世界が闇と包まれたのだ。
ヒシヒシと感じる……。
突然、僕を「黒影紳士」の世界に閉じ込めた、この呪いの様な書の本質……。
「何ですか、黒影紳士の書って?」
「良いから警戒しろ、来るぞ!」
心臓の
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第五章 片翼の天使と云う物語
第五章 片翼の天使と云う物語り
夜中に行形黒影紳士以外を書きたい衝動に駆られた。
僕には片翼しかない。
此れは産まれながらにそうである。
誰もが始めはそうなんだ。
そうでなければ、誰かを必要としないから。
此れは人と人が手を取り合う為に神様がそうされたのだと謂れているが、本当のところは誰も知らない。
もしも、本当に我々が片翼である理由がそうであるならば、僕はその理由を恨むだろう。
…だ
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第四章 華、誘い
第四章 華、誘い
――――――
ある夜の事だ。
黒影の声が聞こえた気がして、私は振り向いた。
あの洋燈を手に…理由も無く星でも眺めようと歩き出す。
鳳凰にも似た赤い火星が、今にも消えそうな瞬きをしていた。
胸騒ぎがして黒影の事務所に電話でもしようと思ったんだ。
そんな時、ぽつりぽつりと光が空へと続くのだ。
「この光は…」
手元に持っている、一つしか無い筈の洋燈が、道を示す様にポンポンと浮か
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第三章 影、現る
第三章 影、現る
「黒影?……誰ですか、其奴は?」
ある新米カメラマンが、その名を口にした。
周りにいたマスメディアが一気に騒めき立つ。
「おい!今、お前……「黒影」と言ったのか!?」
隣にいた記者が顔面蒼白になって聞く。
「ええ、確かに。「黒影」って奴が来るからさっさと帰って来い!って……」
と、何の事だかさっぱり分からない新人カメラマンは、言われたままを説明する。
「黒影と言ったらな
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第二章 水晶華
第二章 水晶華
一つ、煉獄映す業火の情熱
二つ、澄み渡る生命を讃え
三つ、言の葉揺らす君を想い
四つ、眠りつけば温もり残し
五つ、照り付ける輝きをも我が身にす
其れが何かと言いますれば、
五つの花弁の物語で御座います。
――――――
「総てを吸って行く?」
黒影は口にしていた珈琲カップをソーサーに置き、思わず確認した。
「ああ、五大元素ってあるだろう?その要素がある物、総
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第一章 流雪蔦
第一章 流雪蔦
流雪蔓
雪柳が咲く
桜を前に
白き雪の名残を讃えた
――――――――
染井吉野が咲く頃、小さな白い雪の花がぽつりぽつりと咲き始めた。
温かな風に吹かれ、其れは軈てふんわりと嫋やかに揺れるのであります。
真っ黒な猫が一匹…その白い雪柳の簾を掻き分け現る。
「あっ……「先生」じゃないか。……ほら…花弁だらけじゃないか。さては遊んでいたな?」
微笑む青年が一人、其
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第五章 天空に独り
ちょっと待ったー‼️待ってお願いです、待って‼️
間違えて1日前に更新しちゃいました!
一枚もう一枚、挿し絵描きたかったです!
明日読むか、挿し絵だけ明日観にきてね♪💦
第五章 天空に独り
「……はっ……はっ……」
黒影は未だ息も整わぬうちに立ちあがろうとした。
「先輩!……幾らなんでも無理ですよ!」
サダノブの言葉を気にも止めず、黒影は鳳凰の炎揺らぐその瞳を更に燃える様に真っ赤にさせ、
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第四章 迷いなき独り
第四章 迷いなき独り
一人の男が交差点へ入る。
黒影は襟の裏に仕込んである小型無線を使い、
「高梨 光輝です。警察名簿から昔の物だが顔を確認。間違い無い」
と、能力者犯罪対策課のチームにも言った。
サダノブも横で静かに身を潜めている。
「もう一人確認!」
暫くして風柳から報告がはいる。
二人は何やら話し込んでいる様だ。
「黒影、未だ大丈夫か?」
風柳は黒影のGoが出ないので心配して