自分に対して使う言葉を、丁寧にしてみた。
メモをよく書く。
それを読み返していた。
書いてある内容は様々だけど、そこには少なからず自分の考えをアップデートしようという意思が感じられるものがある。
今まで僕は長いあいだそうして、「しなくては」だとか「ほうがいい」とか「するべきだ」みたいな言葉で、自分に厳格な態度を強いてきた。
「本当にそれでいいのだろうか?」
と最近になって思った。
だって、普通は人に物を頼むときにこんなことは言わない。
それは礼儀であり、配慮だろう。
やりたくないかもしれないことを、人に頼むとき言い方に気をつける。
それは当たり前のことだった。
こんな上から目線の指示では、できることもできなくなる。
だとしたら、自分に対しても同じようにしたい。
そのメモを見る自分は、『やりたくない自分』かもしれないからだ。
というわけで、書き方を改善したい。
『今日は小ネギを買って、切るのを忘れないでください』
いや。
これではなんだか、敬語を使っている、というだけでまだどこか包丁みたいな冷たさが残っている。
『おはようございます。料理酒があと僅かです。購入お願いします』
挨拶を追加。
業務的な感が否めない。
もっと明朗快活な雰囲気が出したい。
「おはようございます! 今日もいい天気ですね! とはいえ、すこし肌寒くなってきて、体調を崩しやすくなっています。心配です。あたたかくしてくださいね。あたたかく、といえば、もうすぐうどんが美味しい季節がやってきます。肉うどん、味噌煮込み、釜揚げに……それから焼きうどん、なんかもいいかもしれません。調味料の準備はお済みでしょうか? 食べたいときにさっと食べられる。そんな用意をしておくといいかもしれませんよ!」
よし。
これだけやれば、次の日の僕も重い腰を上げてくれるはず。
やらなくてはいけないことがある日は、こんなふうに指示を残しておくべきだ。
おっと。
『こんなふうに指示を残しておくと、いいかもしれませんよ!!』
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