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塩焼きのすすめ、シンプルという時短

もっとも簡単でおいしい時短料理は塩焼きじゃないかと思っている。
塩焼きの良さは、塩の味はみんなが知っていて大抵わかるから、同時にその塩味を差し引いたそのものの味もよくわかること。自分が今何を食べているのかがよくわかる。

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真っ先にくるのは魚だけど、肉でも野菜でもおいしい。
素材が変わっても塩を振って焼くことは同じだから、その手間も見た目もおいしさも大体予想ができることで気持ちも楽になる。
塩の意味にはいくつかあって、味付けでもあるし、水分を引き出して旨味を凝縮させる、水分と一緒に臭みを除く、保水性を持たせてくれることもある。
そうした塩の素材に応じた働きが、単純なようでいて実は色々なことを起こしているのが塩焼きという料理。

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塩はほんの少しの量でも働いてくれるし、食べて味が足りないならまた塩をかけたりつけたり、何か違う味を添えて補うのも発見があっていい。
魚の塩焼きだって、そのまま塩味だけ、大根おろしとお醤油、大根おろしがなくてもお醤油、レモンやスダチ、ポン酢、と慣れ親しんだ食べ方はそれぞれだろうし、長年の習慣で試しておいしかったものを自分で採用したのもあると思う。
鶏ならモモでもササミでも手羽先でも、こんがりと焼いて七味やわさび、豚ロースに柚子胡椒とか、葉っぱで包んで味噌と食べるのもいい。野菜も一緒に焼いて、仕上げにオリーブオイルと黒こしょうでも振ったら急にシャレた感じさえしてくる。

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焼くのは魚焼きのグリルでもフライパンでもできるし、随分前にデパートの北海道物産展でホットプレートにクッキングシートを敷いてむかわのししゃもを焼いているのを見たときはなるほどと感心した。

塩加減が難しく感じる人も多いようだけど、いきなり振り過ぎれば後で除くことは難しいので、大事なことは初めは「こわごわちょっとずつ振る」ということ。

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こわごわは、しょっぱいかな薄いかなとか、1カ所だけに固まってないかな、と「気にしながら」ということ。
ちょっとずつは、人差し指と中指と親指の3本の指先で軽くつまんだくらいの俗にいう「ひとつまみ」を基準に、それを少し減らしたところから始めて、それが自分にとってどうかを探っていったら、そんなにひどいことにはならないかなと。

指の太さなんて人によるし、使う塩によって感じる塩気も違うから、まずは自分のひとつまみを基準に始めたら、こわごわはいつしか消えていくんじゃないかと思います。


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