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樹(バウム)―樹木の神話、医療用途、料理レシピ


樹(バウム)―樹木の神話、医療用途、料理レシピ

 題名のとおり、樹木の本です。ドイツの樹木が紹介されています。著者はドイツの方です。
 バウムとは、ドイツ語で、樹木のことですね。

 ドイツには、日本とまったく同じ種【しゅ】の樹木は、あまり自生していません。
 けれども、日本の種と近縁で、姿や性質も似ている種が多いです。ヤナギの仲間や、マツの仲間や、ブナの仲間などです。
 ですから、日本人でも、本書に紹介されている樹木には、親しみを感じられるでしょう。

 ただ、植物名の表記に、漢字と、ひらがなと、カタカナとが入り混じっています。統一されていません。
 加えて、表題に挙がっている植物名が、必ずしも、生物学的に正しいとは限りません。
 これらの点が、読みにくいうえに、種名を誤解しやすいのでは?と感じました。このために、満点は付けられません。

 本書の副題に、『樹木の神話、医療用途、料理レシピ』とありますね。このような樹木の利用法まで書いてくれているのが、ありがたいです。
 アロマセラピー(アロマテラピー)や、ハーブ療法をやる方には、とても参考になるでしょう。
 もちろん、御利用は、自己責任でお願いします。

 欧米からのアロマセラピー情報や、ハーブ療法の情報は、英語圏のものが多いです。さもなければ、南仏プロヴァンスあたりのフランス語圏からの情報です。
 ドイツ語圏からの情報は、珍しいです。本書を読めば、ドイツでも、植物を使った療法が盛んなのが、うかがえます。

 何といっても、ドイツは、クリスマスツリー発祥の地ですからね。古代から、樹木崇拝が盛んでした。その伝統が、今もあると感じられます。

 アロマセラピーなどをやらない方でも、ドイツの文化に興味がある方、また、ヨーロッパの魔術に興味がある方には、お勧めです。
 かつて「魔女」と呼ばれた人々には、植物療法を心得た人が多かった、といわれます。昔の「魔女」たちの魔術の一端を、本書で垣間見ることができます。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

もみ
から松【まつ】
松【まつ】
とうひ
柏槇【びゃくしん】
いちい
胡桃【くるみ】
ポプラ
柳【やなぎ】
白樺【しらかば】
しで
はしばみ
榛【はん】の木【き】
楢(オーク)
ぶな
楡【にれ】
めぎ
野【の】バラ
木【き】いちご
桜【さくら】
シュレーエ
さんざし
林檎【りんご】
梨【なし】
マルメロ
ななかまど
楓【かえで】
マロニエ
イソノキ
菩提樹【ぼだいじゅ】
とねりこ
にわとこ

訳注
訳者あとがき



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