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人名の世界地図


人名の世界地図

 世界のいろいろな人名を紹介している本です。

 世界史に興味がある方なら、本書は、必読でしょう(^^)
 どこの国でも、人名には、ちゃんと意味があるんだとわかります。

 世界史が苦手という方にも、本書は、お勧めできます(^^) 苦手を克服するきっかけになるかも知れません。

 世界史が苦手な方って、カタカナの羅列する人名を覚えるのが、苦手じゃありませんでしたか? そのために、世界史が嫌いになりませんでしたか?

 本書には、外国のよくある人名の由来が、解説されています。
 例えば、作曲家のバッハBachとは、「小川」の意味です。「小川さん」は、日本人にも、とても多い姓ですよね。
 同じ作曲家のシューマンSchumannは、「靴屋」の意味です。職業が姓になった例ですね。

 こんなふうに、意味を解説されると、ただのカタカナの羅列だったものが、親しみやすくなります(^^)

 世界地図とはいうものの、紹介される人名は、ヨーロッパのものが中心です。オセアニア、アフリカ、南北アメリカの先住民などについては、ほとんど取り上げられていません。
 その点が残念です。

 とはいえ、ヨーロッパ、西アジア、東アジアの人名がわかるだけでも、本書は、たいへん役に立つ本です。

 小説を書く方など、何らかの創作に関わる方には、特に役立つでしょうね。登場人物の名を付ける際に、大いに参考になるはずです。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

第1章 名前にこめられた意味
 ピーターとピョートル  音楽家バッハは「小川さん」  民族名がすぐにわかる姓
 地名が姓となり、名前となる  ライトもカーペンターも大工さん  
 ケネディとは醜い頭!  など

第2章 聖書がつくった人名の世界地図
 子供が生まれたとき  国の承認が必要な名前  
 ノルマン系の名前で埋めつくされたイギリス  尊敬され、嫌悪されたダヴィデ
 殉教者ステパノとスティーヴン・スピルバーグ  パウロからポールへ  など

第3章 ギリシア・ローマ――失われたものの伝説
 宗教改革が「名前」を変えた  自分の首を抱えて歩いた聖ドゥニ
 大地の女神ガイア  トルコから運ばれた遺体がサンタクロースに
 怪僧ラスプーチンの名は?  古代ローマ人の名前  など

第4章 花と宝石に彩られた女性名の反乱
 新しい名前を!  シェイクスピアが創った名前  マリアとエヴァの運命
 ヨハナンからハンナへ  四人に一人がエリザベス  殉教聖女たちの伝説  など

第5章 コナー、ケヴィン――ケルト民族は生きている
 ケルトの名にこめられた民族意識  女神ダーナとブリギット  
 アーサー王の伝説  聖パトリックと聖コルンバ  ケルト的な名前とは
 ミッキー・マウスとウォルト・ディズニー

第6章 ヴァイキングたちが運んだ名前
 ゲルマン民族の人名地図  富をもつ名エドワード  クロヴィスからルイスまで
 カール大帝と浮浪者チャーリー  ノルマン人の征服  ノルマン人の遠征  など

第7章 名前でも迫害されたユダヤ民族
 ユダヤ人に生まれて  土からつくった生命  ユダヤ人の命名法
 イスラームとの共存  「百合の谷」という名の悲劇  
 「ヨーロッパ社会への入場券」

第8章 姓でわかった中国三千年史
 名前をよんではいけなかった?  姓が先か氏が先か? 中国人に多い姓は
 稀姓の由来  名門の家柄を示す  中国人の命名法  など

第9章 先祖の名とともに生きる朝鮮半島の人たち
 姓のはじまり  金日成一家にみる名前の変遷  犬の糞という名前
 創氏改名で生まれた名  主形【ジュヒョン】の意味がわかりますか

第10章 アジア・アフリカの人名地図
 アジア・アフリカの命名事情  「スー・チー女史」はなぜ間違いか
 ミツバチ、カボチャとよばれる子供たち  サンコンとゾマホン
 イスラーム世界の人名  ムハンマドの代理人  など

第11章 黒人奴隷に押しつけられた名前
 名前を奪われる  王子、公爵、将軍  アメリカ黒人が選んだ名
 アンクル・トムへの反発  知名度ナンバーワン「サンボ」

大索引 人名は「意味」の宝庫
 おもな欧米人の名前  ロシア人の名前  インド人の名前

参考文献



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