【小説】宇宙うさぎ18
不知火(しらぬい)の皮をむいていたら電話がかかってきた。この甘くてみずみずしい果実は、子どものころからの私のラッキーアイテムだった。毎年、旬の時期を過ぎても食べれるようにと大量に買い込み、ひとつひとつラップに包んで冷凍保存している。不知火専用の冷凍庫も買って置いている。友人たちはみな私のラッキーアイテムをオレンジジュースだと思っているが、正確には違う。不知火はオレンジではない。でもそれを事細かに説明する気もなかったから放っておいたらオレンジということになった。柑橘にも色々あ