大竹 進

青森市と下北郡佐井村で整形外科を開業しています。

大竹 進

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記事一覧

中古容器の不正疑惑について規制庁に質問~50年貯蔵キャスク

青森県むつ市にある中間貯蔵施設に、新潟県柏崎刈羽原発で出た核のゴミが運び込まれ、9月中旬に最後の検査を受け事業が開始される予定です。 核のゴミを入れる容器を製造…

大竹 進
2週間前

東京電力の輸送キャスクに不正疑惑   ~50年も貯蔵するのは無理でしょう

 新潟県柏崎刈羽からむつ市の中間貯蔵施設へのキャスク搬入から営業開始までの今後の予定を整理します。  海上輸送して、関根浜港で陸揚げして、キャスクを搬入し設置し…

大竹 進
1か月前
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核のゴミ容器(キャスク)は14年前の 中古品で安全なの?~不正が内部告発された「M&E室蘭」製だった

 今年9月にも核のゴミが、新潟県柏崎刈羽原発から青森県むつ市の「中間貯蔵施設」に運び込まれる予定です。青森県知事は安全協定締結を急ぎ、7月上旬に県民説明会を開催…

大竹 進
1か月前
15

診療報酬改定で窓口負担が増えるの?

 6月1日から診療報酬が新しくなり、初・再診料が値上げになって負担が増えるとのマスコミ報道がある。一方、診療所からは「紙の書類が増え、さらに減収になる」と悲鳴が…

大竹 進
2か月前
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10月からお薬をもらうと消費税がかかります ~長期収載医薬品で負担増

 2024年の診療報酬改定では、「長期収載医薬品の保険給付に選定療養が導入され2024年10月から実施」されます。  何のことか、さっぱりわからないと思いますが…

大竹 進
4か月前
2

志賀原発防災・避難計画の検証~その3 北陸電力は計画に沿った防災対応できず

 原子力防災で原発事業者が対応するべき内容については、原発ごとに防災業務計画を作成し原子力規制委員会に届けることになっている。  最新の志賀原発防災業務計画は2…

大竹 進
5か月前
2

志賀原発防災・避難計画の検証 その2~21:50 警戒本部廃止に異議あり!

 2024年1月1日 16:10の発生した能登半島地震後の内閣府や原子力規制委員会がどのように対応したか、時系列にまとめ整理した。 合同警戒本部の設置と廃止 1月1…

大竹 進
6か月前
9

志賀原発防災・避難計画の検証~その1オフサイトセンターに住民40人以上が避難

 2024年1月1日、マグニチュード7.6の地震が襲い、志賀原発のある志賀町では震度7を記録した。原子力災害への対応、防災という視点で国(原子力規制員会)と事業者(北…

大竹 進
6か月前
9

志賀原発 外部電源と変圧器の損傷~ニュージーランド地震で寸断されたOFケーブルは健在か?

2024年1月1日に起きた能登半島地震では、志賀原発の外部電源が失われた。原発外部の変電所と送電線の異常、さらに、原発敷地内部に8個ある変圧器のうち5個の変圧器…

大竹 進
7か月前
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魚のトリチウム濃度は?~東京電力は3か月たっても分析中

 2023年8月から始まった汚染水の海洋放出では、3回にわたり3.2兆ベクレルのトリチウム水が福島の海に放出されました。  放出後、海水のトリチウム濃度は公表さ…

大竹 進
8か月前
7

医療費に隠れ消費税

医療費の領収書に消費税の文字はない。薬剤の消費税は誰が負担しているのか?「国民医療費が水増しされている」が答えだ。財務省は、来年の国民医療費48兆円から2兆3千5…

大竹 進
8か月前
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マイナ保険証は解約困難なサブスク契約か~7つの問題点を解説する~

8月4日に岸田総理は記者会見を行い、2024年秋にカード保険証を廃止するにあたり「弥縫策」を打ち出した。保険証廃止の方針は変えずに「マイナ保険証を保有していない方全…

大竹 進
8か月前
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北国の暮らしに、トリガー条項凍結解除は有効か?

トリガー条項凍結解除が検討されていますが、北国で得暮らす人にとってどうかを考えてみました。 ガソリン、軽油、灯油、重油などが使われていますが、それぞれ複雑な税…

大竹 進
9か月前
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Dr大竹の トリチウム動画

その1:ヒラメの有機結合型トリチウム(OBT)は測定可能です。 有機結合型トリチウムは、アオサや植物プランクトンが光合成で作ります。 https://www.youtube.com/watch?v

大竹 進
9か月前
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トリチウム汚染水の海洋放出をやめさせよう!~中学校理科の知識で考える

 2021年4月13日、国は2023年に福島第一原発から汚染水を海洋に放出すると発表しました。汚染水にはトリチウムが含まれますが、国と東電そしてIAEAは、健康への影響や安全…

大竹 進
2年前
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六ケ所再処理工場で起きた冷却機能喪失事故 ~高レベル放射性廃液危険に

7月2日、六ヶ所再処理工場で冷却機能喪失という重大事故が起きました。その結果、カラス固化の前段階で「供給液槽B」に貯蔵されている高レベル放射性廃液(2.6㎥)の冷却が…

大竹 進
2年前
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中古容器の不正疑惑について規制庁に質問~50年貯蔵キャスク

青森県むつ市にある中間貯蔵施設に、新潟県柏崎刈羽原発で出た核のゴミが運び込まれ、9月中旬に最後の検査を受け事業が開始される予定です。

核のゴミを入れる容器を製造した日本製鋼所JSWでは、データ改ざん・ねつ造・虚偽記載等の不正が内部告発されました。JSWの原子力製品はフランスにも輸出されていたため、現在もフランス当局の検査が続いています。

今回使用される容器HDP-69B 1号機(日立GE)は、
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東京電力の輸送キャスクに不正疑惑   ~50年も貯蔵するのは無理でしょう

東京電力の輸送キャスクに不正疑惑   ~50年も貯蔵するのは無理でしょう

 新潟県柏崎刈羽からむつ市の中間貯蔵施設へのキャスク搬入から営業開始までの今後の予定を整理します。
 海上輸送して、関根浜港で陸揚げして、キャスクを搬入し設置したうえで、9月中旬に使用前検査を行う予定です。
 キャスクを海上輸送するためには、「輸送用容器の承認(東京電力申請中)」が必要で、承認されて初めて輸送が開始されます。

容器の承認申請 その審査のために7月9日に「容器の承認申請」が出され、

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核のゴミ容器(キャスク)は14年前の 中古品で安全なの?~不正が内部告発された「M&E室蘭」製だった

核のゴミ容器(キャスク)は14年前の 中古品で安全なの?~不正が内部告発された「M&E室蘭」製だった

 今年9月にも核のゴミが、新潟県柏崎刈羽原発から青森県むつ市の「中間貯蔵施設」に運び込まれる予定です。青森県知事は安全協定締結を急ぎ、7月上旬に県民説明会を開催しました。
 しかし搬入直前になって、輸送・貯蔵する容器(キャスク)の型式が変更されました。リサイクル燃料所有の日本製鋼所室蘭製作所で溶接されていた「タイプ2キャスク」が、なぜか登録から削除されました。さらに、最初に運び込まれるキャスク「タ

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診療報酬改定で窓口負担が増えるの?

診療報酬改定で窓口負担が増えるの?

 6月1日から診療報酬が新しくなり、初・再診料が値上げになって負担が増えるとのマスコミ報道がある。一方、診療所からは「紙の書類が増え、さらに減収になる」と悲鳴が上がっている。両者からは全く逆の意見が聞かれるが、本当はどうなのか解説する。人によって医療機関によって異なるのは当然だが、マイナス0.12%改定なので、医療費全体としては600億円のマイナスになる設計だ。さらに、実際はもっとマイナスになると

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10月からお薬をもらうと消費税がかかります ~長期収載医薬品で負担増

10月からお薬をもらうと消費税がかかります ~長期収載医薬品で負担増

 2024年の診療報酬改定では、「長期収載医薬品の保険給付に選定療養が導入され2024年10月から実施」されます。
 何のことか、さっぱりわからないと思いますが、分かりやすく解説します。

長期収載医薬品って何? お薬には「先発品」と「後発品」があります。以下の①または②を長期収載医薬品として一覧表が用意されています。ただ、バイオ医薬品は長期収載品の対象外です。
①後発品が初めて薬価基準に収載され

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志賀原発防災・避難計画の検証~その3 北陸電力は計画に沿った防災対応できず

志賀原発防災・避難計画の検証~その3 北陸電力は計画に沿った防災対応できず

 原子力防災で原発事業者が対応するべき内容については、原発ごとに防災業務計画を作成し原子力規制委員会に届けることになっている。
 最新の志賀原発防災業務計画は2023年3月15日付で届けた防災業務計画が使われている。今回能登半島地震による警戒事態発生時に、事業者の北陸電力と志賀原発の職員が防災業務計画通り動けたのか、検証する。

1. 志賀原発防災業務計画1-1 原子力防災管理者

 計画によると

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志賀原発防災・避難計画の検証 その2~21:50 警戒本部廃止に異議あり!

志賀原発防災・避難計画の検証 その2~21:50 警戒本部廃止に異議あり!

 2024年1月1日 16:10の発生した能登半島地震後の内閣府や原子力規制委員会がどのように対応したか、時系列にまとめ整理した。

合同警戒本部の設置と廃止 1月10日の原子力規制庁の資料「令和6年能登半島地震における原子力施設等への影響及び対応」によると、「警戒事態に至ったことから」中央と現地に警戒本部が設置されその後廃止されたと記載されている。

16:10 石川県能登地方を震源とする地震発

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志賀原発防災・避難計画の検証~その1オフサイトセンターに住民40人以上が避難

志賀原発防災・避難計画の検証~その1オフサイトセンターに住民40人以上が避難

 2024年1月1日、マグニチュード7.6の地震が襲い、志賀原発のある志賀町では震度7を記録した。原子力災害への対応、防災という視点で国(原子力規制員会)と事業者(北陸電力)の対応について時系列で整理し、問題点を明らかにする。
 原子力災害も含めて、防災基本計画は災害対策基本法に基づき作られている。さらに、原子力災害については、原子力災害対策特別措置法に基づき、原子力災害対策指針(国・規制員会)、

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志賀原発 外部電源と変圧器の損傷~ニュージーランド地震で寸断されたOFケーブルは健在か?

志賀原発 外部電源と変圧器の損傷~ニュージーランド地震で寸断されたOFケーブルは健在か?

2024年1月1日に起きた能登半島地震では、志賀原発の外部電源が失われた。原発外部の変電所と送電線の異常、さらに、原発敷地内部に8個ある変圧器のうち5個の変圧器に異常が生じ外部電源が使えなくなった。
北陸電力は、原子力規制員会に報告、マスコミの記者会見、そしてホームページ上にプレスリリースを掲載している。それらの資料を見ると、相手によって資料が少しずつ違って、とても分かりにくくなっている。
なぜ、

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魚のトリチウム濃度は?~東京電力は3か月たっても分析中

魚のトリチウム濃度は?~東京電力は3か月たっても分析中

 2023年8月から始まった汚染水の海洋放出では、3回にわたり3.2兆ベクレルのトリチウム水が福島の海に放出されました。
 放出後、海水のトリチウム濃度は公表されていますが、魚類や海藻のトリチウム濃度は、なかなか公表されていません。海洋生物のトリチウム濃度がどうなっているか整理しました。
 放出後の海洋生物のトリチウム濃度で公表されているのは、水産庁が福島周辺の4匹のヒラメ(他種類24匹)について

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医療費に隠れ消費税

医療費に隠れ消費税

医療費の領収書に消費税の文字はない。薬剤の消費税は誰が負担しているのか?「国民医療費が水増しされている」が答えだ。財務省は、来年の国民医療費48兆円から2兆3千5百億円の消費税(C)を受け取る予定だ。
2023年の予算では、消費税収を23兆3840億円と見積もっているので、医療費から徴収する消費税は、全体の1割にもなる。
医療に限らず、介護でも社会福祉分野でも同様の仕組みがあり、「社会保障費

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マイナ保険証は解約困難なサブスク契約か~7つの問題点を解説する~

マイナ保険証は解約困難なサブスク契約か~7つの問題点を解説する~


8月4日に岸田総理は記者会見を行い、2024年秋にカード保険証を廃止するにあたり「弥縫策」を打ち出した。保険証廃止の方針は変えずに「マイナ保険証を保有していない方全員に資格確認書を発行」し、「すべての国民が円滑に医療を受けられるようにする」という。
保険証廃止と弥縫策が現場にもたらす混乱など7つの問題点について解説する。

はじめにマイナンバー法が一部改正され2023年6月9日に公布された。改正

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北国の暮らしに、トリガー条項凍結解除は有効か?

北国の暮らしに、トリガー条項凍結解除は有効か?

トリガー条項凍結解除が検討されていますが、北国で得暮らす人にとってどうかを考えてみました。

ガソリン、軽油、灯油、重油などが使われていますが、それぞれ複雑な税体系があり、価格が上昇するたびに消費税も多く支払っています。
トリガー条項は、ガソリンと軽油についての仕組みで、灯油や重油は対象になりません。ガソリンの価格が160円を超えると、「上乗せの税金」をおまけするというもので、ガソリンで25.1

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Dr大竹の トリチウム動画

Dr大竹の トリチウム動画

その1:ヒラメの有機結合型トリチウム(OBT)は測定可能です。

有機結合型トリチウムは、アオサや植物プランクトンが光合成で作ります。
https://www.youtube.com/watch?v=4SXcrQLTf3k

その2: 「トリチウムは濃縮しない」をファクトチェックする

有機結合型トリチウムは、アオサ → アワビ、甲殻類→ 小型魚→ 大型魚→ ひとへと食物連鎖します。連鎖の過程で、

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トリチウム汚染水の海洋放出をやめさせよう!~中学校理科の知識で考える

トリチウム汚染水の海洋放出をやめさせよう!~中学校理科の知識で考える

 2021年4月13日、国は2023年に福島第一原発から汚染水を海洋に放出すると発表しました。汚染水にはトリチウムが含まれますが、国と東電そしてIAEAは、健康への影響や安全性には問題がないと宣伝しています。さらに、復興庁のホームページには「ALPS処理水について知ってほしい3つのこと」が掲載され、全国の学校に「トリチウムの健康への影響は心配ありません」と書かれた生徒向けチラシが一方的に送り付けら

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六ケ所再処理工場で起きた冷却機能喪失事故 ~高レベル放射性廃液危険に

六ケ所再処理工場で起きた冷却機能喪失事故 ~高レベル放射性廃液危険に

7月2日、六ヶ所再処理工場で冷却機能喪失という重大事故が起きました。その結果、カラス固化の前段階で「供給液槽B」に貯蔵されている高レベル放射性廃液(2.6㎥)の冷却が8時間も中断しました。この廃液は長期間熱を発生するため、冷却機能が失われると24時間で沸騰蒸発し280時間で水素爆発を起こすと想定されている危険な廃液です。


原因は、仕切弁が誤って閉じられたために起きました。問題の弁は、高レベル

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