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2023年5月31日(水) 日記
私事で恐縮だが、昨日20歳の誕生日を迎えた。
「わかものはばかもの」という表現を昔何かの書籍で目にして以来、その言葉が頭から離れない。
すきなひとから、誕生日のお祝いにプレゼントをもらった。素敵な柄の傘だった。
「私が雨女だから?」と聞くと、すきなひとは「焼けてもらったら困ると思って」と、笑いながら言った。彼は私の不健康に白い肌のことを綺麗だと褒めてくれる。
プレゼントを家に持ち帰ると、プレゼン
Blue Saturday
あれ?私なんでこんな平和な土曜日の昼下がりに、東京都杉並区のコンビニの横で、hi-liteのメンソールを吸ってるんだっけ。
時の流れに反逆して走る電車。
駅の喫煙所で肩を寄せあっている、不倫関係にある部長と受付嬢。この関係に''エモ''と名前を付けてるようぢゃあ、この世も夜も末だね。私が言えたギリじゃないけど。シアワセならそれでいいじゃない。
いぬは好きだ。男は手も首筋も噛んでくるけれど、よく
2023/02/19 23:44:09 日記
落書きのつもりで原稿用紙に描き始めたアロワナが、文学の水槽の中で暴れて手に負えなくなってきている。文字たちを食い破る。でも、淡水でしか生きていけなくて。あんなに大きいのにそんなところで繊細さを出すなよな、と思った。
早朝4時、やっとほんのりとした眠気に体が包まれたため、布団に入った。
好きだった人が、私の夢にあそびに来た。雪山。夢の中で、あの人の少し乾いた笑い声が聞こえてきた。最近そんなことば
ロールキャベツ【再掲】
私の生活から誰かが消えるのが怖い。そう思っていたがたぶんそれは逆で、ほんとうは誰かの生活の一部から自分という存在が消えることに計り知れない恐怖を感じているのだと思う。いつも下を向いて歩いているのに、気まぐれでふと上を向いて歩いた時に気が付いた星空の綺麗さだとか、卵を割った時に双子だった時のほんの少しの喜びだとか、起きがけで悪夢から覚めて流す涙の冷たさだとか。そういう些細だけど大切な、人と共有したく
もっとみる秘密結社Kについての手記
ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。ヒュー、ヒュー、ヒュー。
逃げる。逃げる。逃げる。逃げる。逃げる。
走る。息が、切れる。
血生臭い鉄分の味が込み上げてきて、冷ややかなナイフを喉元に当てられているかのような感覚が押し寄せる。
、、、
やつらが来る。
私は今とある場所に身を隠し、息を潜めながらこの手記を書いている。この場所にもやつらの追手が迫ってきているため、あまり長くはいられないだろう。このよう