野梅

狂い咲きは美しいと思う。狂っていても、たったその一瞬だけでも愛してるもらえるのだから。それは彼岸花、悲願花。

何者かであって、何者でもなくても許されてしまう街。都会の淀んだ空気と、知らない人の幸福を受動喫煙する。気分は最高。

吸って吸って吸って飲んで飲んで呑まれて吐いて吐いて吐いて

僕だけが映らない映画のフィルムと資本主義

靴擦れの痕は意外と治らない。

大体抱いた代替品。

ネオン街に群がる、疲れた顔をした手取り24万3564円のサラリーマンに、「虫みたいだ。」とあまりにも幼稚すぎる感想を持った。

無欲なことが美徳とされる世の中だから、もう少し生きてみようかなと思ったり思わなかったり。

ワンルームの悪夢にうなされるけれど、起きた後の世界もそう変わらないさ。

窓の鉄格子は錆び付いてもう意味を成していないのだから、そろそろ出ておいで。

駒をひとつ亡くして成り立たなくなってしまったチェスの試合。

塗装が剥げた、公園のシーソー、食卓に並ぶ自律神経。

5W1H、すべて「孤独だから」で説明がついてしまう。そんな、みっともなくて、しょうもなくて、みすぼらしくて、どうしようもなくて、でもそのどうしようもなさに少しだけ同情と愛おしさを寄せるような、そんな人生。

Country roads, take me home
To the place I belong.







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