ロッカールームの風
ロッカールームの扉を開けて仕舞えば、そこは日中の果て。日差しのもとの気の利いた会話や、交錯する視線からはなれた、仄暗いその場所を私は気に入っていた。ロッカールームには、直角の背もたれ(これが長時間座っていると腰痛というか、気持ち悪くなるのだ)のソファがいくつかと、ちょっとしたテーブルがある。リュックをテーブルに置いて、奥のソファで仰向けに寝転ぶ。蛍光灯の光がノイズになる。思考が点滅する。何も考えられない空間に身を任せることの、居心地のよさ、と、悪さ。この時間のロッカールームに