マガジンのカバー画像

5 by 5+α〜私が影響を受けた本

5
運営しているクリエイター

記事一覧

5 by 5+α〜私が影響を受けた本(藤原篇)

5 by 5+α〜私が影響を受けた本(藤原篇)

まず僕は熱心な読書家ではないことを明言したい。文芸誌でnoteを始める、だからまずは自己紹介がてら影響を受けた本やカルチャーについて書いてもらいたい、と編集長から進言があった時、僕は思案することになった。中高時代を夜遊びや非行に費やした僕は、それは今では大切な思い出となり学びが生かされているのだが、こういうことになると語ることが少なく、その読書量の無さや勉強不足に小さな劣等感を覚える。それが故に今

もっとみる
5 by 5+α〜私が影響を受けた本(中村篇)

5 by 5+α〜私が影響を受けた本(中村篇)

 僕はいま、東京から離れた(と言ってもさほど離れてはいない)とある海沿いの街でこの文章を書いています。僕はなぜ、この街に降りたのでしょうか。なぜこの街は、僕を磁石のように引き寄せたのでしょうか。この旅には、目的も、責任もありません。

 旅の中で自分の文化的なアイデンティティを確立するとかそういう話をしているわけではありません。僕は自意識を探しているのです。それは、凍える夜にコートのポケットの中で

もっとみる
5 by 5+α〜私が影響を受けた本(小川篇)

5 by 5+α〜私が影響を受けた本(小川篇)

 影響を受けた本を五冊選んで紹介して、と言われて、ものすごく困った。なぜなら私は、まだ影響を受けたと胸を張って言えるほど何かを世に出してきたわけでもないし、文学についての知識も浅い。けれど、本を読むことはすきでいる。本は、著者個人の興味を持った分野について、重箱の隅をつつくような情報まで与えてくれる。思えば文章を読む理由の根源にあるのは、世界を知りたいからだったような、そんな気もする。今回、幅広く

もっとみる
5 by 5+α〜私が影響を受けた本(壹岐篇)

5 by 5+α〜私が影響を受けた本(壹岐篇)

壹岐悠太郎です、どうぞよろしく。

 影響を受けた、なんて恥ずかしいことを――と思いながら、結局ぼくは今まで何を読んできたのか、と振り返る機会でもあります。本棚の半分くらいが、未読のような気がして、しかし本を開くと、指の感覚が覚えているようで(ホントは覚えてないかもしれないけれど)、けれどストーリーはまったく覚えていない。

 最近は小説も、しっかり読んでいる。ときどき小説が読めなくなる。そういう

もっとみる
5 by 5+α〜私が影響を受けた本(松崎篇)

5 by 5+α〜私が影響を受けた本(松崎篇)

5冊の本

 小学生のぼくにとって文学とは、単純にカッコいいものだった。少しむずかしいけれど、何だかイケてる。みんなは知らないすごい世界。それはちょっとの優越感を伴う、子供らしい背伸びだったように思う。確かぼくがいわゆる物語を読むようになったのは、小学3年の教室の本棚にあった「ゲド戦記」だった。本棚の中でいちばん文字が小さくて多い。ただその理由だけで手に取って、朝の読書の時間に読んでいた。いつのま

もっとみる