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【#19】社会変革とWellbeing

概要

19回目の配信は、社会変革する人・組織にこそウェルビーイングが大切ではないか、という問題提起です。

社会変革組織をとりまくウェルビーイングへの理解、環境、お金や意思決定のありかたには、様々な課題があります。

社会課題解決の現場で典型的に起こる疲弊構造についてもとりあげます。

自分をケアすることの大切さ。人がやっていることを前提に。

Well-BeingとDoing、両輪で大事にできたら。そんな社会にしていきたい。そんな組織を増やしていきたい、という思いで話し合ってみました。

今回、実験的に話した内容を文字起こししています。文字のほうが読みやすい方はぜひ御覧ください。

【参考記事】社会変革の推進力となるウェルビーイング:文化セクターのリーダーたちが声を上げるべき理由

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配信内容全文

テーマ背景

Kakky)今回はどんなお話かと言いますと、社会変革とウェルビーイングというテーマで始めていきたいと思います。

ばんばん)いろんな社会変革に取り組むリーダーと接点を持つことが多いが、頑張りすぎてしんどくなる。メンタルヘルスの問題になったり、余裕の無さからハラスメントになったりすることを見たり聴いたりして、問題意識をもっている。

今回扱うウェルビーイング、日本でも最近すごく色んなとこで言われていろんな定義があると思うんですけど、今回ちょっとその定義は何なのかすごく細かくはいかずに。

文字通り。まあビーイングがウェルである、と捉えて。

いい状態であるとか、いいやり方であるとか。幸福っていう訳し方をしますけど、なんかすげえハッピー♪みたいな話というよりは、満たされているとか。逆に言うと自己犠牲でないとか、本当に自分が良い状態であるっていうこと、本当に起業家自身がどうするのかみたいなことで話せればなと思います。

このトピックって。まあ実は日本でも大事だし、海外の社会起業家の文脈では、割とホットところ。
シュワブ財団とかアシュカ財団とか、いろんな海外の社会企業支援組織が、こういうことがやっぱり大事なんじゃないか、と言っているところ。

今日はそのあたりで色々お話をしていきたいなと。

Kakky)そうなんですよね。なんか特にそのなんか、今回テーマにウェルビーイングだけじゃなくて社会変革とってついてるところが、まあここの Podcast らしいというか、まあ大事なとこだよね。

かず)切り込んできます、と。

社会課題解決の現場で典型的に起きていること

ばんばん)もう少しだけ、私がよく典型的に聞く話を。いろんな人が言っている一般論として。

例えば、社会課題解決に取り組んでいる団体。色々ありますけども、例えば困った人を助けることをやっている団体。

「いやいや、私達よりも困ってる人がいるので、私たちがもっと頑張らないといけないんです。私たちが今ここで休むと、その間にサポートできるを人サポートできない。頑張らないといけないんです。」みたいな。

当然それに対して寄付とか、もらったりとかしているケースが多いんですけど、寄付者、受益者のため、っていうことも思ったりして。

そう考えると、私たちがもらいすぎる、っていうのはだめで。
いかに 1円でも多く受益者の方に届けるかが大事なんだ、と。

それはそうだな 、って思うところもあるのだけど、それがいきすぎて、本当に疲れてる人をよく見る。
その代表として起きてることとして、結局その人が、ほんとに疲れちゃって、パフォーマンスが下がって、メンタルの問題になったりとか。「もう辛いんで転職することになりました。ビジネスセクターに戻ります」とか。

そういう人がもっと自分の状態をケアできていたら、続けていったりとか、違う成果が出せたのに。
なんでそこが蔑ろになっちゃったんだろうなと。
そういうのをよく聞いたりします。

「人」部分を大事にしたい

Kaky)そういうお話を聞いたり、目にしたりすると、すごくもったいないなって思うんですよね。
分けないといけない、と思うんですよね。
分けないといけないっていうとちょっと強いかもしれないけど。
向き合おうとする課題。
社会を変えていきたいとか、社会を動かしていきたいとか何かを変えていくっていう事柄は、すごい大きいことだし、難しいことなんですよ。

それにチャレンジしていくことが、意味があるし、誰かが言わないと確かにそこは動かないから、むちゃくちゃその意義・意味あふれたことをやっていこうとしていること自体には、前提として、むちゃ尊敬なんですよ。

でもそのことに向き合っていくということと、自分自身が良い状態であり続けることっていうのは、ちゃんと両輪であるべきで。
こっちの事柄の方に向いてるからこの全てがいいとか、自分を失くしてもいいみたいなこと絶対なくって、それも本当に両立してるべきだから。
事柄のことばかり考えてる時に、あっ今ちょっと自分のこと、自分自身の「人」部分を触れてなかったなと思ったら、スイッチを入れて欲しいんですよね。

分けるべきって私が言ったのは、、その事柄と自分自身のケアというか、自己管理の部分でっていうのは。多分分けてどっちもやるべきこと。同じぐらいの重要度で持ってることが大事。

持ってた方が結果いい。

結果的に、何かをリードしたり、社会を動かしたりすることに対していいパワーを使っていける。出していけることになる。

そんな前提を世の中みんなに持ってほしい。

ウェルビーイングとお金と人

ばんばん)ほんとそうなんですよ。いいね。のっっかるよ。

世の中で今、インパクト評価とかロジックモデルとか流行ってますけども、一番分かりやすいロジックモデルじゃないか。
プレイヤーの状態がいいと良い結果が出る。
非常に単純明快なロジックのはず。

一方で、それとは逆の助成金とか、時々見かける。
人件費はあまり使っちゃいけませんとか。
人件費出さないでどうやって生活していくんですか?っていうお金の問題もあるんですけども。
それによるさらなる副作用としては、団体に無理を強いている。

もちろん念押ししておくと、その過度にお金を渡すとか。それをで私服を肥やしまくって豪邸を立てました、とかは良くないと思うんです。

だから何事も程度感かなと思っていて。

本当によいお金の使い方が何かっていう、バランスみたいなところをもっとちゃんと考えていかないと。
だんだん、短期的なインパクトを資金提供者が重視するあまり、長期的にセクターの全体のウェルビーイングを下げる。
本当にそれでいいんかい、と。

もちろんプレイヤー側でケアできることもあるけど、自分が資金提供側に立つこともあるんですけど、その時はすごく気をつけるようにしています。

Kakky)本当にばんばんのその視点もむちゃくちゃ取り入れたい、できるようになりたい。
いろんなところにその視点、評価軸っていうのが盛り入れられ、使われるのが当たり前になってほしいな。

よくこのポッドキャストのエピソードでもよく使われるけどさ、「みんな人なのである」みたいなことを、よく言うじゃないですか。

すごい忘れられがちなのが。大きなこととか、すごいシンプルですごい大事で重要なことを語るときこそ、人のことが忘れられがちなんです。

何かそれを物事を動かすために絶対人がそこに乗ってるはずだし、集まってきてるはずなんですけど、どのようにその事柄に向けた解決策を如何にいいものにするかっていう議論が盛り上がっちゃって。

そこから、じゃあ私たち今っていい状態で話し合えてるっけ?みたいな。問いってなかなか問われない。

それをどうしたら問えるようになるのか?っていうのが、聞きたい。

どう思います?

かず)
自分のことを考えても、身の回りを考えてもKakkyが言ってくれたこと、超起きるなって思って。
優先しちゃうんだよね。起きてることとか事柄とかを。

無限に続く目標とどう向かい合うか

頭で自分の状態、もっと目を向けようよ、大事だよ、って思ってても、組織の中では上書かれていっちゃう。
組織の中っていうか。社会変革的なことをやってく中で、っていう感じなのかな。
分かたれていっちゃう感覚っていうのはすごいある。
何でだろうなって思うよね。

社会変革の組織だからっていうのもありそうだけど、元々、世界、社会がそうであって、社会変革時にしんどさが強いから、よりそこが大事ってことなのかな。
元々、世界が、最近そうであった、っていうことなのかなっていうこともちょっと思ったりする。

ばんばん)ビジネスセクターでも近い話を聞くことがあるんですよね。
よく聞くのは。上場企業で株主要求が強すぎて、四半期目標を達成し続けるのにもうみんな疲れてて、クォーターごとに達成したら、また次のクォーターもそれをやる、永遠に続いていくみたいなことになると、だんだん疲弊していく。

とてもその構図と近いと思うのは、ソーシャルセクターだと、投資家とか株主とかではなくて、この受益者とか資金提供者とか。
受益者が圧力をかけてきてるわけじゃないんですけど。
根底にあるのが自分で圧力をかけてるっていうことなんですけどね。

かず)自分で立てた目標が未達、自分でうわって思う、みたいなね。

ばんばん)まだまだ困ってる子供がいるとか、まだまだ環境を破壊は終わってないとか。目標が高い。

Kakky)みんな大きいことをやろうと思ってるからそうなんですよ。
元々そうなんです。そうなりやすい。

ばんばん)私も、今チームをリードする立場になってすごく風景変わるのは、本当にまだまだやれること、やるべきこと、山ほどある、みたいな。
今このプロジェクト。あのプロジェクト、ってやりたいことて言われると、すごいあげられるんですよ。

ちょっとブレーキかけすぎかもなー、と思いつつも、それやったら自分もチームも、もうかなり疲弊するだろうな、と思って、すごくコントロールしてます。もうちょっと攻めてもいいかな、というのもあるけど。

そういう感じで突き進むリーダーもメンバーもよく見る。もう私しんどくてついていけないです、みたいな。

かず)超リアルな感じ。自分もそんな話ばっかりしてるんですよ、最近。無限にやることが広がってくるよね。

ばんばん)無限なんです。

Kakky)無限であることはもう前提であるというか、もうその世界にいるのである、ということで。

だから無限に思いつくし、やることも出てくるし、っていうところに居続けるためには、やっぱりビーイングがウェルでないと。
シンプルな言葉を使うと元気でないとそこにいられないよね。元気でいようよっていうことなんですよね。

ばんばん)ここで宣伝じゃないけど、コーチングってやっぱりそういうことを保ってくれる。自分を助けてくれてきたなあ、とやっぱり思います。

冷静に立ち止まって。自分のウェルビーイングみたいなものを考えた時に、今それはやるのか、やらないのか、みたいなことを外圧というか、引っ張られて決めるんじゃなくて、自分で状況を見て選ぶみたいなことだと思う。

そういうことをなかなか、冷静に立ち止まって考える時間を持たないと、私はまだそこはコーチの助けみたいなものが意思決定のときには必要。

これは本当に今やりたいから、メンバーと話ししてやろうってなったり。
引っ張られるのでもなく、過度にブレーキをかけるのでもなく、大事なことを自分から選んでいくみたいなことが大事じゃないかなと思った時に、私はコーチングのテーマにそういうのを出すなぁ、と思う。

できること、実現したいこと

かず)そういうことが大事だっていうこと、本当に社会認識として定着させたいよね。
さっきの助成金の話もそうだし、そういうところにお金も、意思決定も、そういう風に寄ってくような社会にしたいよね。
まだ引っ張られちゃうんだよね、事柄に。
人が大事だって言うんだけど、実際の意思決定はそうなってないことは本当に多いと思う。

ばんばん)本当そうですね。助成金の70%とか使っちゃったらそれは絶対やりすぎでやめたほうがいいけど、例えば 3% とか 5% とか、ちゃんとケアに使ってください、とか。
インパクト評価に何 % 使ってください、。みたいなケースはいくつか出てきたりしてるんですよね。

そういうのやってみたいな。

それを使うことをオッケーしたケースと、そうじゃないケースと、最終的なインパクトがどう変わったかみたいなことの言及とか。

Kakky、かず)それ面白いですね。
うちの組織でやってよ〜。やってみたい!

ばんばん)ケアできないグループの人がちょっとかわいそうだけど。

Kakky)こういう研究してる人いないのかな?
聞いてくださってる方に知ってる方いたら、教えてほしいです。

ばんばん)
疑似的にはできそうですけどね。
そういうことに金を使ってる組織とそうでない組織で何が違っているのか、みたいな。

Kakky)
社会に向けてっていうメッセージとかもそうなんだけど、私、今、自分自身のところにもなんかこうグッと来ちゃってて。今日のテーマは特に。

社会を変えていきたい。とか、良い方向に何かを変えていくとか動かしていきたいって頑張ってる人たちが頑張り続けられる状態であることとか、それを頑張れる環境であることとか、それを後押しできる仕組みとか。
評価の軸とかもその一部だと思うんですけど。
そういうところにやっぱりエネルギーを向けていきたいなって思ってる。
そこに今日はすごいズコーンってきていて。
その辺を言葉にしていくっていうことと、やっぱ動いていきたいと思ってるし、大事なんだよなーって。

そして、求められてそうだなあっていうことを改めて確認したなと思います。

聴いてらっしゃる方、そんな機会があれば是非教えてください。

かず)さっきのシュアブの記事とかもPodcast の概要欄にリンク入っときますかね。

Kakky)シュワブの記事は一応ね。タイトルは「社会変革の推進力となるウェルビーイング:文化セクターのリーダーたちが声を上げるべき理由」というタイトル。ぜひ読んでいただきたいです。

クロージング

今日はこんなところで締めましょうか。

一言ずつ

かず)僕はまさに組織でそれをやってて。コーチングを入れるとかっていうことをやっているのはまさにそういう課題感から来てる。
でもお金をどこから出すかは、結構喫緊の課題になってるんですよ。
だから、そういうことが大事であるっていうことを、今の組織の中でもやっぱりずっと言ってるし、伝えたいと思ってる。そういう意味でも現実的な課題であり、押し進めたいですね。

そこが大事だよと言い続けようと心を新たにしました。

ばんばん)私いまBeing大事とか言ってますけど、過去のエピソードでもありましたけど「そんなの関係ねぇ、やるかやらないかだ、Beingとか言ってる暇あったらやれ」とか言ってる人間だった。10 年ほど前までは。
でもDoing大事だっていう人の気持ちもすごい大事にしたい。
Being 対 Doing みたいにならないといいな、と気をつけてやっています。

またBeingとかよりもちゃんとDoingした方がいいじゃないですか、みたいなことが社内で起きるんですよ。
「いやいや、あのDoingめっちゃ大事だと思ってるからこそのBeingですよね。」ということが、文脈としてあるといい。
そうすると、それが贅沢とか余計なものではなくて、本当に出したい結果を出していくために、本当に必要なことという文脈が、変な分断なしに起きていくのかと思う。

Kakky)大事ですね。
自分の個のところにグワッともっともっと寄せちゃうと。
私 2 歳の子供がいるんですけど。社会変革とはちょっと文脈が違っちゃうけど。

子供が生まれてからここまでの間に、子供と向き合ってる時の自分の状態って無茶苦茶影響してるんですよね。
例えば、何かが起こった時にそれを受け止められる時とそうでない時って、めちゃくちゃ自分の状態が良くない時の方が、「なんでなのー!」ってなりがちだったりとか、それをパニックというほどでもないけど、大げさにとらえてしまうたりとか、ネガティブに取られちゃったりとかっていう事ってあるんですよね。

で、そんなことが 1人の個人の中にもあるからこそ、もっともっと大きい対象物というか、社会とか大きな課題に向かっている中では、更に自分との向き合い方、捉え方だったりとか、そこに対して何を決断していくかってところに影響していると思うんですよね。

日々の生活の中にもあるから。
外で仕事している時でもありますよね。自然なことだなって。
だからこそバーサス構造じゃなくて。両輪で考えていこうっていうことを、やっぱり言っていきたいですね。

言いたいこと言いました!

今日はここまでになります。

今日も最後まで聞いてくださってありがとうございます。

概要欄にお便りのURLありますので、お便りお待ちしております。

さようなら!




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