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本選び

突然ですが、空想してみてください。

今日はよく動き、疲れて帰ってきたあなた。夕飯を済ませ、入浴も済ませ、ソファにごろんとくつろいでいます。映画でも見ましょうか。スポーツ番組も良いですね。映画ならば、どんなジャンルが良いでしょうか?

デバイスやモニターの電源を入れ、リモコンを操作し、サブスクリプションアプリを立ち上げる。映画のジャンルは?

ロマンス、ファミリー、アクション、コメディ、ヒューマン、ホラー、SF…

今日の気分は、まったり優しい人間関係を見て眠りたい感じ。よくあるちょっと個性的でしかも何かが欠落した主人公が、外界へ出るとばったり他者と出会い、惹かれ合ったり反発し合ったりし、多少のトラブルがあっても、最終的には学びや気付きがあって、優しい気持ちになる。うん、今夜は人々の様子を見て優しい気持ちに浸って眠りたい。

さて、映画は決まりましたか?

こうやって、本を選びたいと、思ったことは、ありませんか。いきなりなんですが。

私はあるんです。好きな本のジャンルは、ドキュメンタリーかノンフィクション、またはサイエンス系なので、事実と情報に満ちています。読後の満足感は、たいてい素晴らしいものです。少なくとも知欲が満たされます。

ところが、小説、これが問題です。小説と呼ばれるジャンルの本を選んで読んでみたときに、ものすごい違和感や不快感、楽しめなさ、という不幸な体験をしてしまう、「事故」のような読書体験も数しれず、この世にはあるのです。(私しらべ)

人に勧められたまま、よく前情報を知らないまま小説を読んだ時。または無造作に書店で手にとった、ジャケ買いした本を読んだ時。ごくまれに(であってほしい)、こっこんな結末を見せるために著者はこの本を読者に延々と読ませていたのか・・・?時間とお金を返してほしい・・・みたいな途方に暮れる気持ちに襲われたこと、あなたもありませんか?私は何度もあります。

もちろん、映画だってドラマだって、リアルタイムで見るスポーツ試合だって、そういう事は起こりうるのですが、小説本だと事故率が圧倒的に高い。

本の世界で、本屋という海で、オンラインブックストアという大海で、本を選ぶ時。手にしたいと願っている「気分」を纏ったものかどうか、「気分」を著者と共有することができるかどうか、狙いを読み取れるかどうか、または狙いがそもそも有るのか無いのか。選びとることはあまりにも無謀な賭けではないか、と思わされるシーンがありませんか。

映画のように、ある程度認知されたジャンル分けがなされていれば、
ハッシュタグが作れます。

#ホラー
#ロマンス
#SF
#ファミリー
#アクション
#コメディ

これだけにとにかくまず入り口を分けておけば、事故は起こりにくいのではないかと思います。家族団らんで映画を見たい、と思って選んだファミリー映画では、そうそう殺人事件シーンが連発することはないと思いますし、というかないですし、ドロドロの恋愛模様が描かれることもないと思うんです。たまにジャンルを付ける作業のエラーかな、と思うミスマッチなものもありますが、機械的にアルゴリズムでジャンル別に分けた後、人間が手作業でミスを直して行っても良いわけです。

これを本でもできないでしょうか?!?!

教えて頭のいいひと!!!

さすがに、「角川ミステリー」シリーズで出版されていたら、私だって、乙女心に寄り添う心の機微と恋愛模様とか、ありがたい説法等は期待しません。ミステリー小説を読むつもりで選び、手に取るでしょう。
小説ってひとくくりにしてありますが、ドラマや映画のようにジャンル訳してほしいの!!してほしいんです!!!という話です。

宗教、科学、実用、ノンフィクション、図鑑、趣味、雑誌、児童書、絵本

この辺りのジャンルですと、情報や事実に基づく内容が主、または狙った層へはっきり向けて書かれたものですから、期待と違った内容であった場合でも、「あ、期待と違ったけれども、こんな知らない視点で書く作者がいるのだな、と知れた。」「期待とは少し違ったものだったけど、新しい情報は知れたからいいか。」となって、時間とお金を返してパターンには陥ったことがないんです。
しかしどうでしょうか。小説になった途端に…


もしもミスマッチな作品との出会いだった場合、架空の登場人物にまつわる情報を記憶するリソースが勿体ない。早く本題に入って欲しい。このまま行末が見えない展開がどこまでも続くのかと思うと、何を読まされているのか、と疑心暗鬼のままだ。いつまでも安心して身を委ねることができない。こういうケチな考えの私では、小説を読む事が、とくに未知の作家や、他者からのお薦め本だった場合、あまりにも賭け事のように感じられるのです。

結果、得られた読後感が、爽やか 有り難い未知の思考法を得られた 楽しかった この辺りは理想と言いますかもう、本、ありがとう!!作者先生、ありがとう!!他の作品も読んでみる〜!!こういう気持ちになりますね。

でも、なんじゃこりゃーーーーおおおおれの時間を返してくれ〜〜〜!!(背表紙を見る)ええええこの本が1900円!?!?!?た、たたたた高すぎるわーー!!!これならあの他の本買えたわ〜!お金も返せ〜!!

みたいな気持ちになるのは、作者が想定しなかった読者が誤って手にして、読んでしまった事故ということになり、Amazonレビューが荒れる、ということに繋がりかねません。

この事故はどうやったら未然に防げるのだろう?

読み手も書き手も、不快感や摩擦を最小限に減らし、かつ賭け事になってしまう本選びの状態を回避する事で、冷え込んでいると聞く書籍界全体の売上げアップにもつながるのではないか。

こんな大それたことを、私は考えました。

なので、とても大それているのですが、同じように困っていた方、本の、とくに小説のもらい事故にあってしまったことのある方、のために、

ハッシュタグに相当するような「タグ」を、各、一冊一冊の本に結びつけていく事で、このようなトラブルを減らせると確信したのです。

まずは、一社ずつ、出版社にお誘いをかけ、地道に時間をかけて営業をしつつ、本が好きな人たちの使いやすさを重視し、最高峰のサービスを目指して、将来的にはほぼ全ての本がそこにタグ付けされて、ひとつの場所に掲載されれば、もう、本というジャンルの事故、つまり「情報の非対称性」による悲劇が、なくなる世界が待っているのでは、と信じています。

本は、情報それ自体が売り物であるから、核心部分を外に出すことができない。という想定できるご意見にはここで反論できます。たとえばオンライン上で本の目次を紹介するように、本の内容の指向性をタグとして付記することは、ネタバレしない状態で、セールスのポイントになりえるのです。またオンライン立ち読み機能とはまた違った意味合いを持つと考えます。
オンライン立ち読みで分かりづらいものは、他にもあります。文字の大きさ、本全体のデザイン、紙の質、持った時の重さや軽さ、表紙の質感、様々なものが情報として欠けています。満足度は複数で構成されている事がわかれば、読書という体験を、もっともっと充実させることはできるのです。

今は目を輝かせてこれを書いているので、今日のところはこのへんで寝ます。明日は別の考えになっているかも。そのときはまた書きます。

頂いたお金は、高くて買えなかった本の代金に使わせていただきます。