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【古備前鑑定秘話】古備前焼で贋作を買わないための注意点は?古備前の贋作・偽物の特徴や見分け方を古陶磁鑑定美術館が解説します。【後編】

古備前研究・鑑定の古陶磁鑑定美術館です。

「古備前焼の年代鑑定」古陶磁鑑定美術館

古備前焼や古美術品の鑑定は、「贋作」との闘いと言っても過言ではない程、その真贋判定には細心の注意を払っています。

前回のコラムでは、古備前焼(古美術品)の「贋作」事情について、実際の事例やケースを踏まえて紹介しました。

前回のコラム「古備前焼の贋作事情前編」を読んでいない方はこちら

そこで今回のコラムでは、「贋作」を掴まないようにするために、何に気を付けて古備前焼(古美術品)を買えばいいのか?について解説します。

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古美術品の蒐集に、贋作は付き物です。

数寄者やコレクターの方で、贋作を買ったことがない人はおそらくいないでしょう。それほど古美術と贋作とは、切っても切れない関係なのです。

とは言え、「贋作」を掴まずに越したことはありません。

収集や鑑定の際は、以下の注意点をよく覚えておくと良いでしょう。

古備前種壺 古備前壺 古備前波状文壺 古備前窯印壺

①:間違いの少ないルートから買う

これは基本中の基本になります。

なぜなら、入り口を間違えてしまうと、その時点で贋作を掴んでしまう可能性がぐっと高まってしまうからです。

例えば、目利きの自信がないうちに、インターネットオークションなどで実際に品物を見ないで購入したり、青空市などで相場よりも格安で購入したりすると、その多くの場合で偽物に出会ってしまうことになります。

反対に、一流店と呼ばれるようなお店や、歴史のある有名店や専門店で購入する場合は、価格は高めになる傾向がありますが、偽物や贋作を掴まされてしまうリスクは相対的に低くなります。

最も、古美術の世界では、どんなお店でも100%はありません。

しかし、前記のようなきちんと商売をしているお店や古美術商で購入すれば、贋作などの場合には、返金や買戻しにも応じてくれたりしますので、安心感は大きく違ってきます。

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また、大名家や名家の売立目録に載っているような「来歴」や「伝来」がはっきりしている品物や、図録や書籍に掲載されている「所載」の品なども、概ね真贋鑑定がされているものと言えます。

つまり、古美術品(古備前焼)は、どこで買うのかという「購入場所」の違い等によって、贋作を掴む確率が変わってくるのです。

そのため、目利きや真贋判定に慣れないうちは、リスクの少ない購入方法を選択すると良いでしょう。

②:書籍や図録の掲載品の中にも贋作があることを知る

前述の表記と一部矛盾する点がありますが、書籍や図録に載っている、もしくは類品が掲載されているからといって、必ずしもそれが正しいとは限りません。

それらが贋作のこともありますし、例え本物でも時代が異なっている場合などもあるからです。

一冊の本の情報だけを鵜吞みにせずに、色々な書籍や資料を参考に自分の目で判断できるようにしておきましょう。

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③贋作を手にした時の後悔を繰り返さない

古美術を扱っていれば、贋作を購入してしまうことは誰にでもあります。大事なのは、その失敗を繰り返さないことです。

実は、贋作を掴んだことで学べることが多くあります。

贋作が、どう本物と異なっているのか?本物は、どうなのか?を、もう一度ゼロから立ち返って振り返りましょう。

その苦い経験が、名品を手に入れる道へとつながっていきます。

④本物を実際に手に入れる

とは言え、最も重要なのは、「本物」を実際に手に入れて、「自分の手で本物の感触を覚える」ことです。

まさに、「百聞は一見に如かず」。

一つでも多くの本物に触れることで、自然と本物の手触りや重量感や質感が、五感を通じて沁み込まれます。

花籠 古備前花籠 古伊部花籠 古備前花入 古備前透かし彫り 透かし彫り花籠 古備前元和年間 古備前寛永年間 古備前鑑定 古備前鑑定委員会 古陶磁鑑定美術館

まずは一つ、お気に入りの品を実際に手に入れて見ましょう。

古陶磁鑑定美術館のホームページでは、安土・桃山時代から江戸時代にかけての古備前焼の名品をオンラインで公開中です!

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