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さよならのまえに

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おくり化粧師の日常だったり、かんがえごとだったりします。 「さよならのまえに」できることとは? 今あなたとわたしにできることは? そんなことを考えるきっかけになればいいなぁとおも…
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ひとりじゃないこと

ひとりじゃないこと

夜中に突然連絡をしてしまったのに車を走らせてくださって、数年越しにここに来ることができました。

他の方とも何度かきたことがあるけれど、なんだかわたしにとってここは始まりの場所みたい。
ここからスタートした恋がいくつかありました。

きょうはそんなことなかったけれども。

もうここにはいない人のはなしを一年ぶりにできたとおもったら今日が命日だと聞かされ、そのめぐりあわせにおどろきながらもどこか納得

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つくること

つくること

今朝はかなり早い現場があったのだが、出かける予定時刻の30分後に起きるという大失態をおかし、現着がぎりぎりになってしまった。
自分のメイクもままならず、色んな準備が整っていないままで現場入りしてしまい、やっぱりベストの現場とはいかなかった。

このお仕事はもちろんわたし一人で出来ることではないから、故人さまがいてご遺族の方がいてその空気感や関係性、相性なんかも少なからず影響してくるものだとおもう。

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「幸せだったか?」

「幸せだったか?」

最期に掛けてもらいたい言葉って考えたことありますか?

そんなこと考えるような場面なんてそもそもどういう状況?ともおもうし、「死んだ後のことまでしらんがな」ともおもうんですけど、今日の現場でのこの一言はかなりぐっときました。
おもわず涙がこみあげてきそうになって、わたしが泣いてどうする。とこらえた言葉。

「幸せだったか?」

と、問い掛けられたらあなたはなんと答えますか?

自分でも考えてみたん

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隔たり

隔たり

[たった0.05ミリ 合成ゴムの隔たりを]
と桜井さんが歌ったのは2005年のこと。
そんな合成ゴムの隔たりは今や0.01ミリにまでうすくなっているというのに、わたしの現場における隔たりは途方もなく分厚い。

「納棺」
読んで字のごとく、棺に納めること。
木で作られたその箱の中にお身体を納める。
フタは自由に開けられるし触れることだってできる。

でもその木の板一枚分の隔たりは、わたしには想像もつ

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涙をみせること

涙をみせること

おくり化粧に正解なんてないんだろうし、誰もにとっての完璧もないとおもうんだけど、わたしにとっての一つの目安として「男性が涙をながすこと」のできた現場はよかったなっておもう。

一概に言えることではないのだけども、どちらかというと男性の方が感情を抑圧しやすく、特にまわりに人がいたりすると気を張ってしまいやすい傾向がありグリーフ(喪失感や虚無感)を抱えやすいのだそうだ。

「人を亡くすという経験」に対

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いつものコンビニ

いつものコンビニ

今日の現場はまだお若い女性だった。
抗がん剤の影響で頭髪がなく、ウィッグをつけていらした。

だんなさま、息子さま、故人さまのご両親、ご親戚の方々に、ご友人たち。
だれもが涙を流していたように思う。

いつのことだったか、医師の兄を持つ友人が「がんほど優しい病気はない。だって死期が予見できるのだから」といわれたとおしえてくれたけれど、やっぱり若くして亡くなる方の現場はつらいものだ。

すべておわっ

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できることとできないこと

できることとできないこと

"おくり化粧師にできることってなんだろう"
と 、よく考えます。

お亡くなりになった方に対して、お着せ替えやお化粧をほどこすこと。

これが基本の仕事です。
簡潔に書き記してしまうと2行におさまってしまうのですが、現場で求められていることと自分にできることを考えると、ときどきやりきれない気持ちになります。

たとえば、遺影写真と現在のお姿のちがい。
ご家族の印象と施行者の処置のくいちがい。

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お金、ってか給与じゃない。

お金、ってか給与じゃない。

今日、まだ依頼数の少ない(たぶん伺ったの3回目くらい)業者さんの現場にいったのですが、急に「お金たくさんもらってるんでしょー、50万くらい」と言われまして。
他の会社や先輩社員がどうかは知りませんが、今のわたしの月給は手取りで20万に届かないくらい。。

たぶんジョークのつもりだったんでしょうけど、あんまり面白くないなぁとおもってしまいました。

で、考えたんですけど、、

たしかに現状の給与のま

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指先への違和感

指先への違和感

※そんなにおどろおどろしく書くつもりはないのですが、ご遺体の変化について言及するので一応【閲覧注意】としております。

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「おくり化粧の仕事の中でなにがつらいか?」と問われたとき。
まぁなかなかひとつにしぼるのは難しいのですが、現場での手技においてわたしがぱっとおもいつくのは「におい」と「感触」かなぁとおもいます。
いわば

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他者目線と置き換えとおもいやり

他者目線と置き換えとおもいやり

10代から20代前半にかけては毎年のようにマラソン大会に出場していてそれなりに普段から走っていたのだけど、上京後、それも車に乗るようになってからは特に身体を動かす機会が極端に減り、ひさびさに軽くランニングをしようとしたらあまりの身体の重さに衝撃を受けた。
なまってきていることは自覚しているつもりだったけど、その認識の甘さといったらもう…二の句が継げないほどだった。

なんとかなるんじゃないかなんて

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予感

予感

ツイッターのタイムライン上に、あるバンドからのおしらせのリツイートが何度も流れてきました。普段聴かないバンドだったのだけど、3度目にひらいてみたら訃報でした。
なんかみるのがこわかったのです。

大好きなバンドが4月1日に解散を発表されて、これってもしかしたらメンバーの死を知るよりもつらいんじゃないかって考えてました。

でもそれは比べることじゃないんだな、と今はおもっています。

ぜんぶ考え方次

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ディズニーランドのペアチケット

ディズニーランドのペアチケット

「フィアンセが指輪を用意されているそうなので、あとでつけてあげられるようにしてください」

「フィアンセ?」
と、とっさにその言葉が頭のなかで像を結ばず宙に浮く。

純白のウエディングドレスにパールのあしらわれたベールをかぶり、その人はつめたくなっていた。

「ドレスはみえるようにしたいので、一旦脱がせて仏衣へ着せ替えで」
「お数珠を替えたいそうなので、のちほどお声掛けしてください」

そんな申し

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ちかごろのこととか。

ちかごろのこととか。

なんか日が空いてしまったらなにを書けばいいのかわからなくてへんに気負ってしまいなかなか再開できずにいたので、とりあえずちかごろのこととか。

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引越し後全然部屋が片付かなくて、はじめのうちは徐々にやっていこかーくらいのゆるさでかまえていたのですがそのうちダンボールだらけの部屋にもちょっと慣れはじめていて。
仕事はそんなめち

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あたらしいすみか

あたらしいすみか

仕事帰り。
大物家電もすべて新居に運び込めたのでそちらにかえればいいものの、お風呂の良さとかやっぱりなじんだ寝床なんかにひかれていつもどおりの家路につくと、唐突にこの場を離れるのが不安になってしまいぼろぼろと泣き出してしまった。

そして今日出なくてはあたらしいところに行くタイミングをのがしてしまう!という強烈な恐怖心におそわれ、昨日のうちに梱包できた荷物と布団とくまたちを助手席にのせて引越し先へ

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