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【地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島 南さつま市:受入自治体に対する導入および伴走支援の導入背景について】

『地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島』(以下:サポーターズ)について知ってもらうにあたり、メンバーや活動紹介を毎月行っています。地域おこし協力隊(以下:協力隊)や行政職員の皆さんへメンバーの想いを届けることで、顔が見えるようになり、少しでも相談しやすい体制ができたらと思います。

今回は南さつま市総合政策課清水秀則さんに、令和4年度に受入自治体に対する導入および伴走支援を取り入れた背景等についてお話を伺いました。


導入支援を通して、自分と向き合う

清水さん:南さつま市では過去3回にわたり、協力隊制度を導入してきました。令和4年度から地域で生活しながら活動する隊員を地域に派遣する方向で検討していたのですが、そういったケースは初めてでして、地域へどのように説明すればよいのか不安だったんです。

そこで、別件で知り合ったサポーターズの吉村さんに一度相談することにしました。いろいろとアドバイスをいただき、ミスマッチによる隊員の退任を防ぎ、円滑に活動が開始できるように元気づくり委員会(※1)と協働で事業を進め、地域へ活動内容を説明することにしました。

説明を進めていく中で、坊津地域の久志地区と清原地区が手を挙げてくださり、導入に向け、動き出すことになります。

(※1)南さつま市内にて小学校区単位で組織されるコミュニティ組織。地域住民の視点から地域活性化計画“元気づくりプラン”の策定を行い、これに基づく自主的なコミュニティ活動を行っている。地域に対する説明は令和3年度中に行った。

写真提供:南さつま市総合政策課  元気づくり委員会への説明までの流れ及び関係図(地域・行政・協力隊)

清水さん:令和4年度に入り、募集から採用までのコーディネート支援について、サポーターズの事務局である『合同会社美山商店』と業務委託しました。

ワークショップ形式で行ったのですが、初回で驚いたのは募集の手法だけではなく、受入側としての心構えなど、細かく自分自身や事業内容を深掘りしていったことでした。

そもそもの協力隊導入に関する業務についてどう思っているのか?受入地域をどのようにしていきたいのか?そういったところから土台と基礎を作り、目標に向かっていくんだと実感しました。

吉村さんから一つ一つ問いかけを受け、事業や自分と向き合っていくたびに「なるほど…」と納得して、次のステップに進んでいけたのが印象的でした。

写真提供:南さつま市総合政策課 業務委託の内容
受入自治体に対する導入支援 初回の様子 サポーターズ吉村から制度説明や受入自治体としての心構えなどの講義を受ける
受入自治体に対する導入支援 初回の様子 サポーターズ代表・吉村氏と副代表・加藤潤氏から受入地域側にも制度等の説明を行った

チームとして、信頼関係を積み重ねながら、託す

清水さん:地域の皆さんとも対面で細かく擦り合わせを行い、企画や制度に対する理解を深め、チームとしての信頼関係にも努めていきました。対話のプロセスを重ねていくことで、具体的な募集企画や募集要件を設定できました。

実際に、地域の皆さんから想いに直接触れ、本気度を感じましたし、一緒に作り上げていく過程が一番良かったと思います。募集における求人記事の取材においては、地域の皆さんのご協力をいただきながら、進めていくことができました。

「あそこは、〜〜したらどう?」といった声がある良い雰囲気だったので、これも積み重ねてきた信頼関係があってこそのものだったと感じています。

写真提供:南さつま市総合政策課 導入支援における各回の内容
練った企画内容をもとに受入地域側との対話プロセスを重ねた
受入地域側の声を踏まえ、企画内容等をブラッシュアップ
受入地域の皆さんが求人記事の記事と動画用に撮影協力

清水さん:私たち行政の力だけではできないところを、それができるプロの皆さんに依頼したからこそ、良いモノができたと感じました。

例えば、動画の撮影に関しては周辺地域に住むプロの動画クリエイターの方に、求人記事に関してはプロの編集者の方に、そして、住民説明会やワークショップはサポーターズの吉村さんに。そんな方々とも密にコミュニケーションを重ねながら進めていったので、安心して託すことができました。

受入地域の皆さんの声と私たちの行政の想いの間に入ってくださり、かつ、想像もしていなかった視点でアドバイスしてくださったおかげもあり、一つ一つが想像を上回るモノだったと思います。

youtubeで配信した担当者の声は、プロの動画クリエイターに撮影と制作を依頼

行政として、できないことがあるからこそ

清水さん:導入支援を取り入れて大きかった点としては、受入側の心構えや導入するにあたっての準備の流れを学べたことです。事業に対してマンツーマンでサポートしていただけたことは非常にありがたかったです。

募集から採用までの業務でしたが、応募者の知りたい情報や派遣地での生活情報、任期後の対応情報など、あらゆる準備が必要でしたが、導入支援を通してコーディネートしていただき、最終的に一連の業務を記録として残せたことは行政側の事務引継にも活かせると思います。

導入支援最終回 導入における振り返りと採用する隊員に対する着任準備を行った

清水さん:現在、久志地区と清原地区でそれぞれ1名ずつ協力隊として活動しています。“協力隊の3年後”を見据えながら、導入支援の中で決めた目標計画があるので、どれくらい進捗しているか確認しながら、コミュニケーションをとっています。引き続き、サポーターズに伴走支援をお願いし、隊員に対するケア等も行っているところです。

当然ですが、行政として、できることに限りがあります。できないことに対して導入や伴走支援をお願いするのは一つの手段です。サポートしてもらうことで解決できることも多いですし、地域の皆さんに制度について理解していただくきっかけにもなります。

なので、導入を検討されている自治体があれば、まずはサポーターズに小さなことからでも問い合わせをされてみてください。

ワークショップ中に自身の想いをお話されている清水さん

(終わり)

・取材・撮影・執筆:上泰寿(編集者)

【お問い合わせ先】
地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島事務局
お問い合わせフォーム:https://forms.gle/D3JN2SyiEWkyk68D6
メールアドレス:okosapo.kagoshima@gmail.com

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