岡本陸

千葉工業大学の博士課程。 自己と他者の境界から考える創造性について研究してます。 いろ…

岡本陸

千葉工業大学の博士課程。 自己と他者の境界から考える創造性について研究してます。 いろんなことに興味があるので、インプットの範囲はかなり適当。 とある不動産テック企業でデザイナーをやったり、とある専門学校で非常勤講師をしてます。 https://rikuokamoto.com

マガジン

  • 課程博士の生態図鑑

    博士課程でデザインという分野を解剖(研究)していく人間の生態を、1ヶ月ごとにゆるく楽しく更新していきます。デザインを研究してるのか、デザインに研究されてるのかわかりません。

最近の記事

課程博士の生態図鑑 No.24 (2024年3月)

※ サムネイルの背景に使用しているのは、ソ・サンイクによる「Not Trained」という作品の一部を切り取ったもの。 研究関係の話博士論文 博士論文のプロットを少しずつまとめ始めている。まずは今まで読んだ文献を Miro で整理するところから。やり方としては、Notion のデータベース機能でまとめている本や論文のデータを csv でエクスポートし、タイトル列を Miro に貼り付ける(Miro の機能で勝手に付箋化してくれる)。 博論に引用する文献とそうでない文献の

    • 課程博士の生態図鑑 No.22 & 23 (2024年1~2月)

      ※ サムネイルの背景に使用しているのは、長谷川等伯による「松林図屏風」の一部を切り取ったもの。 今回の note では、1月と2月にあった出来事や感じたことを、順不同でちょっとずつ羅列していく。 海外の学会に論文が掲載された去年の7月に、The International Journal of Design Education という海外の学会に論文を提出していたのだが、ようやく原著論文として正式に採択された。初の英文ジャーナルをゲットしたので、素直に結構嬉しい。 とに

      • 課程博士の生態図鑑 No.21 (2023年12月)

        明けましておめでとうございます。 新年を迎えたということで、前回に引き続き1年の振り返り的な内容を書くことにする。 1年前に書いた振り返りを覗いてみると、このマガジンの名前を変えようか悩んでいる自分がいた。記事の中で自分は「課程博士の生態図鑑」という文字列に対して「誰がこれに惹かれるんだ」と嘆いていたが、もはや馴染みすぎて変えることを完全に忘れていた。 今改めてこの名前を眺めてみても、やっぱり魅力的ではない。1年前の自分の感覚は間違ってはいなかったようだ。しかも記事のタ

        • 課程博士の生態図鑑 No.20 (2023年11月)

          ※ サムネイルの背景に使用しているのは、サルバドール・ダリによる「Nature Morte Vivente」という作品の一部を切り取ったもの。 人生初の全身麻酔11月は、人生初の全身麻酔の手術を経験した。 といっても、重い病気に罹ったとか、そういうわけではない。 実は約2年ほど前から歯の矯正治療(厳密には顎変形症の治療)をしているのだが、手術はその一環である。 11月8日の朝9時に手術は行われた。8時間に及ぶ手術らしいのだが、命の危険に関わる類ではないので、術前の緊張

        課程博士の生態図鑑 No.24 (2024年3月)

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        • 課程博士の生態図鑑
          23本

        記事

          課程博士の生態図鑑 No.18 & 19 (2023年9~10月)

          ※ サムネイルの背景に使用しているのは、カシャーク・ラヨシュによる「Munka / Dokumentum」という作品の一部を切り取ったもの。 予測と観測のズレは大きくしておいたほうがいい9月と10月は忙しい日々が続いた一方で、中々集中しきれない日々が続いた。集中できなかった理由はよくわからない。 やったことといえば、大学関連のタスクだと、主に論文の執筆や実験の実施、給付型奨学金に応募するための書類作成を2件ほど行うなど、結構お堅くて自由度の低いことばかりやっていた。外部の

          課程博士の生態図鑑 No.18 & 19 (2023年9~10月)

          課程博士の生態図鑑 No.17 (2023年8月)

          美のOSについて考える会プロジェクトの概要 今月から、3つ下(修士1年生)の後輩と2人で、勉強会のプロジェクトを開始した。プロジェクト名は「美のOSについて考える会」。 基本的にこの勉強会では、選定した本を各々1ヶ月かけて読み、その後ディスカッションを行うことになっている。僕と後輩のターンを交互に繰り返し、ターンが回ってきた人がその月に読む本を決める。また、ディスカッション内容は音声録画し、それを自動で文字起こしする。そして Chat GPT に内容を要約してもらい、N

          課程博士の生態図鑑 No.17 (2023年8月)

          課程博士の生態図鑑 No.16 (2023年7月)

          神田外語学院での経験4月から神田外語学院にて、非常勤講師として働かせていただいていたのだが、6月中旬に自分が担当する授業が終了した。通常、1時間半の授業を15週間かけてじっくり行うのだが、僕が担当する「デザイン概論」は3時間の授業を8週間で行う短期集中型だった(最後の授業だけ1時間半)ので、なかなかハードだった。受講してくれた学生たちにとってもキツかったと思う。 今回の記事では、僕が神田外語学院で実施した授業の内容や、苦戦したことなどについてまとめてみる。 神田外語学院

          課程博士の生態図鑑 No.16 (2023年7月)

          課程博士の生態図鑑 No.15 (2023年6月)

          6月は、主に神田外語学院での非常勤講師として受け持つ授業が終了し、そのあとは国際学会に出すための論文をひたすら書いていた。現在は指導教官の先生らにチェックしてもらっている最中である。 神田外語学院での取り組みは今回の note で触れる予定だったが、何らかの形(学会発表など)でまとめようと決め、今はデータの分析や解釈方法を模索しているので、来月以降に note で触れようと思う。国際学会関連の研究に関しても、結果が返ってきたら書こうかな。 なので今回は、隙間時間でちまちま

          課程博士の生態図鑑 No.15 (2023年6月)

          課程博士の生態図鑑 No.14 (2023年5月)

          ※ サムネイルはジェームズ・マクニール・ホイッスラーによる「Variations in Flesh Colour and Green - The Balcony」という作品。 5月は非常勤講師の仕事がかなり忙しく、あまり研究に時間が割けない日が続いてしまった。しかし、自分が今まで学んでいたことを、生徒という若い存在に教えるというのはなんとも不思議な気分だ。ちょっと前まで自分が生徒側だった(今も生徒側だけど)はずなのに、こんなことになるなんて完全に想定外である。前までは「自分

          課程博士の生態図鑑 No.14 (2023年5月)

          課程博士の生態図鑑 No.13 (2023年4月)

          ※ サムネイルは Seok Cheol Ji による「Time, Memory and Existence」という作品。 今回はかなり文章が多い上に、発散的でまとまりがないので、読みにくいかもしれない。 暇の中で退屈しないために前回の記事でがっつり触れているが、3/28~4/2まで国際学会でポルトガルに行っていた。日本からヨーロッパはただでさえ遠いのに、ポルトガルはその中でもかなり西にある。つまり東の最果てから西の最果てに移動したわけだが、飛行機での移動時間がまぁ暇だった

          課程博士の生態図鑑 No.13 (2023年4月)

          課程博士の生態図鑑 No.11 & 12 (2023年2~3月)

          2月はかなり忙しかったのもあり、今回はいつもと違って2ヶ月分まとめて日記にまとめることにする。(本当は書くのサボってただけ) 人類学者が語るバーチャル空間 英語のリスニング勉強を楽しくやるために、自分が興味あるトピックを扱っていて、且つトランスクリプトが用意されているポッドキャストを探していたところ、ちょうどいい番組が見つかった。 Google のデザイナーである Liam Spradlin がホストを務めるポッドキャスト番組で、いろんなゲストを迎えながら多角的な視点か

          課程博士の生態図鑑 No.11 & 12 (2023年2~3月)

          課程博士の生態図鑑 No.10 (2023年1月)

          研究の進捗2023年になってからもう1ヶ月が過ぎてしまった。今月はひたすら国際学会の準備に追われていた。学会自体は3月末にあるので、まだ時間の猶予は残されているものの、プレゼンスライドを作るのに非常に苦戦している。 というのも、僕の研究では日本語のテキストを形態素に分解して分析しているので、そのまま英語に翻訳することが難しいのである。なので、日本語の形態素を図示しつつ英語で注釈を加えるという、少々(いや、かなり)面倒なことをしている。どうすればうまく伝わるのか、非常に難しい

          課程博士の生態図鑑 No.10 (2023年1月)

          課程博士の生態図鑑 No.9 (2022年12月)

          ぼーっとしてるうちに2022年が終わろうとしている(この文章を書いてる時はまだ12月)。いつもは論文や本など、自分が勉強したことをまとめるような記事を書いているが、今回は2022年のまとめみたいな記事を書いてみようと思う。いつもは周りに流されるのをひどく嫌う性格をしているが、たまには流されてみるのもアリだなと思いまして、ど正直に1年の振り返りをしてみる。振り返りといっても、1年間で良くも悪くも印象に残っている月を飛び飛びでざっと書いていくくらいだが。 博士課程の人間がどんな

          課程博士の生態図鑑 No.9 (2022年12月)

          課程博士の生態図鑑 No.8 (2022年11月)

          研究の進捗今月は主に実験の実施と、それを分析をするためのスキル習得に追われていた。正直かなり忙しくてしんどい。「これが博士課程か… 」と心の中で思い始めている。来月には国際学会に提出するための論文を書き上げる予定なので、相当追い込む必要がある。 Rの勉強 僕は今まで実験結果を分析するために、「EZR(Easy R)」という自治医科大学附属さいたま医療センターの教授が開発したフリー統計ソフトを使っていたのだが、今月から R Studio に移行することにした。ちなみにEZR

          課程博士の生態図鑑 No.8 (2022年11月)

          課程博士の生態図鑑 No.7 (2022年10月)

          Good Design 賞をいただきましたいきなりだが、なんと Good Design Award 2022 をデザイナーとして受賞させていただいた。僕が修士課程の頃からお世話になっている会社のプロダクトである。 元々賞自体に興味はなかったのだが、会社の勧めで去年から応募していた。今年はなんとか受賞することができたが、個人的にクオリティはまだまだ改善が必要だなと思っており、ベスト100にも入っていないので大きな声で誇れることではないと思っている。ただ、こんなにもネガティブな

          課程博士の生態図鑑 No.7 (2022年10月)

          課程博士の生態図鑑 No.6 (2022年9月)

          研究の進捗9月に入ってすぐ、デザイン学会に提出していた論文の修正版を提出したのだが、まだ結果が来ない。今までにもこの学会に提出したことはあるが、毎回査読が遅すぎる。同じくデザイン学会に論文を提出している先輩も同じことを嘆いていた。 しばらくの間(少なくとも博士課程在学中は)、デザイン学会に提出するのは辞めようかなと思っている。短期間で結果を残さないといけない状況においては、査読が遅いというのはかなり足枷になる(精神的にも、落ち着かない期間が長いのはストレスだし)。もちろん、

          課程博士の生態図鑑 No.6 (2022年9月)