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課程博士の生態図鑑 No.9 (2022年12月)

ぼーっとしてるうちに2022年が終わろうとしている(この文章を書いてる時はまだ12月)。いつもは論文や本など、自分が勉強したことをまとめるような記事を書いているが、今回は2022年のまとめみたいな記事を書いてみようと思う。いつもは周りに流されるのをひどく嫌う性格をしているが、たまには流されてみるのもアリだなと思いまして、ど正直に1年の振り返りをしてみる。振り返りといっても、1年間で良くも悪くも印象に残っている月を飛び飛びでざっと書いていくくらいだが。

博士課程の人間がどんな感情でどんな生活をしているのかをちょっとでも知ってくれたら幸いだ。元はといえば、このマガジンのタイトル「課程博士の生態図鑑」は、そんな内容を書く予定だったのを今思い出した。全然自分の生態について書いてねえじゃねえか。

でも来年からはマガジンのタイトル変えようかな。誰が読むんだこのタイトルで。課程博士て。当初はもうちょいわかりやすく「博士課程の生態図鑑」という候補もあったが、「博士課程」というのは所属であり、単なる状態なので、「の生態図鑑」に繋げるには個人的にちょっとだけ違和感があった。「博士課程の人間の生態図鑑」だと冗長だしな…。あと「論文博士(社会人の方が博士号をとるみたいなやつ)」とも区別したかったので、「課程博士」という表現に落ち着いたのである。

そんなことはどうでもいいとして、来年からのタイトルは何にするかは明日から考えます。それか、Mediumに移行するのもアリかなと思っている。

気が向いたら今までの記事も覗いてみてください。

1月〜3月

このあたりの時期は何があったかそんなに覚えていない。このマガジンを始めたのも3月末だし。とりあえず千葉工業大学創造工学研究科デザイン科学専攻の修士2年生でした。全然印象に残ってない月をいきなり書くのかよと思ったかもしれないが、導入ということで、一応申し訳程度に書いておく。

修士論文をまとめて、その一部を学会に提出するためにまとめていた気がする。思えばこの時期はかなり自信に満ち溢れていたなぁ。修士論文の審査も周りが苦戦してる中あっさり終わってしまったし。まだ調子に乗って浮かれてる小僧だった。

4月

4月は博士課程への進学という大きなイベントがあった。といっても何かが劇的に変わったわけではなかった。同期の仲間がいなくなってちょっと寂しかったくらいかな。でも定期的に会ってはいるので、実はそんなに寂しくはない。元々一人でいるのも好きな性格なので、寂しさという問題は気にならなかった。

3月にまとめていた論文が不採択を喰らう。初めての経験だったので、これには流石に落ち込んだ。詳細なことを思い出すためにこの月の記事を覗いてたら、自分がとっていた行動にドン引きしてしまった。不採択になったその日に落ち込みすぎて昆虫の本に慰められるというキモいムーブをしていたのである。同じ人間とは思えないほど共感できない。

5月

この月は自分のポートフォリオサイトを初めて公開した。そんなに尖った表現がしたいわけではなかったので、ノーコードでちゃちゃっとつくりあげた感じだ。それにしても全然更新してないのでそのうち更新しようと思う。言語切り替え機能もいつか作りたい。

「デザインと研究を繋ぐ」という言葉を掲げてつくったのだが、本当にできているだろうかと自問自答する。どうやら相当難儀な言葉を掲げてしまったのではないかと最近気づき始めた。言い換えると実践と理論の橋渡しということなのだが、学生のうちはおそらく無理だろう。ただ、ビジョンとして掲げるのは悪いことではないと思っているので、しばらくはこのコンセプトのままでいこう。

こんな感じ

7月

この月は大きなイベントがあったわけでもなく、何かをつくりあげたわけでもないのだが、個人的に世界に対する認知が変わった月だったなと思う。西田幾多郎という哲学者の「絶対矛盾的自己同一」という本に出会ったのがきっかけだ。この本の深い内容について言及することはこの記事では避けるが、なんというか、世界が複雑であることを思い知らされた気がした。

本の内容がとにかく難しい上に、80年くらい前の本なので、言葉遣いも馴染みがない。英語読んでる方がまだマシだと思うくらいだ(分野によるけども)。この時期あたりから、集合的な創造性であるとか、存在論とかにより一層興味が湧いてきた感じがする。その分研究として成り立たせることがより困難なテーマになってしまったのだけれど。勉強してる分には面白いが、研究するのは苦しい。まぁなんとか妥協しながら頑張ります。

あと、この記事あたりから文字数の暴走が始まってる。もっと短くまとめたい。

9月

この月は千葉テレビに指導教官と共に出演をさせてもらった。正確にはチバテレミライチャンネルという、千葉テレビが持ってるサブのチャンネルだ。撮影自体は確か7月に終わってたけど。内容としては小・中学生向けにデザイン思考を伝えるというものだ。出演だけではなく、番組の構成から関わらせていただけたのは今思うと貴重な経験だった。

この頃僕が書いた記事によると、この出演が死ぬほど恥ずかしかったらしい。まぁ、普段全く馴染みのない白衣をなぜか着ることになり、普段全くしない髪型にセットされ、普段全く到達しない程の高いテンションで台本を読み上げたのだからそう感じても仕方がない。いつもの姿とはかけ離れた自分を客観的に見るとこんなにも恥ずかしいのかと思った。今見てもちょっとだけ恥ずかしい。高校2年生の頃文化祭で漫才をやってた自分のことを本当にすごいと思う。

ポートフォリオにも載せている

10月

グッドデザイン賞を受賞。2022年はこの月が一番印象に残ったかな。修士課程の頃からお世話になっている会社のプロダクトで、プロジェクト開始時から関わらせていただいた。便宜上はUIデザイナーとして受賞したが、上流のアイデア出しから、下流の形にするまで、けっこう幅広くやらせてもらったので相当楽しかった。いってもエンジニアや営業など、他の方々が死に物狂いで頑張ってくれたおかげだが。

一応、学生のうちにこの賞を受賞したのは、僕の大学で初だというので、そこは嬉しい。学内新聞にも掲載してもらった。

この件もポートフォリオに載せてる

12月

この月は、7月にデザイン学会に出していた論文の採択がようやく確定した。「原著」ではなく「報告」としてだが。この結果は相当悔しい。改善点は自覚しているが、最低限「原著」としてのクオリティは満たしているつもりだったので、いまいち納得できない部分もある。正直今の僕のメンタルは、寒さも相まってかなりきている。

しかし、嬉しい出来事もあった。国際学会に論文のアブストが通り、3月末にポルトガルで発表することになったのである。発表の後にこの学会にフルペーパーを出してみたいと思っている。今やっている研究はn数さえ揃えば結構いい感じだと思っている。あとは英語でどれだけ自分の研究のことを伝えられるか。

特に僕の研究の場合は、テキストマイニングで日本語を分析しているので、その部分をどう伝えればいいのかはまだよくわからない。翻訳しにくい形態素もあるし。

https://designprinciplesandpractices.com/2023-conference
Design Education というテーマの中で発表する



とりあえず僕の2022年はこんな感じだった。こうやって客観的に眺めてみると割といろんな経験をしているな。日記に残してみるのって良いですね。

2023年は、もうちょっと確実に観察可能な現象について分析してみたい。今までは被験者の主観の変化を捉えようとしすぎてしまった。もちろんそれも研究としては成立するし、人文学系の分野でそういうものはいくらでもあるが、ちょっと違う方法も色々試してみたい。

ということで、今年もよろしくお願いします。

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