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【就活コラム#4】正しい情報を正しく分析しよう。

皆様、HakaHaka@お菓子大手の新卒🍫です!
(更新が滞っておりました...!)

本日は就活コラムシリーズ第4弾として、今回は「就活生」、プラスして「新入社員の方」に役立つ内容になるかと思います!
このシリーズは途中だけ切り取ると誤解を生むかと思うので、最後まで読んでいただけると幸いです!

今回取り上げるのは...

「正しい情報を正しく理解しよう!」

僕は業務の一環で上司に市況等の分析報告をしているのですが、
初めて報告を行った際、

「HakaHaka君。これは分析になってないよ。なぜなら大前提となる数値がどういうものなのか正しく理解できていない。
欲しい情報や観点を適切な切り口で見られていない。
フィードバック渡すからもう一回やり直してみて。」

まじか...となりました。
(フィードバックくれて、みてくれる上司には感謝です...!)

それから日常的に様々な企業が出す調査結果や考察、表やグラフを
どのような切り口で、なぜこの切り口で、どうやって計測しているのか..etc

現在まで色々な観点からみるようになりました。

その中で、就活時代もかなり偏った数字の調べ方をしていたな...と振り返るようになりました。

今後の人生において重要な岐路の一つである就職活動。

そこでみなさんには各社が発表する調査結果に対して、
・この数字は本当に自分が認識している結果と一緒なのか
・自分の就職に利用するにはどういう観点で調査結果を調べるか
・正しく世の中を捉えるには?
など
情報を精査するためにお役に立つような情報を提供できればと思います。


1、実例をみながら考えてみよう

まず、皆さんは就活生だとしてアイス業界を志望しているとしましょう。
皆さんは就職をするにあたって、自分が希望しているアイス業界がコロナ後も安定して伸びている企業か調べているとします。

では早速、例を一つあげながら考えてみましょう。

今回取り上げるのは、東洋経済社が発表した
【コロナで「売れた」「売れなくなった」商品TOP30 ランキング最新版!ワクチン接種の影響は?】 を見ていきましょうか!

(「コロナで売れた商品」と2021年9月20日時点で検索すると一番出てきたので笑)

では当記事内に記載されているこちらの表を見てください。

画像1

(引用:https://toyokeizai.net/articles/-/456558?page=8

では、早速ですがアイスクリームの販売状況はコロナ禍においてどのような状況と言えるでしょうか?

一度考えてみてください!



2、本当に正しく理解できたか確認してみよう

では、早速みていきましょうか。

画像2

例えば、7月19日週の列を見てみると135.7%となっている!
よくわからないが、100%を超えているのでコロナ禍でも売れているんだ!
コロナが発生しても業界・市場全体は伸びてるかも!
影響を受けにくい業界なんだ!むしろ需要が伸びてる!
と考えた方もいると思います。


本当にそうでしょうか。


まずは表の下部を見てみましょう。(画質悪くてすみません...!)

画像3

販売金額の対前年比と書いています。
つまり、この表の7月19日週より右側の数字は、

販売金額を当年(2021年)と前年(2020年)の同じ週を比較した際、
2020年からどのぐらい伸長しているのか表した数値ということですね。

つまり、この表から読み取れることの一つとして、
アイスクリームは、6月最終週〜7月第三週において昨年より伸長している
となります。

さて、ではコロナ禍でもアイスクリーム市場が伸び続けているでしょうか?

実はこれだけでは結論づけられないのです。

なぜか?色々な要因はありますが、3つピックアップしてみますね。

1、アイスクリームの販売金額が「短期的に」伸びた可能性がある。
あくまで7月のデータなのです。
例えば、4月は昨年より落ちているかもしれません。
今までの販売金額を見てみないとわからないですね。

2、コロナ前との比較ではない。本当にコロナ要因かわからない。
先ほども述べた通り、この比較は2021年と2020年の比較なのです。
思い返してみると、昨年の7月もコロナ真っ盛りでしたね笑
つまり、コロナ禍とコロナ禍を比較しているのです。
コロナ影響を受けているか否かはこのデータだけではわからないです。

3、アイスクリームは販売金額に大きな影響を与える要素を持つ。
どういうことでしょうか。
皆さんも考えてみてください。皆さんがアイスを食べる時ってどんな時でしょうか。
例えば、暑い時ですよね。暑い時は、冷えたアイス食べたいですよね笑
他にも新商品が出たら、ちょっと買ってみたくなりますよね。

そうなんです。アイスは天候の影響を受けやすいのです。

販売金額に大きな影響を与えるのです。
実は2019年と2020年は冷夏だったんです。
2020年7月平均気温が24.3℃です。2021年は25.9℃です。
1℃変わるだけでアイスの販売金額は大きく変動します。
ちなみに2018年は28.3℃です笑
(引用:https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662

他にも新商品の数によっても変動します。
アイスは頻繁に新商品が出るので、実は商品数によっても変わります。
(市場全体だと影響は小さいですが、企業ごとにみると大きく変わります。)

などなど色々みてきました。
実はこのデータだけだと、「コロナによって売れた食品」を決めつけるのは難しいのです。
あくまで「コロナ禍において販売金額が伸長した食品」なのです。

ただあくまで傾向や全体像をざっくり理解したい、7月の販売状況を前年と比較したいなどには有効です。

(あと余談ですが、SRIは拡大推計値といって実際の金額を出しているわけではないので注意です。傾向を割り出すのにはもってこいです)

3、うまく分析できない時は〇〇〇を変えてみよう

さぁ散々言ってきましたが、じゃあどうやってコロナ影響が出たか見るんだよ!となった場合はどうするか?気になりますよね。

実はシンプルなのです。切り口を変えましょう。

年度比較をすれば良いのです。

画像4

(https://news.yahoo.co.jp/articles/62c66e333f7e30ff5e0a95f07a886d816e5727f6)

上図は年単位での比較になります。

19年度を20年度を比較した際、変わらず伸長してますね。
平均気温においても大きな差はないので、コロナ禍による需要と仮説を立ててもよさそうです。(他要因を確認する必要はありますが)

4、結局何を伝えたいのか?

さて、色々皆さんには伝えてきましたが、何が言いたいのかというと2つあります。

1、見ている情報は本当に正しいのか?自分の理解は正しいのか?まず疑って考えてみよう。

2、情報が得られない時は切り口を変えてみよう。

この2点です。
僕もそうでしたが、就活初期や時間がない時は特に自分の仮説は間違えてる可能性が高いです笑(ちなみに僕は今もです)

例えば、菓子の販売金額が伸びてる!菓子企業全部伸びてるんだ!は間違いです。菓子のチョコレートだけが大きく伸びてるかもしれません。
販売金額は上がってるけど、売上や利益は落ちてるかもしれません。

今は情報に溢れる社会です。
欲しい情報を「正しく」得るために調査結果を見て、そうなんだ!ではなく、本当に正しいのか?切り口は正しいのか?本当にこう言えるのか考えてみましょう。(批判的思考と言います。)

皆さんも僕と一緒にぜひ批判的思考を鍛えて、自分の人生や生活を豊かにしていきましょう!



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