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管理業務の不思議

今回は極めて真面目な話。
管理業務の不思議について自ら問題提起しようと思います。

もくじ
1 管理業務とは
2 プレーイングマネージャー
3 これからの管理者とは

1 管理業務とは

管理という言葉のイメージからして、実に上からの目線であると自身いつも思う。
経営管理、管理会、管理者。
ひとりの理学療法士としては、とても場違いなイメージがある。

管理とは、デジタル大辞泉の解説 によれば
かん‐り〔クワン‐〕【管理】

[名](スル)
1 ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。「品質を管理する」「健康管理」「管理教育」
2 事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。「管理の行き届いたマンション」「生産管理」
3 法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などをはかること。

と記されている。
リハビリ部門における管理者となると、やはり全体を俯瞰してみることができるセラピスト部門の長であり、この長もしくは役職者で構成される管理者ということになるだろう。


2 プレーイングマネージャー

伊藤義広 著 シリーズ「エビデンスに基づく理学療法の確立をめざして ─各部門からの提言─」連載第 3 回 組織力を向上させるための理学療法管理 理学療法学 第 45 巻第 1 号 54 ~ 63 頁(2018 年)
によれば、

「簡単な事例として,病棟看護師長とリハビリテーション技師長の例を取り上げる。看護では 1 看護単位に 30 人の看護師がいれば看護師長は少なくとも 1 名配置されており,その看護師長は管理業務に専念している。緊急的に看護業務をすることはあっても基本的には管理業務に専念し,自分自身の労働時間について裁量権をもたされていることが一般的である。しかしリハビリテーション技師長では,30 人の理学療法士や作業療法士を部下に抱えていても終日管理業務に終始することは難しい。一日のなかで半日あるいはそれ以上の時間を理学療法業務にあてて,手の空いた時間に管理業務にあたるなど,経営側から一定の診療実績を求められていることも多い」

リハ部門の管理者はいわゆるプレーイングマネージャーであることが多い。私自身も過去に渡り転職先、異動先で何度となくプレーイングマネージャーを経験してきた。

リハ部門の管理者は時として誰より多く患者を担当し、委員会などの会議も多岐に渡り出席し、多部署との関係調整を行い、収益の実績では組織管理者からご指導いただき、多方面に渡り実働をこなしている。

このように立ち振る舞うリハ管理者が一般的ではないかと想像できる。
先の文献のように、看護の例と比較すると、時代はまだまだ先のように感じてしまう。


3 これからの管理者とは

学生指導や新人指導においても、広い意味では十分管理業務であるように思う。
職場の人数的な配置によっては、自身の経験が浅い時にでも、指導的立場に遭遇することがある。
私自身の新人の頃、入職してニケ月で学生指導をしたという経験がある。今となっては到底考えられないことだろう。時代なんだと思うしか・・・

さて、これからの管理者とはどうあるべきか。
実に考え深いと感じる。

先の文献によれば、
「激務で奔走する上司を見て管理者のマイナスイメージばかりが強調されないよう管理者としての働き甲斐を見せることも大切である」

と示されている。
忙しく動き回っていることが優れた管理者であると、自分自身もかなり勘違いしていた時があった。
忙しくバタバタしている姿や、残業続きの姿、管理業務は大変だという姿ばかり見せてしまうと、若き優秀な後継者たちの意識や意欲を低下させ、自身が管理者になる前に自然に退職しないと…などという感情を持たせてしまっては、組織にとっては明らかにマイナス効果である。

1対1のセラピスト業務と同じように、管理業務はやりがいがあり、自己啓発にとってとても有意義なことであるというイメージを持っていただけるような、管理者育成の実践ができるような職場作りが望まれるのではないかと思う。

この文献では、カッツのマネジメントモデルを紹介している。

それぞれの年代で管理するターゲットが違うと各自が認識し、患者さんを診ず、リハ部門を俯瞰し、患者さんの代わりにスタッフに費やす時間をかける管理者がいても不思議ではない時代に突入するという認識を持ちたいものであるし、他部門からの理解も得たいものである。

働き方改革が叫ばれているこの時代、患者様に対応し、診療報酬を得るだけが療法士の働き方ではないロールモデルの構築が必要であると思う。

すでに管理業務を中心に、事務的な管理業務を中心に行なっている療法士の施設もある。如何に組織のPDCAサイクルを回し、組織で働く療法士達が安心して働ける場を提供し続けていけるか。
このような事を真剣に考えていく療法士や部門があって良いと考える。

専門性や質の担保が叫ばれているこの時代だからこその視点である。この事が定着するには後何年かかるであろうか。自身の定年前には現実となっていて欲しいと願う。

養成校を卒業して一般企業に勤める療法士もいる時代。既成の概念に取り憑かれ、こうあるべき!と自己の思いが強すぎてしまうと、時代の波に乗り遅れてしまうかもしれない。

何か結果を出さねば机上の空論。管理業務の不思議はこれからも続く・・・


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