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納得できる生き方を求めて、島で起業してから8ヶ月


自己紹介としてのnoteを書こうと思って8ヶ月が経ってしまいました。

会社をはじめてからまとめのようなものを書けていなかったので、今までの活動やこれからやっていくことをまとめておこうと思います。

プログラムや制作についてのご相談、<<絶賛募集中>>
です。
こんなものつくりたい!というものがあれば一緒につくっていきます!

また、興味があってちょっと話してみたいかも!という方もぜひHPのコンタクトページやInstagramからメッセージください。



なぜ納得できる生き方がしたいのか

会社の話をする前に私の話をさせてください。

「会社を立ち上げた2023年の抱負は、やりたくないことはしない。」

いやいや、会社潰れないように死ぬ気でやれよ!というツッコミが聞こえてきそうですが、そう感じた方はぜひ読んでいただきたいです。

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私たちは常に不安定な世界で生きていると思います。
今はある程度コントロールできる日常かもしれないが、それは明日にはないかもしれない。

そんな中、自分の気持ちを無視して生きることは、何か起こった時に後悔するのではないか、と思っているのです。

「本当にそれは自分か? <社会>にそうさせられているのではないか?」

今まで私は、<社会人>として、人に迷惑をかけてはいけない。無理してでもやらなければいけない、決められたことはやるべきだと思っていました。

しかしその考えは新卒2年目ですぐに壊れてしまいます。

今から6年前、関節リウマチという病気になりました。
身体にある全ての関節が痛くて、自分の力では立ち上がれないような状態でした。
処方された薬が効かず、4万円する注射を両腕に打って、ようやく身体が動かせるくらいの痛みになる。
2、3ヶ月ほどそんな状態で、人生終わったなと思った時期でした。
隣にいた母もとても不安だったと思います。

普通に立って歩くこと、階段を上り下りすること、ペットボトルの蓋を開けること、長い時間椅子に座っていること、立っていること。
やること全てが難しいことになりました。
入ってくるお給料が医療費で消えていくことの虚しさ。

「なぜ働いているのか?私はなんのために生きているのか?」

今はだいぶ良くなり、薬や注射を減らしても問題ないくらいに回復しています。


先生にかけられた言葉は「楽しく生きろ」

病気になって、いかに自分が自分を大切にできていなかったかを思いしり、そこからはたとえ人に呆れられようとも感じた違和感を無視せず、まず自分の心の声を大切にしようと思ったのです。

自分が感じ、考えたことを周りに話せるようになってからは、まさに類は友を呼んだようで、似た違和感を共有するコミュニティが自然にできていきました。

そして、自分や一緒にいる人たちが開放できる場とはどんな場なのか?と考えるようになり、逍遥学派の原点でもある「開放プロジェクト」は始まります。

週2くらい(今思うと全ての時間をこのプロジェクトにかけていた)で何時間も様々なテーマを雑談(解放とは?/日本とは?/哲学と宗教の違いは?/5次元とは?…とか)してお互いの理解を深めていきました。
思い返すと、今まで<会社>の中にしかなかった「自分」の意志が初めて<社会>と接続し直したような感覚でした。

おかげさまで今かなり充実した暮らしができています。
暮らしにフォーカスしたnoteはこちらです。


開放プロジェクトからあいだすへ

そこから久比に生まれたのが「あいだす」でした。
取材していただいた記事も載せておきます。

残念ながら、久比のあいだすは幕を閉じることになってしまったのですが、運営していた時間は今までのどんな学びの時間よりも発見がある時間でした。


あいだすの人たち、から「逍遥学派」へ

会社を立てたのは2023年の6月なのですが…。
いまだに、何をしているのか?と聞かれると、はて自分たちは何をしている人なんだろう??
島で貝拾ってる人です…!みたいなことしか言えず。

ここからは実際に進めていることや、そのきっかけになった問い、これからやっていくことを書いておきます。

難しそうな名前だったり、美術とかこりゃまた自分には分かりません!
という人も多いのですが、逍遥学派の信念として、
複雑で難しいものを分かりやすいように、ただ翻訳するのはあまり好きではありません。

なぜなら、分かりやすくしたものは、そのものの本来の面白さを削いでしまうと考えているからです。

ですが、このnoteが少しでも関わる隙くらいになれば幸いです!


非言語からはじまる場づくり

私たちはデザインや美術をバックグラウンドにしたチームです。
ものや自然から受け取ること感じることを大切にすることで、人と人の対話がより深く、複雑なまま受け取ることができるのではないかと考えています。
ちなみに、受け取るというのは自分の知っている言葉や体験で飲み込んでしまうのではなく、「なんか言葉にできないけど、すごく良かった…」みたいな感じだと思っています。

あいだすに訪れた人たちが、「なんか分からないけどここって心地が良いですね!」と言ってくれたようなものも、それなのかなと。

つまりは、必ずしも言語化して持ち帰ることだけが良い発見ではないのではないか?と思っています。

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1.問いを立てることを中心に、その土地にあるものを活かした、非言語のコミュニケーションと、対話のワークショップ&宿泊型プログラムの開発と運営

問いの旅:
参加者と一緒に自分の原動力となる問いを探す1泊2日のプログラム


おでかけスコープ:
実践者のスコープを借りて「人と自然の関わりを考える」プログラム


自分だけの記事をつくる(絶賛知り合い限定でモニター中):
1on1スタイルで「らしさ」を整理し記事にするプログラム

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdq4sVp_f10YoeRN9HyG3VFcxqEjieY09jni9HXWd5bivYyjw/viewform

インタビュー記事をつくる
上記のプログラムとは別ですが、話をお聞きして編集するという繋がりで、インタビューや撮影などもしています!
こちらは純粋にインタビューをしていくのですが、人に問われることで思い出していく感覚や、今の自分を振り返るきっかけになったりもします。



2.一緒につくることで愛着を持ち、制作を通して自分が変わってしまうような体験

書くという冒険がわたしをどこに連れていくのか、
わたし自身にさえわかりません。
ですから、どの本を書いたあとも、わたし自身はちがう人間になりました。
本を書くことがわたしを変えるからです。

『ものがたりの余白:エンデが最後に話したこと』ミヒャエル・エンデ より


私は、あいだすを運営している前と後では、自分が全く違う人間のように感じています。
場を作っていく中で様々な人と出会い、何かが起こる度に応答することを繰り返すうち、価値観とそれに伴って態度が変化していったように感じています。

その状態は成長というのか、成熟というのか、また別のものなのか分かりません。

何か作り上げていくプロセスの中で、それを深堀したり、自身に問いを立てたりすることで、自分への理解とその自分と社会との間を何度も行き来することで、スタート地点から進んだことに気がつきます。

そういった体験を一緒にすることは、物理的なものが出来上がるということ以上に、意味があるように思っています。


上記のような体験と、私たちが今まで仕事にしてきた所謂「デザインの制作」を一緒にできないかと現在試行錯誤中です。

実際の事例については下記のnoteをご覧ください。

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社会人になったのが2016年、島に住むようになったのが2021年、7年間で様々なことに関わってきました。
特に島に来てからは、自分の肩書きにこだわることもなく、できそうなことはなんでもやりました。

やったこと一覧
・人が関わる余白のある場づくり
・ジェネレーター(プレーヤーに混ざって伴走します)
・ファシリテーション
・他社プロジェクトへの参画(アイデア発散、問いを投げかける)
・イベント登壇 / アイデアフィードバック
・プログラム開発 / 運営(高校生から大人までの受け入れ)
・地域の小学生と遊ぶ(個人として関わることを大切に)
・ワークショップ開発 / 運営(その地域・場所らしさを活かした)
・ブランディング / コンセプト開発(デザインコンサルティング)
・Webデザイン
・グラフィックデザイン(名刺 / ロゴ / チラシ / 冊子 / パッケージ など)
・コピーライティング
・プランニング
・インタビュー / 撮影 / 編集 / 記事作成
・写真撮影 / 簡単な映像制作
・グラフィックレコーディング / レポート
・地域コーディネート(地域の方と外の方を繋いだり)
・空き家の片付けや改修のお手伝い(漆喰塗ったり、掃除したり)
・畑づくり / 田植えなどのお手伝い


そして改めて会社をつくってみて、組織の中の〇〇デザイナーという立場から離れて湧き出てきたいくつかの問いを、今後も深堀していきたいと思っています。

|デザイナーの役割とは何か

AIが表層の部分をつくっていくのであれば、これからのデザイナーができることは何でしょうか?
私は、曖昧なものや複雑なものを面白がれる態度と、見えていなかった価値にそっと光を当てられる姿勢だと思います。

つまりは、きく(聞く/聴く/効く/訊く)態度、もしくは
みる(見る/ 観る/視る/診る/看る)態度だと考えています。

曖昧なものや複雑なものも、そこに熱があるのならば、
決して価値のないものではありません。
むしろ、現状の問題の活路が秘められていると考えています。
私たちは、そうした活動のパートナーとして、アートやデザインの視点を活かしながら、関わりしろをつくるお手伝いをします。

逍遥学派のミッションは「未開を灯す」

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|つくることがケアになるのではないか

「ケアとデザイン」には親和性があると考えています。
私自身、つくることが辛いと感じる時期もありましたが、関わり方やプロセスによって、楽しく、もっというと自分や相手のもやもやを解きほぐしながら、つくることができるのではないか?と思っています。

雑談をしながら一緒に楽しみ、「つくること」を通して、お互いをケアしていくプロセスと場づくりができると良いなと思います。

一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現することをたすけることである。
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ケアすることは、自分の種々の欲求を満たすために、他人を単に利用するのとは正反対のことである。
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相互信頼と、深まり質的に変わっていく関係とをとおして、時とともに友情が成熟していくのと同様に成長するものなのである。

『ケアの本質 生きることの意味』ミルトン・メイヤロフより

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|自分らしく生きるためには

逍遥学派は暮らしと美術をテーマに活動しています。
美術と聞くと、自分には縁のない、センスがある人だけが嗜んでいるものに感じます。

ですが、美術ってこんなに面白いんだ!と私自身が出会い直したのは、あいだすをはじめてからでした。あいだすってまさに「美術教育」だよね。と言われたことがきっかけです。
その話に触れた記事は下記にあります。

私たちが場を育てる時に大切にしていたことは、まさに「当たり前」や「常識」とされていることで人を縛らないこと。


ドイツのアーティスト、ヨーゼフ・ボイスが提唱した「社会彫刻」

「社会彫刻」は、ボイスの思想と活動の原理である。これらを総じてわかりやすく述べるならば「すべての人間は芸術家である」というボイスの言葉に代表される。ここでの「芸術」は、教育活動、政治活動、環境保護活動、宗教なども含めた拡張された意味での芸術活動・芸術作品である。ボイスは、いかなる人間の営み、芋の皮をむくといった行為でさえ、意識的な活動であるならば、芸術活動であるとその社会性を説明している。つまり社会彫刻は、自ら未来のために社会を彫刻していこうという考え方である。

社会彫刻とは? 美術手帖より


私たちは今、あまりにも「自分で考えること」が苦手すぎるのではないか?
人と同じことを幼い頃から強要され、無意識に親からも植え付けられている。
誰かが動かないと誰も動けない社会。

出る杭は打たれる。

その出た杭が稀に大衆に評価されることもある。
それは他ならないそこにある誰かの声のかき集めに違いない。

自分がおかしいと感じていることが、声をあげたりする(それが非言語であっても)と意外と誰かが聞いていたりして、大きな波が起こったりする。

目の前の自分の状態から少しでも良くしていこう。という行動は社会彫刻になり得るのではないか?

そう考えるようになってから、自分の暮らしに一番影響を与える学問はもしかしたら「美術」なんじゃないか?と思ったのです。

・自分はどう生きたいか?(どんな世界で生きたいか?)
・自分で選択肢を作っていく
・異なる「もののみかた」をすることで「社会」と新たに出会い直す

逍遥学派の考える「美術」とは?


当たり前や常識が通用しなくなりつつある現代社会で、
「本当にそれで良いのか?」「私はどうしたいのか?どう思うのか?」を社会に対して問いを立てていく姿勢が大切なのではないかと考えています。

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つらつら述べてきた問いだったり、
逍遥学派の美術教育とは何か?を考えていく中で、
やはり自分たちの場を持って、育てていく必要があるのではないか?と思い立ち、新たに場を持つことにしました!


暮らせるアトリエ「みみみみみ」をオープンします!

私たちの次の目標は、改めて自分たちの世界観を体現する場をつくること。場所は広島県三次市甲奴町、中国山地と田園風景が広がる豊かな地域です。

この場所では、
プログラムなどを実施したり、実際に暮らすことで、ここに来る人が
自分がすでに見えている世界”ではないもの”を体験できる場にしたいと思います!

車がめっちゃ停められる
大正に建てられた立派な母家


3月後半くらいからぼちぼち動き出します。

床も抜けていたりするのですが、それもなかなか味わえない
空き家の面白さだと思うので、これから関わってくれる人たちと楽しみながらつくっていけたらいいなと思っていますので、
興味がある方はぜひお声掛けください!!

進捗などは逍遥学派のInstagramのストーリーズなどでお知らせしています。


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