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巣ごもり生活中視界が開ける横断読書(スタートアップ、VC、未来学、量子力学、細胞生物学、社会学系)

コロナ自粛期間中に、通勤3時間無し飲み会無し仕事無駄無しで空いた時間を、集中的&横断的読書に充ててました。まとめて集中する時間って本当に貴重で、なんか目からウロコというか、ぱーっと視界が開けてアップデートされた感じ笑がしたので、読んだものの中から推薦図書&動画をいくつか個人的な備忘録としても。人それぞれ好みが違うでしょうから、こんな本あるんだーという感じでご勘弁ください。横断的に色々読んだのですが分野が全く違うのに、欧米人の思考フレームワークは同じアプローチをしていると感じることがあって、根底に流れている問題点や着想が共感出来たり、逆に日本人として批判的に読むと理解が深くなったりして、楽しかったです。

横断的読書の分野は、米国ベンチャーキャピタル、スタートアップ、量子力学、未来学、ブラックホール、細胞生物学、文化人類学・社会学

①The Business of Venture Capital: Insights from Leading Practitioners on the Art of Raising a Fund, Deal Structuring, Value Creation, and Exit Strategies (Wiley Finance) 2nd Edition

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これは米国VC業界でも色んな人々の推薦本で近年トップクラスで名前が上がる本。ベンチャーキャピタル本で米国の書籍も含めた推薦本一覧は別途ご紹介する予定ですが、日本人が書いたベンチャーキャピタル本はまだ少ないため、米国の賢人・先人たちの本がやはり遥かに内容が濃くて先駆的で参考になるので、英文ですが拾い読みでいいので米国の本を読むのをお勧めします。リーンスタートアップの本ばかり読んでいるとそれが主流の様に錯覚してしまうのですが、実はもっと奥が深くてビジネスやマネジメント、金融の複合的な理解が必要です。この本は、”Venture capital boils down to the ability of picking winners." に至るまでの各米国のVCの考え方や戦法の違いを列挙してあって、参考になります。

②Venture Capitalists at Work: How VCs Identify and Build Billion-Dollar Successes Paperback – November 17, 2011

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この本も米国で良く推薦されている本のひとつ。これは昔から時々拾い読みで読んでいたのですが、また読み返しました。色々なベンチャーキャピタリストのインタビューが掲載されていて、成功の秘訣やポイントが披露されています。元PayPalのCFOでありYoutubeにも投資したSequoia Capitalの米国ヘッドRoelof Bothaが最初に紹介されていて、参考になります。実は僕はいつも彼の投資案件、投資哲学、コメントをいつもウオッチして研究しています。彼は元々大学でアクチュアリーを勉強していたんですね。中長期に数理経済分析をして市場の規模や成長性・リスクを読み切り大きな流れで投資する素養は、アクチュアリーだったからかもしれません。
"The key to start-up success is purity of motivation."
→(スタートアップの成功の鍵はモチベーションの純粋さ)
"Successful entrepreneurs also have this ability to articulate a roadmap for the sort of things they want to build over time."
→(成功する起業家は時間を超えて作りたいビジネスの道筋をクリアにわかりやすく説明する能力を持っている)
"We then focus on the size of the market opportunity."
→(Sequoiaは市場機会の大きさにフォーカスしている)
"---- by people closer to the demographic, who understand the problems that demographic faces."
→(対象ビジネスのユーザーとデモグラが近い起業家が問題点も理解していて成功する)

③Until the End of Time: Mind, Matter, and Our Search for Meaning in an Evolving Universe Paperback – Large Print, February 18, 2020

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以前より大ファンのBrian Greeneは、アメリカ合衆国の理論物理学者。超弦理論や多元宇宙論などの最先端の理論物理学を一般向けに紹介する著作やTVメディアへの出演で米国では有名です。彼の出演しているYoutubeは楽しくて分かり易く、大好きでよく見ます。彼の最新の著作がこの2月に出たのですが日本語版がまだ無いこともあり、英文でコツコツ読み始めました。僕は実は量子力学や物理学系の話は大好きで、昔から日本語ではハイゼンベルグ、シュレーディンガーの本はいくつか読んでいて、単語は以前英文で読んだ量子力学系のフルシチョフ・カプラのThe Tao of Physicsである程度馴染みがあり、Brian Greeneの以前の著作で「エレガントな宇宙」は日本語版で読んでいて、この本は一般向けでそんなに難しくないので、僕でもすっと入っていけました。ミクロとマクロで物理学でも統一理論が出来ていないように、量子力学で構築された概念と意識や時間の問題について考察されていて滅茶苦茶面白いです。何がいいかというと、やはりボーア、ハイゼンベルグに始まり、ちょっと異色で量子力学と東洋の精神世界をシンクロさせたカプラのように、量子力学で明らかになった不確定性原理などがこの時代に求められる知性として必須であると思うのです。この我々が知覚している、見えている現実/リアリティは、人間の脳が知覚して再現されたものであり、本当の現実は人間の知覚を超えたものであることから始まり、意識や時間の問題を包含的に、一般人向けにわかるように書いてあります。繰り返し読んでいるとBrian Greeneの言ってる事が段々腹に落ちる感じ。

Brian Greene出演の米国人気番組「THE JOE ROGAN EXPERIENCE」は、この本の出版後なのでエッセンスが入っていて面白い。JOE ROGANも凄い人でこの番組が人気があるのも頷ける。ネタばれするので、詳しく書けないですが、実は本に書いているよりずっとアグレッシブなことを簡潔にコメントしていて、本より面白いのでおススメ。「それが本音だろ!もっとはっきり勇気をもって言い切ればいいのに」


④The Future of Humanity: Terraforming Mars, Interstellar Travel, Immortality, and Our Destiny Beyond Earth

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これも有名なミチオ・カク(賀来 道雄、Michio Kaku、1947年1月24日 - )は日系アメリカ人(3世)の理論物理学者、作家。専門は素粒子論、とくに超弦理論。本書は日本語版が出ていますから、Amazonなどの書評などをご覧いただければ。後半が特にお勧め。彼のyoutubeも極めてユーモラスで楽しいのでよく見ます。

⑤触発するゴフマン―やりとりの秩序の社会学 (日本語) 単行本(ソフトカバー)

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これは社会学系だけど面白かった。朝日新聞の書評だったかで推薦されていたので図書館で借りました。隠れた名著って感じ。アーヴィング・ゴッフマン(Erving Goffman、1922年6月11日 - 1982年11月19日)は、アメリカ合衆国の社会学者。日常生活における人々の社会的相互作用の仕方を解明する方法論として、ドラマツルギーを初めて社会学の立場で提唱したとされる。「個人は人物全体で参加することなく、特定の能力や地位、手短に言えば、特定の自己として参加する」ことを、人の「Line出方」「Face体面」「Place立場」などの社会的な状況の設定も踏まえて論じています。後半で社会や会社などの成り立ちを社会学的構成で納得感のある理論で展開していますが、欧米と日本では違うのではないか、といういささか批判的な目で読むのをお勧めします。ゴッフマンとしては欧米流にSocila Situation社会的状況は個人のコミットや参加、受け入れを支えているFrameworkは「目標」と「リーダーシップ」であるという。つくづく、日本人は欧米流の社会学や経営学に毒されていてどうしても「目標」「リーダーシップ」を妄信して借物としてしか扱えない。僕は、その「目標」と「リーダーシップ」はあくまで欧米の話であって、日本では「共感」と「助け合い」がFrameworkであると思いました

⑥Essential細胞生物学(原書第4版) (日本語) 大型本


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生命科学の必須教科書。コロナもあるし、細胞とか免疫とかどうなっているんだろうということと、最近投資させて頂いた会社Thinkcyte社が細胞生物学系だということもあり、年初からコツコツ基礎知識獲得のため読んでいたものです。アメリカの大学で定番の教科書らしいく、特に前半部分が滅茶苦茶わかりやすかった。後半は詳しすぎてパラパラと拾い読みになりましたが笑、中高校生以上の子供がいる家には一冊百科事典的にあっても良いのでは。量子力学、量子化学、普通の化学など、細胞生物学の基礎を支えている概論に始まり、タンパクからDNAなど遺伝子工学系、コロナもありましたが免疫学や癌なども含めて横断的にかつそれなりに詳しく図解しています。僕は高校時代理系クラスだったのですが、悪しき慣習で物理と化学は必修でしたが、生物と地学は履修していない上に、近年物理も化学も相当進んでいるので要は「高校生物を履修していない人」で自分でじっくり勉強したい人にはお勧め。シュレーディンガーや先に読んでいたBrian Greeneも細胞Cellレベルの話を量子力学の観点から展開しているので概略理解しているつもりでしたが、まだ全然わかっていなかったです。この細胞生物学を正面から勉強して初めてわかったことも多かったです。何か、純粋に、人間とか細胞って、本当に不思議だなと。この教養って、大事だなと素直に感動しました。日本でも高校時代か大学一年の教養部で、これぐらいきちんと教えた方がいいのでは。



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