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【目印を見つけるノート】109. GIMMIE SHELTERあるいはひとりの声

前半は無観客配信ライブの感想、後半は今を見て思うことです。

セットリストを作ろうとして、何度か書き損じてしまいました。手書きも遠くなりにけりです。

あ、間違いがあったらごめんなさい。

三峡ダム、雨をやり過ごしてくれますように。
コンクリートにも寿命があります。


⚫配信ライブの感想

7月18日、私の好きなバンド、THE GROOVERSの、初めての無観客配信ライブがありました。視聴しました。寝落ちするまで再生して、イヤホンもせずに再生して、ぬか漬けのキュウリのようにどっぷりと拝見しました。

この日はアナログ盤『RAMBLE』の発売日でもありました(CDは既発)。本当なら4月18日の『RECORD STORE DAY』(8月19日に延期)に合わせての発売予定でしたが、昨今の情勢に鑑みこの日になりました。

自分の手書きのセットリストで見てみると、21世紀前後の(!)アルバムから多めに選曲されていて、もちろんこの日アナログ盤発売の『RAMBLE』からもきっちり演奏されていました。

ストレートでリフのスリリングなロックチューンあり、ジャジーな曲あり、ファンキーグルーヴあり、メロウな曲ありでバラエティに富んでいます。ライブ中盤の5・6・7・9など最近のライブでは頻出問題ではないかもしれません。間違えたら怖いのでおそるおそるです。

私は『情炎』と『自由と闇』が刺さりました。

生のライブでセットリストを書き取ったことがほぼないのです。記憶を1991年ぐらいに遡らないと。片手にドリンクでゆらゆら踊っていますので、どうやればいいのかさっぱり。現場にいないとテンションもやや落ち着きますので、書き取りもできますね。

配信で視聴することに集中して改めて、このバンドの、ひとつところに留まらないレンジの広さを感じました。

ドラムスのヤスチカさんをあんなに近くに見ることは現場では絶対にないですのでよかったです。ベースのBOBさん、アナログ盤を掲げてカメラに向けて。あれもなかなか見られないシーンでした。ギターと歌の一彦さん、ギターの音がとてもクリアに聴こえました。

3人がフラットに見えて、どれだけピシッと合っているかもよく分かりました。現場では冷静に意識していない部分で、当たり前だと思っていたけれど。そして、3人がトリニティ(三角形)で向かい合う姿を何度も見られたのが、単純に嬉しかった。

観客は部屋で手拍子して、「イエーッ」とか、「DO YOU LOVE ME」とレスポンスやっていました。小さい声ですけれど……いや、そうでもないです。

残念なのは、
本番のとき、たまに画像が途切れてしまったこと。再生のとき、たまにクルクルしてしまうことは気になりました。特にストリーミング締め切り1時間前からクルクルは割と出ました。アクセスが集中するからでしょうか。

今はまた感染者が増えているので、個人的にはしばらく配信しか選択肢はないと思っています。

THE GROOVERSさんはギリギリまでガイドラインを遵守した観客入れライブができないかと模索してくれました。

すごく、くやしいね。

だけど、本当にありがとう。
ありがとう。

いちばん大切なのは、生命です。

私もできる限りかからないようにしたいし、もちろんアーティストの方にも、ライブハウスの方々、お客さんすべて、いや、みんなかかってほしくないです。

私はアーティストのSNSを前より頻繁に見るようになりました。それで更新が開いていると途端に心配になって。今東京にいるリスクはありますよね。どこから回ってくるかわからないのです。

他の情報によらず、生存本能で警戒しています。
他の情報に頼っていたら、感覚はどんどん鈍くなるようにすら思えます。

ですので、配信で視聴できることは十分嬉しい。

他のこともそうですが、オンラインはいま命綱であり、希望です。大げさに思われるでしょうか。
でもそのようにとらえているから、毎日ものを書けるし普通に暮らしていけると思っています。

もちろん、
ライブはナマで見たいです。いつか絶対に。
絶対に。


⚫GIMMIE SHELTER

ここからは広げます。

今日まで、いくつのライブやイベントが延期になり、中止になったことでしょう。いくつのお店が閉店や廃業を余儀なくされたでしょう。
「中止」
「延期」
「閉店」
「廃業」
「倒産」
文字で書けば、それだけです。
そこにどんな人がいて、どんな困窮に見舞われているか、数が多いからか、表に出ることは少ないです。でも、想像することはできます。それぐらいの想像力は持っていたいです。

私はnoteを書き始めてからしばらく、ライブハウスのこと、お店(飲食店)のことをくどくどと書いてきました。それは単なる感情論が真意ではありません。
4月の第1週、あの時点で経済的困窮への対策を打つことはできたはずです。

この状態が1年は続くだろうというのはすでにずっと言われています。

そして、今日に至りますが、今は私がnoteを始めた4月初旬より、状況は望ましくないほうに進んでいるように思います。
緊急事態宣言が必要なのは今ではないかと思うほどです。

多くの方が犠牲になったイタリアでも、収束してしばらく県境越えての移動は禁止されていたと記憶しています。

一方この国では、旅行を推奨しています。不特定多数の人を縦横無尽に動かすことは感染症を広げることと同義なのに。しかも、東京のせいだ、国のせいだと責任転嫁を公衆の面前に出している。とても恥ずかしいことだと思います。

私は小学生のときに小松左京さんの『復活の日』を読みましたが、ウィルスがどのように世界中に伝播したのか、子どもでもよく理解できました。
「大人」には分からないのでしょうか。

国民全員にPCR、抗原検査をしているなどの前提がないのなら、してはいけないことだと思います。

その責任は国が取るということですが、それが原因で人の生命健康が脅かされたときの責任も取れるというのでしょうか。

いちばん大切なのは何でしょうか。
予算執行でしょうか。

このようなことは一市民として随所、あらゆるところで感じます。
とても、とてもおそろしいです。

感染症それ自体よりもおそろしいです。

カミュが『ペスト』で、
小松さんが『復活の日』で書いたことを
もう一度よく読んでいただきたいと思うのです。

このnoteではベース、希望について書いていたいなと願っています。

それでも、このようなことを書かなければいけないと思わせる
「本質」について、
どうかお察しくださいますよう、お願いします。

今日は他のコーナーはお休みします。
今日のテーマに合わせてYoutube。
THE ROLLING STONES『GIMMIE SHELTER』です。

ぴったり。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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