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【目印を見つけるノート】151. ラウンド・ミッドナイトに見るファンの愛

9月になりました。
早朝雨もよいで、虫の声を聞いて秋の気配が漂っているのを感じます。9号、10号と続く台風がひどくならないように祈るばかりです。

「かわちゃん」さまのnote
【先週のユーザーランキング】2020年8月24日から8月30日

こちらで音楽タグの8位をいただきました。
集計をいつもありがとうございます。
嬉しくって仕方ないので、
調子に乗って今日も音楽でいきましょうか。


⚫昼だけれど、夜の曲です

『ラウンド・ミッドナイト』(1986)という映画があります。私はビデオで何回か見ました。↓予告編です。

ニューヨークからパリにやってきた年配のサックスプレイヤーとファンのお話です。

♪♪

ジャズクラブ『ブルーノート』のライブに行きたいけれどお金のない熱心なファン、フランシスはひとり、雨の中で外から演奏を聴いています。そして、家に帰って子どもに言うのです。
「神のようにすばらしかった」

それから、サックス吹きのデイルとフランシスは知り合いになり、交流が始まります。

でも、サックス吹きはすでにお酒に溺れていました。メンバーに止められてもお酒を飲んで消えてしまい、入院することになります。心配したフランシスは自分の家にデイルを引き取って、お酒を止める手助けをします。
それができる家に引っ越すために、離婚した妻に借金までして。

その大きな好意にデイルは感謝して、立ち直る努力をしようと決めます。そして、デイルは健康を取り戻してパリのミュージシャンとセッションをしたり、レコーディングまでできるほどになりました。

そしてデイルはニューヨークに戻ることになります……。

♪♪

この映画では有名なサックス・プレイヤーであるデクスター・ゴードンがデイル役をしているほか、ハービー・ハンコックも!そうそうたるミュージシャンが出ています。

そして、これは実話をもとにしています。これまたすごく有名なジャズ・ピアニスト、バド・パウエルとフランシス・ポウドラというふたりがモデルです。バドはニューヨークに戻って、じきに亡くなりました。

ピアノをサックスに置き換えたのですね。


⚫その人の人生を愛すること

この映画を初めて見たとき私は、「いくら熱烈なファンだといっても、どうしてそこまでしてあげるんだろう」と思いました。自分の家に住まわせて、いろいろ奔走してデイルが立ち直るのをとことん応援するなんて。お金持ちでもないのに。

でもだんだん、何となく、分かるようになりました。

デイルにとって、音楽はとても大切な、人生そのものだといってもいい。フランシスはそれに共鳴したのでしょう。「自分の人生が変わった」というほどデイルの音楽を愛するのです。
それはつまり、デイルの人生もまるごと肯定して愛することと同じでした。実際のフランシスもそうだったのではないかと思います。

自分がずっと前、ライブに頻繁に行っていたころ、知人とこんな会話をしたことがありました。とあるバンド(一度も見に行ったことがない)の話になり、
「あのバンド、一度は見てみたいよね」と私は言いました。すると知人は、
「あの人たち、この前ライブハウスで見たけれど、酒に酔ってグデングデンでひどかったよ。ああいう人が好きなの?」と目を丸くしました。

????へっ????

私は音楽を聴いていいなと思っていました。バンドの人が酒飲みだとか素行が悪いとか、そのようなことはまったく判断理由ではなかったのです。
それを言ったら、シド・ヴィシャスを殴ったポール・ウェラー(伝説?)や、ホテルの窓からテレビを放り投げたレッド・ツェッペリンとかドラッグで亡くなったミュージシャンたち、全部キライにならなければいけないよね、と思いました。

それはまっさきに思ったことです。

フランシスの「愛」はもっと深いのです。デイルの才能の凄さにとことん惚れ込んでいるから、それをアルコールで潰してほしくなかった。「有名人を知ってる」というような自己顕示欲からではない。ジャズを、デイルという人をまるごと敬愛していたからできたのでしょう。
映画も実際も、フランシスはデザイナーでクリエイティブな仕事をしていました。何かを生み出すことの素晴らしさを他の人よりいくらか多く理解できたのかもしれません。

混じりっけのない、まっすぐな愛だなって思いました。だから、デイルもバドも音楽に再び向かうことができたのだと思います。
それはフランシスにとってもこの上ない幸せだった。

そんな風に愛したいな😊


さて、ここでデクスター・ゴードンを紹介するのが筋かと思いますが、意表をついて、アート・ペッパーの『'Round Midnight』を。

サックスプレイヤーのこの方も、アルコール(麻薬も)ではたいへん苦しみました。キャリアの少なくない時間をそれで無駄にしました。彼が立ち直ることができたのは、演奏したいと切望する心、そこに待っている観客がいるという喜びがあったからだと思います。

彼を紹介するならば、『Meets The Rythm Section』などから採るのが一般的だと思いますが、今日はテーマに沿ってこの曲にしました。

デクスター・ゴードンはまたの機会に😉


⚫お籠りクラフトとばら

ピンク系のチャームと淡水パールのイヤリングです。ライトに甘い感じですね。キラリ❇️

さて、天然石の変化についてひとこと。
ターコイズに黒いものが増えました。そろそろ取り替えどきかなと思います。様子を見るとターコイズはやっぱり、守ってくれる石であるように思います。

一方、サファイアも退色しているのですが、透明度が増しています。よかった😊

そして、ルビーとインカローズ。

インカローズ(左)は艶が落ちましたが、透明度が増しています。ルビー(右)は逆に艶が増しています。
強いな、ルビー。

ばらはどこを剪定したらいいかな。

まだしていません。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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