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ポジティブシンキング脳とは。『脳科学からみた「祈り」』 中野信子 著

本書『脳科学からみた「祈り」』 は、医学博士/脳科学者である中野信子さんによる書籍です。題名では祈りと銘打っているが、前向きなポジティブシンキング・自己肯定感・幸福感などを、脳科学者としての立場から科学的に解説します。


20年ほど前にfMRIと呼ばれる測定機が登場し、脳の働きをリアルタイムかつ高精度に計測できるようになり、脳科学はここ20年で爆発的に進歩しました。心の働きを、脳科学で説明できるようになってきました。

人間の脳は、原始時代の生活に最適化した構造をしている為、現代社会では不整合を起こす場面も多い。脳の仕組みを知ることで、そのアンマッチを自覚し、上手く環境調整することができます。

本書は、脳科学を紐解いて、一般人に分かり易く説明してくれます。題名では「祈り」と銘打っているが、前向きのポジティブ脳になる方法などを解説します。面白い本なので、一読をおすすめします。


<本書のメモ>
・人間の脳は、誰かの役に立つと感じる利他行動をすることで、喜びを感じる。この社会脳の発達こそが、人間の助け合い文化を醸成し、人間文明の発展に大きく寄与した。

・人間の共感力の、脳における土台となるのは、「ミラーニューロン」という神経細胞です。この脳システムがあるからこそ、利他の働きかけをした相手がよい方向に変わったとき、我がことのように喜びと感じられるます。もしも、その相手から感謝されると、喜びは更に大きなものとなります。

・ストレス物質であるコルチゾールが脳内で過剰分泌されると、脳で短期記憶を司る「海馬」が委縮し、深刻な問題を引き起こす。自分が受けるストレスだけでなく、ライバルを蹴落として叩きのめしたいと願うことでも、このコルチゾールが分泌されるので、要注意。

・ポジティブな目標を持つこと(祈る事)で、脳の記憶部位「海馬」が担う展望的記憶の能力も強化され、その人が希望をもって人生を歩む手助けになる。



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