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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2021年8月の記事一覧

ラスボス

普段であれば、放課後の教室で無駄話をしたり、ファーストフードやゲーセン巡りをすることもあったが、今日ばかりは違った。
学校が終わると三人は、一目散に帰路へと着いた。
もちろん帰る先はそれぞれの家にではない。勇樹の家へだ。

「お邪魔しますー!」
「失礼します。」
「いいよいいよ、そんなかしこまらなくて。今は誰も家にいないんだし。」
勇樹も柄にもなくテンションが上がっていた。
「よし、じゃあまずは何

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クジラ

 インターホンを押す。緊張の一瞬だ。
「はーい。」
「あ、すみません、勇樹くんの友人の九十九と言います。」
「お、来てくれたか。」
「あ、まっつんか。」
「そうそう。空いてるから入ってくれ。」
 英一は勇樹を出して、ドアを開けた。
「お邪魔します。」
「おお、こっちこっち。」
 リビングに顔を出すと、そこには陽介の顔があった。
「あ、九十九っち。ういっす。」
「う、ういっす。」
「よし、九十九っち

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 いつもの喫茶店。いつもの席。いつものコーヒー。いつもの風景である。

 朱里との結婚を決めてから、雨相はそれまでのように勝手気ままに旅に出たり、原稿を上げなくなったりすることはなくなっていた。
 高森としては翻弄されなくなったことを喜びつつも、どこか寂しさも感じており、子供が生まれて以降、すっかり飲みに行けなくなってしまった学生時代からの友人のことが頭をよぎった。
 このまま先生はどんどん丸くな

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リトマス試験紙

「先生、一つ質問。」
「なんですか、今日はどんな問題を持ってきたんですか?」
 樽井は半ば義務的に聞いた。
「その言い方はひどいと思います。」
「いやでも……」
「今日は理科の質問なんですよ?」
「え?」
 ほのかからのまさかの言葉に、樽井は思わず大きな声を出してしまった。
「そんな驚きます?」
「いやそりゃあまあ。ちゃんと理科の質問を持ってくるなんて、初めてじゃないですか?」
「そんなことないで

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チリ

「今日はお招きいただきありがとうございます。これつまらないものですが。」
 そういって手に持っていたデパ地下のスイーツが入った袋を手渡した。
「わざわざありがとうございます。僕なんていつも高森さんにはお世話になってるのに。」
「そんなそんな。雨相先生あってのものですよ。」
 普段とは違うこの雰囲気。それもそのはずだ。
 高森は、今まで、雨相の家まで原稿を貰いに押し掛けたことは何度かあったが、こんな

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