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お気に入りの記事まとめ

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好きだな、とか、また読みたいな、と思った記事たちをブックマーク代わりにまとめています。どの記事もとっても素敵なので、良かったら見てください。
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2021年6月の記事一覧

自己紹介

普段はIT企業でクリエイター支援をしながら、仕事がおわって子どもたちを寝かしつけたあと、ひっそり静かに絵を描いています。描いた絵は、noteの「みんなのフォトギャラリー」に無料提供しています。鹿児島出身、福岡市在住。 noteをはじめたのは「みんなのフォトギャラリー」がおもしろいなと思ったからです。自分のペースでだれかの役に立てるところがすきです。描いた絵のほとんどは「みんフォト」に公開していますので、記事の見出しとして使っていただけるとうれしいです。 なるべく使ってもら

月も、星も

 その子どもは石を愛した。手始めは路傍の石である。歩き始めるとすぐに、道端の石に興味を示し、それを拾うようになった。まだよちよち歩きである。石を拾い上げようとしてバランスを崩し、前のめりに倒れてしまうようなこともしばしばだった。  少し大きくなっても、その傾向に変わりはなかった。もちろんどんな石でも構わないというわけではない。その子なりの好みがあるようで、ある石は凡庸であり、またある石は特別な石として扱うのだった。そして、一番不思議な形をしたお気に入りのそれを、日がな一日、そ

鬼気迫る金魚すくいが聞こえるかい

金魚すくいをやったことがある。 お客さんとしてではなく、屋台のおっちゃん側だ。 ある時、小学生の3人組がやってきた。 話を聞くと、小学1年生、3年生、4年生の3兄弟だという。 この3兄弟は金魚すくいをやるでもなく、15分間、ずっと金魚の目の前に居座り、何やらお互いの耳元でこそこそ話をしていた。 たまにずるをして金魚を盗もうとする子どもがいたので、今回もそういう輩かもしれないと警戒していると、 何やら神妙な面持ちで、3人がお互い目配せをし、しばらくして「よし」と頷い

改めて自己紹介

改めて自己紹介を書いてみたいと思います。 アラフィフ主婦ニーモです。宜しくお願いします。 なぜこの名前にしたか疑問ですよね? ニーモとはラテン語で『無名』を表す言葉です。 本を読んでいてこの名前が目に入ってきました。 本当はもっと親やすい名前の方がいいのでは・・・と思ったのですが 無名という響きに惹かれました。 名もなき無名の人間が書くブログ・・・うんこれで行こう! 匿名性も込めてこの名をつけました。 家族構成  4人家族+ねこ🐈‍⬛と住んでます。 猫ちゃんがいる

ちょっとした思い出ばなし・・・

珈琲のおともに・・・ ちょっと昔話にお付き合いください。 幼い頃・・・と言っても小学生の頃のお話し 小学生の頃、私には二つ欲しい物があった。 一つは自転車もう一つは・・・ 憧れの自転車 当時流行っていたマリちゃん自転車がどうしても欲しかった。 マリちゃん自転車とは 当時人気アイドルだった天地真理さんの写真がついてた白とピンクの自転車 母に一生懸命頼んだ。 誕生日にクリスマス・・・ しかし叶うことはなかった。 ここだけ聞くとひどい母親に聞こえるが これには理由が

君が幸せになっても誰も困らないからさっさと幸せになってください

ありふれた毎日の中で、幸せだと感じる瞬間は、どれくらいあるだろうか。 1日の半分以上を幸せだと感じる人もいれば、まったく幸せを感じない人もいる。でも、誰もが幸せを願いながら毎日を生きていて、幸せを手に入れるために、ああでもない、こうでもないとか言いながら毎日を過ごしている。 そして、世の中には、幸せの定義がわからない人と幸せの定義を理解している人もいて、そのちがいは一体どこにあるのだろうか。 ちなみに僕は幸せの定義はわからないけれど、毎日幸せに生きているほうだと思う。朝

「普通」という言葉を持ち出したら、こじれる

言葉の行き違い、ということについて今日は書いてみます。 息子とは、ちょっとした言葉の行き違いで、こじれることがよくあります。 最近あった話。 コンビニで買ったチョコアイスを食べて「このアイス、苦い!」と食べるのをやめる息子。 私も一口かじると、普通にチョコ味。 「これのどこが苦いんだか」と私が言った途端、うつむいて不機嫌になり、彼は離れていきました。 また、ある時、図鑑にのっている古生物を見せて 「どう?これかわいいでしょ!」 (え〜、どうみてもグロいし、かわいいなん

「蝶々結びってね、二回するとほどけないのよ」

知人とお出かけをした時のこと。ついさっきまで晴れていたのに、空が急に暗くなって雨が降ってきた。雨粒はどんどん大きくなって、蒸し暑かった気温が一気に下がって、ああこれが梅雨ってやつなんだって心の中で思いながら小走りでバス停に走った。帰路のバスが来るまでにはだいぶ時間があったから、少し古びたバス停のベンチで、座ってその時を待つことにした。 空ってとっても自由だな。さっきまではご機嫌だったのに、いきなり機嫌を変えて、勢いよく大泣きしたりなんかして。人間の予想を簡単に裏切って、笑っ

最小の国から来た男

ズルいヤツというのに、出会った事はあるだろうか。 ここでいうズルいは悪い意味では無く、その言葉にはどこかちょっと皮肉も混じるけど、相手が自分にとって嬉しい行動をとらなくても許せてしまう性格を持った人の事だ。 それはもはや1つの特技だと思っていて、共通しているのは笑顔である気がする。 満面の笑みもあるし、笑っているのかわからない様な淡い笑顔もある。 けれどその人がその人の笑い方を使うと、大概の事は許されてしまう。 そしていつもピリピリしかけた側がバカバカしくなる事が最大の

復職して3ヶ月後に心が折れたワーママの話

こんにちは!さくら(@SAKURAs_letter)です。 とてもお久しぶりの更新となりました。みなさま、いかがお過ごしでしょうか? 私は2021年2月末に第2子育休から復職をして、現在は時短勤務で働いています。仕事に復職してからちょうど3ヶ月が経過しました。順調に仕事にも慣れ、基本的にはリモートワークで出社頻度も少なく、順風満帆という出だしではありましたが、復職3カ月を経過したある日突然ぽっきりと心が折れてしまいました。 世の中には復職に際してどんな準備をするといいのか

妊娠中の不安を消してくれた、フルーツサンドの話。

2016年。5年前の春の日、私はまだ長男を妊娠していました。 会社をやめて、フリーランスになったのもほぼ同じタイミング。 夫と住んでいた東京都目黒区の小さなマンションを離れ、今住んでいる場所に引っ越したのも、ちょうどその頃でした。 「これから先、子どもを産んで大丈夫なのかな」 「私の仕事はどうなっちゃうのかな」 「新しい場所は好きになれるかな・・・」 ばくぜんとした不安があって、でもお腹のなかにいる子を守りながら前に進まなくちゃいけなくて。毎日が曇り空のように、悶々と

小説を書ける人と書けない人の差はどこにあるのか

小説を書くひとの脳内はどうなっているんだろう? 以前から、そんな疑問がぼんやりとあった。noteに来るまでは、小説を書くひとは小説家という職業のひとで、書店に並んでいるような物語を書くひとだと思っていた。つまり、わたしの住む世界とはまったく違う世界に住んでいるひと。 その勝手な思い込みは、noteに来てガラガラとくずれ落ちた。 小説を書くのは、わたしと別世界に住んでいる小説家だけじゃない。これは清々しいほどの驚きだった。 noteのコメント欄でやりとりしているひとが、

【短編】拾ったノート

校門に向かう道、僕の耳に、他の生徒の喧噪が響いていた。 「明日から夏休みだし、どっか、行かねえ?」 「めっちゃ熱いよねえ!? てか、あたしんち、クーラー壊れてんだけど? やばくない?」 「そういや、別の高校の女子が失踪した事件ってどうなったんだ?」 喧噪はやがて止み、川沿いを一人で歩く僕は、茂みに赤いノートが落ちているのに気づいた。 (なんだろう?)なにげない気持ちで持ち上げて、最初のページを開くと、 『夏になる前のことでした。いや、春だったかも、いや、冬かもしれ

ピンクのドレスが、私に教えてくれたこと

その昔、私はまぎれもなく、クラスで一番ダサい女の子だった。 物心ついた頃から、服を買いに行くのが苦手だった。 うちの母は、1000円で買ったクマのワッペンがついた毛玉だらけのトレーナーを何年も着潰しているような人で、その母と一緒に買い物に行っても、可愛い!似合う!なんて会話は皆無。ふたりして黙々と、端から値札をひっくり返しては見ているばかりだった。 「高い」と顔をしかめられるのがいやで、本当に欲しい服は選べず、もっぱら、パーティハウス(地方のしまむら的なお店)の山のように