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ゴールデンカムイ関連

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ゴールデンカムイの感想、北海道史やアイヌ文化のこと、聖地巡礼。重要なネタバレにはネタバレタグをつけています。
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ゴールデンカムイ現地学習 〈硫黄山〉

ゴールデンカムイ現地学習 〈硫黄山〉

2024年5月に行きました。

硫黄山は、道東の弟子屈(てしかが)町 川湯温泉にある山。
アイヌ語ではアトゥサヌプリ(裸の山)。
近くには、アイヌ語由来の「跡佐登(あとさのぼり)」という地名もある。

硫黄が産出されるので、明治の頃は硫黄の一大採掘地だった。
ゴールデンカムイでは12巻119話「コタンコㇿカムイ」に出てくる。
都丹庵士が視力を失う原因となった場所だ。

白石曰く

との事。
史実と

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ゴールデンカムイ現地学習〈函館・3〉

ゴールデンカムイ現地学習〈函館・3〉

前回まで↓



北方民族資料館

アイヌ民族をはじめとして、ウィルタ民族やアリュート民族など北方の民族の民具や服などを収蔵してる資料館。
博物館というよりは本当に資料館という感じで、博物館に必ずあるような歴史年表は無くて、文化的な資料を丁寧に展示している感じ。
すごく見応えあった。解説全部読んで映像資料も全プログラム見て3時間弱ぐらいだった。

今回初めて知ったこと。

1.
荷物をタㇻ(背負

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ゴールデンカムイ聖地巡礼〈函館・2〉

ゴールデンカムイ聖地巡礼〈函館・2〉

アニメ未放送部分のネタバレありです。
原作読み終わってない方は閉じてください!








五稜郭はこちら↓

旧ロシア領事館

この建物の中に鶴見ともすパパがいる…この建物の中にウイルクたちがいる…金塊がある…電話鳴ってる…と思うと本当にいるような感覚になって臨場感がすごい。今まさに、ここに…!ってなる。
坂道が本当にきついんだけど、ウイルクたちもこの坂道を登ったり下ったりして

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ゴールデンカムイ聖地巡礼〈函館・1〉

ゴールデンカムイ聖地巡礼〈函館・1〉

アニメ未放送部分のネタバレありです。
原作読み終わってない方は閉じてください!








2024年3月下旬

去年の金カム展の時に行きたかったけど行けなくて、今年ようやく行けた。
札幌から電車で片道約3.5時間。往復7時間。
けっこうガチ旅です。

五稜郭

タワーから俯瞰で見るのとタワー内の解説読むのとで1時間、実地の探索に2時間。たっぷり見れた。
箱館戦争や蝦夷共和国の事

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ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・2〉

ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・2〉

続き。

北方民族植物標本園

標本園、すごく面白かった。
アイヌ、ウィルタ、ニブフのそれぞれの民族が生活の中で使ってきた植物を、全部で約200種類展示している。

ただ、行ったのが11月だから残念なことにほぼ枯草だったので、春になったらまた来ようと思う。



用途の項目を見ると、「食べる」とか「道具を作る」以外にも、薬にしたり魔除けにしたり墓標にしたり、福寿草みたいに猟や漁のタイミングのお知

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ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・1〉

ゴールデンカムイ現地学習 〈北海道大学植物園・1〉

2023.11.3

北大植物園は通勤途中にあって毎日外から見てるのに、入った事がなかった。
すごく充実した施設で、こんなに見どころ満載なら春夏秋冬それぞれ見に来たいなと思うほどだった。

北大植物園の中は植物園だけでなく、博物館や北方民族資料室など施設もある。
博物館は、ゴールデンカムイ江渡貝くんの家のモデル。
北方民族資料室にはアイヌ関連の展示があるということで、その2つを目的にして行った。

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【ゴールデンカムイ】 子どもに希望を託すことと、子どもの意思を尊重することを両方描いててすごい

【ゴールデンカムイ】 子どもに希望を託すことと、子どもの意思を尊重することを両方描いててすごい

読書感想文。
⚠️アニメ未放送部分ネタバレあり

どの立場からそれ言う?というのもあると思うので前置きすると、私は親になった事はないけど自分の子ども時代のことはけっこうしっかり覚えてる大人です。



アシㇼパが自分の文化を大切にしたい、残したいと自発的に思ったように、昔ウイルクとキロランケもそう思った。
その気持ちには一切の濁りは無い。
そして自分が良いと思ったことは他の人にも伝えたいし、自分

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ゴールデンカムイ ARスタンプラリー2022の写真

ゴールデンカムイ ARスタンプラリー2022の写真

「北海道はゴールデンカムイを応援しています。」キャンペーンの「ARスタンプラリー2022」でお迎えしたARで撮影したいろいろ。
2022夏〜2023春までの記録。

3/31で終了だったので特設サイトはクローズしてしまったけど、公式の告知記事が残ってたので詳細はこちらを。

結果
get!→ 杉元・アシㇼパ・土方・尾形・鶴見・ミニ杉元・ミニアシㇼパ
getならず→ 白石・月島・鯉登

ここから先は

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ゴールデンカムイ現地学習・5 〈ウポポイ(民族共生象徴空間)- 国立アイヌ民族博物館〉

ゴールデンカムイ現地学習・5 〈ウポポイ(民族共生象徴空間)- 国立アイヌ民族博物館〉

2023.3.20
ウポポイができたのはコロナが始まった年だった。ずっと行ってみたかったけどなかなかチャンスがなく、やっと行けた。
しかもアイヌ文化や歴史を知りたいと思ってるタイミングで行けて本当に良かった。

行くまできちんと把握できてなかったけど、ポロト湖沿いにたくさん施設があるその空間全体をウポポイといい、ウポポイの中に国立アイヌ民族博物館がある。

ウポポイの中は、見るもの・体験するもの・

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ゴールデンカムイ現地学習・4 〈北海道開拓の村〉

ゴールデンカムイ現地学習・4 〈北海道開拓の村〉

2023.3.19
北海道博物館から徒歩20分。
博物館に時間をかけまくったので、村は駆け足で金カム聖地だけ回ってきた。
ここは幼稚園のころ遠足で来たり、小学生のころ写生会で来たりして何かと親しみのある場所。
それが今さら自分にとって聖地になるとは。

ここは開拓時代の建物を移築復元・再現した野外博物館。建物に入ったり触ったりして体感する事ができる。
建築の事はあまり分からないので凄いなぁ美しいな

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ゴールデンカムイ現地学習・3 〈北海道博物館〉

ゴールデンカムイ現地学習・3 〈北海道博物館〉

2023.3.19
札幌市厚別区にある大きな博物館。
館内撮影可。
隣接する開拓の村と共通の入場券で1200円。
この博物館は、私が子どもの頃は開拓記念館という名前だった。
2015年に、道立アイヌ民族文化研究センターと一緒になって北海道博物館として生まれ変わったそうだ。開拓という、和人から見た一方的な名称から変わったことで、確実に時代はアップデートしてるんだと思えた。

北海道は日本の北のはずれ

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ゴールデンカムイ現地学習・2 〈旭川市博物館〉

ゴールデンカムイ現地学習・2 〈旭川市博物館〉

2023.3.18
旭川駅から徒歩15分くらい。
アイヌの展示が半分くらいと、旭川周辺(上川地方)の歴史・自然の展示が半分くらい。
館内撮影可。
入館料350円でいいんですか?と思うぐらい、かなり内容が濃い博物館。

前半はアイヌに関する展示。
入ってすぐ目に飛び込むのが、「イワㇰテ」。

イワㇰテは、イオマンテに代表される"霊送り"のひとつで、お世話になった「物」を送る儀式。鳥や小動物を送る場合

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ゴールデンカムイ現地学習・1 〈北鎮記念館〉

ゴールデンカムイ現地学習・1 〈北鎮記念館〉

2023.3.18
特急カムイで旭川へ。カムイ!
北海道の"特急"は本州でいう新幹線のような感じ。遠くの町に行く時に乗る、ちょっと特別な汽車。
札幌から旭川までは約130kmなので、関東でいうと東京〜静岡ぐらい。

旭川駅に着いてからバスで20分。
屯田兵〜旧陸軍〜自衛隊までの歴史を展示している、第七師団の資料館。
館内撮影可。
なんと入場無料。いいの?

展示の序盤に松浦武四郎の解説があったのが

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ゴールデンカムイ現地学習・はじめに

ゴールデンカムイ現地学習・はじめに

去年の5月にゴールデンカムイを読んでから、郷土史とアイヌ文化を知りたい欲が止まらなくて色んな博物館や史跡に行っている。
聖地巡礼というよりは現地学習と言った方が的確な感じがする。
知り始めると北東アジアの少数民族の事も詳しく知りたくなったりして、知りたい事が際限なく増えていってこの一年脳が今までに無いくらい活動してる。
なお筆者は道民です。

「北海道の歴史は浅い。明治になってから屯田兵が何もない

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