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「六本木ディズニー展」で気に入った歴代作品ポスター 四選


※写真は全て撮影可能箇所のものです。差し障りがあるようでしたらご指摘下さい。削除いたします。


◯ディズニー展の見所


 六本木ヒルズ・森アーツセンターギャラリー&スカイギャラリーで開催中の展示会「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス(後期展)」へ行った。


入口でウォルトがお出迎え。


 「Circle of Life」「A Whole New World 」「Try Everything」等々の楽曲に合わせ、様々な歴代作品のシーンを再編集したPV的映像上映がウリの本イベント。多くの人々がスマホの録画機能をオンにしつつ、名曲と名場面の虜となっていた。


 俺自身も、アラジンの絨毯飛行シーンに直球で感動させられた。アラジンとジャスミンが別のディズニー世界(アトランティカ→ベルの住む街→ ノートルダム大聖堂→ヘラクレスの天界→トレジャー・プラネットの酒場と宇宙船発着場etc...)を旅しているかのような、心踊る編集がなされていたためである。比較的マイナーだが大好きな傑作「トレジャー・プラネット」を採り上げてくれていただけでも、俺は大賛辞を贈りたい。

横長の壁面と両脇の小さな二面、合計三面に映像が投影されていた。いわゆる「ScreenX」方式のプロジェクションマッピング。


 以前記した「トレジャー・プラネット」布教記事。ディズニー+加入者の方は是非。SF・アドベンチャー映画ファン、そして「交響詩篇エウレカセブン」ファンは必見。


 さて、他の楽曲・登場キャラクター等についても逐一語りたいところだが……。本稿で話題に挙げたいのは別のコーナー。ディズニー歴代長編アニメ作品の、原題版ポスター(複製品)展示ブースである。
 過去のディズニー作品の歴史をなぞるとともに、ポスターを「芸術作品」として鑑賞できる当スポット。こちらを眺めながら特に心に残ったポスター・計四点について、以下より語っていきたい。


一、色合いが素敵「白雪姫」


セピア風味が格調の高さを感じさせる。


 九十年近くも昔に公開された「白雪姫」のポスターは、今見ても心惹かれる要素が多い。
 まず白雪姫のポーズと表情がとても可愛らしい。髪型はどことなく、大正時代に銀座を歩いていた(らしい)モダンガールを思わせるような……?
 目を惹かれたセピア調は色褪せてしまったせいではなく、元々このようなデザインだったはず。実際の映画は非常にカラフル(特に七人の小人たち)なので、ギャップを狙ったのだろうか?
 ここまで語っておいて誠に恥ずかしい限りだが、実は「白雪姫」本編を全て観たことがない。幼稚園の遠足の際、バスの中で流し見した記憶はあるが……。いずれ改めて観なくては。


二、キャラ崩壊が炸裂!?「リロ&スティッチ」


スティッチにガンを飛ばしまくるベル。怖いよ。


 「ディズニーに新たな仲間が加わるよ!」的な雰囲気を感じさせる賑やかなポスター。新作宣伝のために過去作キャラクターが集合した、変わり種なデザインでもある。
 注目すべきは彼らのリアクション。怪訝そうな野獣、そんな野獣よりも恐ろしい表情をしたベル、警戒心剥き出しでジャスミンを遠ざけるアラジンは必見。見切れているアリエル等、絶妙な遊び心もある。
 愛らしい小動物なのに、やや敵意のある目線を向けられるのは何故……?理由はスティッチを知る方ならばおおよそ察せられるはずだ。
彼の正体は危険な人造エイリアン:試作品626号。ポスターに描かれたキャラクター達はスティッチの正体を知っていたのか、それともただならぬ気配を感じ取ったのか……?ともあれ、この一枚を見た時点で「可愛さの裏に何かがあるぞ」と予感させてくれる。良いデザインだ。


三、センスに溢れ、興味をそそる抽象感「塔の上のラプンツェル」


凛々しい目付きのラプンツェル&フリン。


 今回の展示で一番驚かされたのは「塔の上のラプンツェル」ポスター。なお、原題「Tangled」は「髪などがもつれた、絡んだ」の意。
 驚かされたのは異常なまでの情報量の少なさ。我々の多くは当たり前のように「ラプンツェルは金髪の長髪が特徴のキャラクター」だと知っているはず。しかし、このポスターだけでは「左側の人物の長過ぎる髪」との断定は難しい。
 本作に対する事前情報を一切持たなかった人々は、ポスターを見てどのように想像を巡らせたのだろう?金色の糸(のようなもの)は何?彼らの素顔と関係は?そもそもどのような物語なの?といったように、考察に花を咲かせたのだろうか。


 余談だが、情報量の少なさから「君たちはどう生きるか」のポスターを連想した。
 あの鳥は何?そもそも鳥なのか?目が四つあるが下の二つが本物か?人の瞳のようにも見えるが?このキャラクターは敵か味方か?もしや今作の主人公なのか?……等々、僅かな情報を基に様々な想像を膨らませたものだ。


四、素直に格好良い「ラーヤと龍の王国」


もっと多くの人に観て頂きたい傑作。
物語とアクション・冒険面の魅力もさることながら、東南アジア諸国を旅行した気分に浸れる。



 製作・公開時に流行り病の影響を受けてしまった悲運の名作「ラーヤと龍の王国」。最早語る必要が無いほどシンプルに格好良い。
 描かれているのは水に打たれる主人公:ラーヤ。傘で表情を隠して剣を携えた姿は、さながら「流離さすらいの剣士」といったところか。冒険と戦いを予感させてくれると同時に、彼女のミステリアスさが上手く表現されている。
 彼女は幼少期にとある罠に嵌められ、世界を揺るがす重大な事件の引き金を引いてしまった事がきっかけとなり、他人に心を開かなくなった。顔を隠しているのは、その意思の表れだろうか?
 また、本作は「水流」の映像美・演出が一つの見所。「頭の傘を伝う水」の繊細な描写が、さりげなく作品の魅力をアピールしている気もする。


◯あなたのお気に入りはどのポスター?



 魅力ある展示品は他にもあるが、キリが無いため今回は僅か四点に絞らせて頂いた。上に挙げた展示物が全てお気に召さなかった方であっても、きっと現地に行けば、他に気に入る作品を見つけられるだろう。
 さて、本イベントの会期は八月三十一日(火)まで。映像や記念写真撮影スポット等を楽しむのは勿論であるが、是非とも自分だけの「お気に入りのポスター」を探してみてはいかがだろうか。


※チケットは事前予約(日時指定)制となっております。どうかご注意を!

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