のざわあらし

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2021/6/23〜 感性が刺激された経験のエッセイ・趣味にまつわるテキスト等を、週1ペースでのんびり楽しく書いてます。アクション洋画、RPG等のコンテンツを中心に語ります。稀に写真や創作系の文章も。時折カクヨムでも活動しております。

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「迦陵頻伽の仔と墓標」

 黒羽を翻す禿鷲が、曇天を切り裂いて大地に舞い降りた。その光景に相対する時、高原を征く旅人たちは皆、限りある命へと想いを至らせる。  禿鷲が集う先には総じて、骨肉を曝け出した物言わぬ骸が転がっている。それは生存競争に敗れた獣か、旅の途中で力尽きた人間の末路に他ならない。  西域の南側、百余年昔に没落した吐蕃王朝の影響下にある高原地帯に入ってから、良嗣とオトは幾度も同様の有様に遭遇している。しかし今、二人の眼前に繰り広げられる光景は、普段と僅かに異なる様相を呈していた。  良嗣

    • 絵画を値切って買ってしまった後悔の話

       居間の壁に、絵画を一枚だけ飾っている。俺が購入した生涯初めての、そして現在に至るまで、所持している唯一の美術品だ。  黒色と金色の顔料を主とし、日本画の様式で描かれたその作品は、ラオスの夜を描いた風景画だ。何もかもが溶けてしまいそうな夜空の元で、椰子の木と上座部仏教の寺院が燦然と輝いている。どこか超現実的で陶然としてしまうような魅力を放つ作品を、俺は「美しい」という安直な一言だけで総括したくはない。  作品の創造主は、以前から懇意にしていた後輩だ。彼は美大を卒業したのち画

      • グルメ漫画に憧れて、豊洲市場「とんかつ八千代」を訪れた

         豊洲市場、管理施設棟3F。“憧れの店”はそこにあった。  その店の名は「とんかつ八千代」。数々の海鮮フライやチャーシューエッグ(ベーコンエッグのベーコンをチャーシューに替えたもの)が名物の、各種メディアでも紹介される機会の多い定食屋である。  10年以上から行きたくてたまらなかったこの店に、俺は先日ついに足を踏み入れた。  まず、俺が「とんかつ八千代」を知ったきっかけを話さねばなるまい。  それは以前弟から借りて愛読していたグルメ漫画『ネイチャージモン』5巻である。  

        • 過去の名曲に光あれ─ 「HERO」と「若者のすべて」

           7月4日。Mr.Childrenのシングル曲「HERO」(2002年リリース)が、『ONE PIECE』109巻のイメージソングに起用された。  動画の注意書きに反し、俺自身は『ONE PIECE』を60巻程までしか読めていない状態にも関わらず動画を閲覧してしまった。その立場で偉そうなことは言えないが、得体の知れない不気味な敵だと捉えていた某キャラクターの半生と「HERO」の歌詞──親から子に向けられた愛情──が、奇跡的なまでに完璧なシンクロを果たしていたように思われる。

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          エンドロール飛ばし厳禁!「セーヌ川の水面の下に」

           Netflixで配信されている映画「セーヌ川の水面の下に」(原題「Under Paris」 2024年)を鑑賞した。  キービジュアルで一目瞭然だが、本作はフランス・パリのセーヌ川にサメが来襲するというパニック映画──より具体的に言えば「サメ映画」である。  今日、「サメ映画」はエンタメの一ジャンルと化している。「ジョーズ」「オープン・ウォーター」「海底47m」といった海洋ホラー系に限らず、荒唐無稽な娯楽アクションに特化した「シャークネード」シリーズや「MEG」シリーズ、

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          note4年生から、note初心者のみなさまへ

           2021年6月23日、のざわあらし(旧ハンドルネーム:のざらし)はnoteのアカウントを作成し、電子の海へとテキスト入りのボトルを放流するようになりました。その習慣が始まってから先週ついに3周年を迎え、晴れて「noteユーザー4年生」に進級することができました。  150週に達しようとしていた毎週投稿記録をうっかり年初で途切れさせてしまったことは心残りですが、それでも投稿のモチベーションは消え失せることなく続いています。ひとえにいつも記事を読んで下さる皆様のおかげです。重ね

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          身体の延長線上にあるモノのままならなさ、キーボードの有り難さ #呑みながら書きました

          私事ですが、2021年6月23日にnoteをはい 初めました。つまり、2024年6月23日、明日でnote登録三周年、そしてnoteユーザー四年生になります。早い「。早すぎる。俺は三年分成長できているのか、三年分歳をとったと言えるのか、世間の成人男性、同世代の人たちsが 三年間で成し得ていることを俺は達成できているのか、そんな疑問にさいなまれる真一に 毎日です。が、これらの話題はさておき。 今回のテーマ(話題がブレブレにならないように俺が勝手に決めているもの お 飲み牡蠣 呑

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          まだ梅雨は来ない

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          ふたつの「好き」が重なった─ Mr.Children ×「きみの色」

          “Mr.Childrenの新曲、アニメ映画「きみの色」主題歌に決定”  何気なくSNSを眺めていた早朝。このニュースを知った俺の心はざわつき、ピントの合わない寝ぼけ眼は即座に覚醒した。  「Mr.Children」と「きみの色」──。一切交わらない、交わるはずがないと思っていたふたつの要素が、コラボレーションを果たそうとしている。 ◇  Mr.Children。略してミスチル。中学生時代に出会ってから今日に至るまでの約15年間、人生の半分にも及ぶ期間をファン活動(ありふ

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          PSPでガンダムと触れ合う

          ◯ 突然のブーム到来  俺の心に「機動戦士ガンダムAGE」ブームが訪れている。約半年前から予約していたシリーズ初の一万円越え高額フィギュア「METAL ROBOT魂 ガンダムAGE-FX」の到着がきっかけだ。  「ガンダムAGE」といえば、「ドラクエ8・9」「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」でお馴染みのゲーム会社:レベルファイブが製作に深く関わった作品だ。低年齢層を狙ったストーリー展開とキャラクターデザイン・ゲーム等のタイアップが話題を呼び、2011-2012年の放映当

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          栄光は青春のみにあらず─ 実在の「元祖ウォーターボーイズ」に憧れて

           映画、小説、演劇、ゲーム……。普段は様々なノンフィクションばかりに心を動かされている俺が、久々に魂を揺さぶられるような実話と巡り会った。  それは、男子高校生によるシンクロナイズドスイミング公演(現:アーティスティックスイミング。本稿では便宜上、男子シンクロと呼称)の創始メンバーの一人、北川吉隆氏の半生だ。 ◇  中学生時代、「ウォーターボーイズ」シリーズ(とりわけ、山田孝之氏が主演していたドラマ第一期)が好きだった。  「男子シンクロ」という題材に、とりわけ興味を抱

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          「創作大賞2024」note placeイベントで感じた、創作者の意識

           5月6日(土)、noteの本社オフィス「note place 麹町」で行われたイベントに足を運んだ。開放された創作スペースにて執筆作業を行うため、そして新川帆立氏・秋谷りんこ氏、両先生の生対談を聴くためだ。  プロ作家同士のお話を生で聴く機会は、滅多に訪れるものではない。しかも、うち一人は昨年の「note創作大賞2023」で別冊文藝春秋賞に選ばれ、投稿作品『ナースの卯月に視えるもの』を書籍化に至らせた秋谷氏。「note発の作品の書籍化」という偉業に関するエピソードが聴ける

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          【ネタバレ無し】満腹!「ファイナルファンタジー7 リバース」クリア後の雑感

           RPG「ファイナルファンタジー7」リメイク三部作の二作品目「FF7 リバース」(以下「本作」)を、76時間掛けてクリアした。  先日の記事でも述べた通り、本作は「FF13」以降の約14年間に発売されたオフラインFF作品中(移植・リマスターを除く)、探索・戦闘などの「RPGのゲーム性に関わる部分」に関して言えば最も好みの作品だった。FFシリーズを四半世紀追いかけている俺にとって、その喜びは筆舌に尽くしがたい。そのため、多くの人に本作の魅力を広めたい……と思い、こうして筆をと

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          TDL「トゥモローランド」、旧アトラクションたちの記憶

          ◯アトラクションは諸行無常  約半年後、東京ディズニーランド(以下、TDL)のアトラクション「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」が閉館し、「シュガー・ラッシュ」を題材としたアトラクションへと新生するらしい。  上記報道の4日前にTDLを訪れたばかりの俺にとって、このニュースは正しく寝耳に水だった。言わずと知れた傑作「トイ・ストーリー」シリーズを原作に持つ人気アトラクションが、完成(2005年)から20年も経たずに閉館するとは……。通い詰めるほどに気に入っていたアトラク

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          以前カクヨムのコンテスト(お題「めがね」)に投稿した掌編です。誤字脱字や多重表現を修正し投稿しました。 「近視の戦士は夢想する」 https://note.com/nozawa_arashi/n/n92b037176783

          以前カクヨムのコンテスト(お題「めがね」)に投稿した掌編です。誤字脱字や多重表現を修正し投稿しました。 「近視の戦士は夢想する」 https://note.com/nozawa_arashi/n/n92b037176783

          「近視の戦士は夢想する」

          「こちら、最新式の魔力増強仕様となっております。色も大きさも豊富に取り揃えておりますので、多くのお客様に──」 「いや、結構だ」 「でしたら、その右隣りはいかがですか?ほんの少しですが魔法の詠唱速度を上昇させる効力が──」 「それも結構」 「そうですか。ではその下はいかがでしょう?厄介な忘却術への抵抗力がわずかに高まり──」 「結構」  眼鏡を見繕う重戦士の男の声に、次第に苛立ちが混ざっていった。装飾品店の店主の積極性と商売根性は、馴染みの鍛冶屋のそれとは似ても似つかない。

          「近視の戦士は夢想する」