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【名門早稲田大学サッカー部】監督が語るサッカー界の課題

今回のインタビューは名門・早稲田大学ア式蹴球部の監督を2018年から務めていらっしゃる外池とのいけ大亮監督です!
早稲田実業高校から早稲田大学に進学、卒業後は11年間Jリーガーとして横浜FM、大宮、甲府、広島、山形、最後は湘南で活躍されていました。
引退後は広告代理店でビジネスマンとしてスポーツに広く関わり、その経験を活かし、母校で指導されています。

今年より当社サービスのnowtisノーティスを導入して頂き、その背景や外池監督独自の指導、思いをお聞きしました!

伝統あるチームが目指す姿とは

―—監督就任から5年目となります。外池監督が目指しているチーム像を教えて下さい。

シンプルに「主体性のある選手・チーム」です。
サッカー以外の武器を身に着けるために、自分から考えて行動する、そして組織にも向き合うことが必要です。サッカーを通じてそういった能力を身に着けていけば、社会に出てからも強みになりますし、日本の社会全体のレベルアップにも繋がります。そしてそれがサッカーやスポーツの価値を高めることにも繋がると思うんです。

―—まさにスポーツ界全体の課題ですね。

そうですね。
私の考える主体性というのは、責任とアイデアです。
例えば早稲田大学は98年の伝統と歴史があり、大学・OB会・選手という構造で成り立っています。その構造上自分がどこに存在しているかを認識し、責任を持って選手自身が主体的に動くことで、大きな組織であっても周囲を動かすことができるんです。

また高校までは監督がある程度教えてくれる存在ですから、「何でも教えてくれる人」だという概念が定着してしまっているんですよね。理想はもっと幼い時から「主体的」であることですが、その課題を変えていくためにも私達自身が「主体的」である必要があります。
なので私が一方的に何かを決めることは無くて、選手達が自分で練習内容を考え、それをスタッフに壁打ちして決めていく、というような取り組みなどしています。監督が属人的に決めることはしていないんです。

監督➞選手という一方的な関係ではなく、対等に意見をぶつけ合うことで主体性を育んでいる。

―—選手引退後、広告代理店でビジネスマンとしても活躍されていました。その経験は今の監督業でどのように活かされていますか?

サッカー以外の視点を選手に与えられると思っています。
現役時代から「自分ってサッカーしかやっていないな」と思って、インターン等に行っていたんです。サッカー界を良くしたいと思っても、外側から見たサッカー界を知らない。なので社会を知り、ビジネスのスキームや世の中の出来事を知れる広告代理店に就職をしました。
一度サッカー以外の世界に出たことで、大学という環境は多様な人々が集まっていて、客観的にサッカー界を見て課題と向き合える場所だと気づきました。なので大学で、社会課題からサッカー界の課題を導き出して向き合うことが大切だと思っています。

―—なかなかビジネスの世界を経験してから監督をされる方は少ないと思います。

そうですね、あまり周りにもいないです。
実際、部員の8割くらいが大学卒業後は企業に就職をしていますから、私が経験してきたことや見てきたことを伝えることで、プロの道に進まない部員達のパワーにもなると思っています。

横浜FMのOBマッチにてプレーする外池監督。

常にアップデートしていくことが大切

―—今年からnowtisノーティスを導入して頂きました。導入理由を教えてください。

もともとチーム独自でフィジカル測定をしデータベース化しようとしていましたが、自分達のものさしだけで判断してしまうのは良くないと、定期的に価値観のアップデートが必要だと考えていました。nowtisノーティスは他チームとの比較やスカウトなどができるサービスなので、良い意味で自分のデータが晒される、自分たちの中だけで留めていないものです。
またデータの重要性や価値が高まり、アプリで管理するようなサービスも増えていますが、その正当性を自分達が身をもって知るという意味でも導入を決意しました。
そして私たちの理念として掲げている「日本をリードする存在になる」というのにも通じてるんです。自分たちの情報をどんどんアウトプットすることで、良いインプットに繋がる。ただ自分達だけで取り組んでいると村社会になってしまいますから。他の活動でもその精神で取り組んでいます。

―—先日フィジカル測定をしましたが、選手達の数値が全体的にとても高かったです。フィジカルの重要性についてどのように考えていらっしゃいますか?

近年、サッカー界全体で選手の様々な能力が高まっています。サッカーという競技自体が複雑化していて、スピードもどんどん速くなっていますし、それに対応できる身体づくり、フィジカルベースで何事も考える必要があります。

―—チームでもフィジカルトレーニングは重視して取り組んでいるのでしょうか?

週初めに重点的に取り組んでいますが各個人の意識がとても高いと思います。各々自主的にトレーニングを行っていますが、メニューも自分達で考案して、私達スタッフにぶつけてもらいアドバイスしています。
nowtisノーティスで得たデータが、選手の気づきになって行動に繋がってきます。

youtubeや広報などを担う学生スタッフも年々増加している。
「自主性」を重んじる監督の意見がチームに変化を与えている証拠。

―—最後に、これから大学進学を考えている高校生の選手達にアドバイスをお願いします。

まずは大学サッカーの構造を理解することが大切です。
大学という場所では様々なバックグラウンドを持った選手達が集まっています。ユースで育ってきた選手、高体連で頑張ってきた選手、地方の選手などなど。多様な人間が集まると、自分の経験や考えを一度取っ払わないと受け入れられないこともたくさん出てきます。その積み重ねで自分の価値観を育むことができますし、そのような環境をどう活かしていくかということを大学進学する前から考えてほしいなと思っています。


以上、外池監督のインタビューでした!
弊社ではスポーツコンバイン事業(フィジカル測定)とアスリート学生のキャリア支援を行う人材コンサルティング事業の2軸で、スポーツに打ち込む選手達を応援しています。
その中で日々感じるのは、スポーツだけが全てではない、でもその中で必ず社会で活かせることがたくさん学べるということです。
だからこそ、外池監督のように様々な視点から選手に対してアドバイスができたり、自分で考えて行動させる「主体性」を育むことが、部活動というある種特異的な環境で選手を育てることの使命なのではないかと感じました。

またフィジカル面においても、選手ひとりひとりの意識の高さが伺える数値が出ました。チーム全体の取り組み以外に、各個人の行動が必要不可欠です。
nowtisノーティスを通じて、更に自身の課題や強みを認識し、次の行動に繋げてほしいなと思います。

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