タコ一

メキシコ在住。治安が悪いのであまり外を出歩けないのでnoteをはじめました。

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最近の記事

サナ子、ハイ今笑って!

その3 サナ子は自動車免許を持っていない。バイクは大型まで持っているのにである。N市という特段に大きい都市でもないところに住んでいるが、車が運転できない事に困ったことは一度もない。むしろサナ子は車が苦手だった。 幼い頃を思い出しても車に関してはいい思い出があまりない。というより若干悪い思い出のほうが多いくらいだ。まず、サナ子は尋常じゃなく車に酔いやすかった。気のせいかな、と思ってもそう自分が自覚した瞬間にもうダメだった。夏なら窓を全開にして風を思いっきりあびる。冬なら親に

    • サナ子、ハイ今笑って!

      その2 シェラカップになみなみと注いだ日本酒で乾杯した。 「あ、チン」 「あ、チン」 酒のつまみは先週にバイクで立ちよった海街の商店で買ったアジの干物だ。それをシングルバーナーにのっけた網の上に置いた。サナ子はこの瞬間が好きだった。シオもきっと同じ思いだろう。二人でこうしてお酒を飲む回数はもう10回を超えていると思う。最初こそいろんな話をしたけど今は会話が無くなっても平気になっていた。 「そういえば、ツーリングどうだった?」 シオが訪ねてきた。焼けた干物をあちちと言

      • サナ子、ハイ今笑って!

        その1 サナ子は地方都市のN市でOLをしている。社員数はわずか20人足らずの小さな会社だ。家からさほど離れていないので自転車で通勤している。つい最近、クロスバイクを買ったので通勤が少し楽しくなった。 身長が170センチジャストのサナ子は周りの女子社員よりおでこ分以上は大きくて、よくロッカーの上とかの荷物を取ってと頼まれる。最初は嫌だな、と思いながらもこれをやることで社内での私の存在価値が認識できるんだと感じるようになった。 「サナ、おはよ!」 後ろから肩を叩いてきたの

        • 今が幸せすぎて時間がたりないって、妻は言った

          さっき妻と国際電話をしました。その時に妻に言われた言葉がこちら、 「ホント今が幸せ過ぎて時間が足りん!24時間じゃ全然足りない」 我が妻ながらなんともいい事いうなあと思った。夫が海外に単身赴任しているからか?と不安になったりもしたのだが、何で?と素直に聞いてみると、どうやらBTSらしい。 初めて妻の口からBTSと聞いた時に、なんでバンコクの交通機関がそんなに人気なんだ?と思ったがどうやら違うようだった。と書きながらも僕はBTSを見た事がないので分からない。妻は中学生の娘

        サナ子、ハイ今笑って!

          せっかちさん

          せっかちが治らない。数字になって現れる時間ってとてもわかりやすくて良い指標だ。僕はそれに振り回されているしそれでいいと思うようにした。 数ヶ月前から朝は早出にしている。朝5時30分にピタリでジムにいってウオーキングを開始。これもきっちり6時10分に終わらせ。温まった体で10分体操をする。6時28分には車に乗り込み仕事に行く。 昼食は13:00からだが、12:55には食堂に行き、サラダのみのランチを食べる。その後は車に直行して惰眠を貪る。 仕事が終わるのは15:45分だが

          せっかちさん

          あきた

          飽きてしまった。昔から飽きっぽかった。 習い事もスポーツも次々に手を出しては辞めるを繰り返していた。 仕事も今の職場で8社目だ。 でも飽きてしまったと感じている。どうすればいいのか分からない。 子供の頃から海外で働きたかった。 仕事の種類はなんでもよかった。 ただ海外に身をおきたいだけだった。 だから今は夢が叶っている状態かもしれない。 でも飽きてしまったのだ。 一度でもこの気持ちになるとどうしようもない。 飽きた、この思いをどうにかしてプラスにできないも

          じっとしてなんかいられない

          週末3連休だったので仕事の疲れを癒すか〜、どうせコロナだしどこにも行けないよね、なんて考えてた。実際に金曜日の仕事終わりに買い物を済ませておいて(長蛇の列。日本のレジ打ちのみなさん、とても優秀です。再確認)。酒屋でビールも買っておいた。先週買った安いウィスキーもまだ残っているし、youtubeでも見てちびちびやろうと思っていた。 土曜日の朝。ムズムズする。どこかに動きだせ!と体が命令してくる。その力に抗う事などできずに車に乗り込み、1時間後僕はサンミゲルデアジェンデにいた。

          じっとしてなんかいられない

          圧迫されてた、アタシ

          書き出しからアタシって書いているが、普段から自分のことをアタシって呼んでいる。もちろん心の中だけだけど。 会社で、 上司から何か言われても、アタシはそうは思ってないし〜、とか、ふ〜んそんな考えもあるんだぁ、といった風に心の中のアタシが反応していた。 家庭で、 奥さんから子育てについて少し言い合いになった時、そりゃアンタの勝手な思いでしょ、それを子供に押し付けないでよ!しまいにアタシ怒るよ!みたいな感じで使ってた。 アタシを使いこなすことで冷静な人間でいられる気がする

          圧迫されてた、アタシ

          頻尿記

          僕の頻尿の歴史は長い。こう書くとさも終わったみたいだが、ところがどっこいまだまだ現役である。僕は今年41才だがヤツとの付き合いはかれこれ27年になる。 はじまりはコタツで横になっている時だった。ふと尿意を感じた僕はトイレにいって用を足した。そのままコタツに戻って横になり漫画を読んだり、テレビをぼんやり見ていたような気がする。 「あれ?おっかしいな。。またトイレしたくなった」 この間わずか10分程度。再度トイレに行った僕は用を足したがさっき出したばかりなのに普通の量が出た

          若い人もバーにいこう

          僕が初めて一人でバーに行ったのは多分23才の時だった。それは地元(といっても電車での移動が必要な距離)にあるバーでバイクが好きな太ったおじさんがやっているバーだった。 漫画が小さいころから大好きで、年を重ねる毎に読む漫画も変わってきて、お酒が飲める年齢になる頃には「レモンハート」や「酒の細道」をトイレ本として読むようになった。 テレビはあまり見ないのだけれど、欠かさず見てたのが「吉田類の酒場放浪記」や突発的にやる酒の番組だった。 BARは入って最初の酒を一口飲むまで緊張

          若い人もバーにいこう

          木の根

           大きな道のちょうど真ん中。あっちの車線とこっちの車線を区切るためにコンクリートのブロックが並んでいる。そしてそれはずっと続いている。  ある日、仕事が終わっての帰り道の話。ブロックの近くで野良犬が死んでいた。血もでていなく、目も閉じられていた。可哀想にな、と思いながらもそこを通り過ぎた。  次の日もその死体はそのままだった。その次の日もそのままだった。ここは毎日乾燥している。朝方は冷えるとはいえ、日中はそれなりの温度になる。  今日もその死体はそのままだった。ハンドル

          人生棚卸 言いたいことはありません

          そろそろこの棚卸も終わりそうだ。まだまだ自分の人生を掘り下げてみる必要がありそうだがそれはまた次の機会になりそうだ。さて、このコロナ野郎の影響で長い間生産が停止していたメキシコの僕の勤めている会社もそろそろ動き出しそうである。本格的に生産が再開されるのがいつになるかはまだまだ分からないけど、ひとまず一歩前進ということで喜ばしい。 とは書いたものの、この約2ヶ月に及ぶ自粛生活で僕の体力は著しく減退して、規則正しい生活を送るための自己を律する精神力も姿を消したみたいだ。前途多難

          人生棚卸 言いたいことはありません

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          実は僕は猟師になることができる。しかし未だに一度も出猟したことはない。その当時はなんでもいいから興味が持てたらやってみようという気持ちでいたので、とある漫画を読んで、あ、狩猟免許取ろう!と思ってしまった。思ったら最後でどうやったら猟師になれるのか調べ始めた。こんな些細なことは県のホームページを見れば詳細な情報をすぐに得ることができた。思うは招く、とはいうけど僕が仕事終わりに車でラジオを聞いていると狩猟免許取得の為の講習があることが分かった。それも近いうちにだった。僕はネットを

          人生棚卸 言いたいことはありません

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          いつまで経っても太れない。幼稚園から小学生にかけてはコロコロ太った男の子だった。それについて悩んだこともなければ考えたこともなくて、当然コンプレックスなんか無かった。しかし、中学生になってからハンドボールを始めたことが影響したのか僕はどんどん痩せていった。もともと身長も大きくはなかった。今思えばメキシコの太った少年みたいな体型だった。 とにかく中学生になってから痩せてしまった。たくさん食べても太らずに青春の象徴であるニキビだけが増える。そんな中学時代だった。高校生になっても

          人生棚卸 言いたいことはありません

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          一応真面目に英語の勉強を続けている。やっている事は主にyoutubeを使っての瞬間英作文とシャドーイングだ。まだ始めてから1ヶ月程度しか経っていないけどそれなりに効果が出ていると思う。それにしても頭で思った事を英語にして伝える事のなんと難しいことか。頭に思い受かべた日本語を英語に変換するのに時間がかかるし、そもそも変換した英語に全く自信が持てないのだ。間違った文法でも伝わればいいとはよく聞くが、それは聞く相手にとっては失礼な話ではないかと思う。 しかし、どうしても英語を発す

          人生棚卸 言いたいことはありません

          人生棚卸 言いたいことはありません

          メキシコに住んでいながらコロナの状況がはっきり分かっていない。一応在留届を出しているので大使館から定期的にメールが来る。しかしそれにはざっくりとした情報が書いてあるだけなので、特に自分が住んでいる街のピンポイントの情報がよく分からない。今のところ僕が住んでいる地域の死者数は40人となっている。メキシコ全土では2700人を超えているらしい。こんな事は当たり前だけど誰も経験していない。日本人だってそうだしメキシコ人もそうだ。僕が狭い範囲で感じた日本人とメキシコ人の違いは、日本人は

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