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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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#育児

ミニマリストの団地暮らし|我が家の冬支度〜住まい編

こんにちは。ソフ子と申します。 オットと4歳息子と3人で、レトロ団地の3DKでミニマルに暮らしています。 急に寒い日が続くようになりました。 今回は、我が家の冬支度、寒さ対策について書いてみようと思います。 1.団地の冬は寒い団地の冬は寒い! と話には聞いていましたが、どんなものかな? とドキドキしながら冬を迎えました。 ひとくちに団地と言ってもいろいろあると思いますが、我が家は築30年超えのザ・レトロ団地です。 建物の造りはしっかりしていますが、やはり、寒い! でき

ママになって知る、父の“なんでもない日の贈り物”の意味

実家で暮らしていた頃、甘いものを食べない父が、よく仕事帰りにコンビニのスイーツを買ってきた。ふわふわのクリームが挟まれたケーキや、フルーツがちょこんと乗せられたプリン、モンブランが鎮座したパフェ。買ってくるのは母・妹・私の3人分だけだった。 「お父さんは食べないのに申し訳ないな」と子どもながらに思いつつも、家族のためだけに買ってこられたデザートは素直にうれしかった。どうしてなんでもない日にわざわざ買ってきてくれるのか不思議でならなかったが、最近になって父の気持ちが少しわかっ

蕾に気付いた娘たち

#スポーツがくれたもの 戸惑い 長女の卒園式、そして入学式。指折り数えて待った節目は、桜前線とともに颯爽と過ぎ去った。そんな晴れやかな卒業の裏で、予期せぬもう一つの卒業が突風のように訪れた。  3月下旬のことだった。夕飯前、うたた寝をしている娘たちと、料理に蓋をし、出来上がりを待つ妻。私はスーツから部屋着に着替え、手持ち無沙汰にスマホを眺めていた。静寂の中、唯一しゃべり続けていたテレビのアナウンサーが「大手スポーツクラブ大量閉店」というニュースを読み上げた。  閉店、廃

怪我した指に息子が貼ってくれたもの

木曜・ 朝 息子の幼稚園の支度がスムーズに進んだ。 家を出る時間まで少し余裕がある朝になった。 何気なく自分の指を見たら、いつの間にか右手の人差し指の側面に傷があった。 血が少し滲んでいて、割と深く切れていた。 それまでなんともなかったのに、傷があるなと認識したら急にズキズキと痛みだした。 「どこで怪我したんだろ・・」 そう私が呟くと、年中の息子が遊んでいた恐竜のおもちゃを投げ捨て、私に駆け寄る。 「見せて!!ママ血が出てる!!絆創膏持ってくるね!!」 息子は絆創

大人スイッチをOFFにして、息子と過ごした休日は楽しかった!

先週の土曜日は、1日中雨。 車を持っていないわが家では、必然的にお家を中心に過ごすことになる。 晴れの日は、近所の公園に行くとだいたい誰かがいて一緒に遊んだり、お昼ごはんを買って自転車でちょっぴり遠出したりして、なんだかんだあっという間に1日が過ぎるけれど 雨の日、家で息子と2人きりで過ごす1日は、時間がたつのがおそいおそい。 「雨の日 子供 過ごし方」 Google先生に答えを求め、ネットサーフィンをしていたとき、「シュタイナー教育」というワードが気になって、ここ

国語ってなぜ学ぶの?という問いに、どう答えればよいのか悩んだときのエピソード

「国語ってなんで勉強するの?」 もし、子供からこんな質問をされたら、みなさんどう答えますか? 今回は、僕のエピソードを交えつつ、とある著名人の名回答をご紹介したいと思います。こんな美しい答え方があるんだ...そう思わざるを得ません。 ひとまず、こんな息子です質問への回答の前に、少しだけ背景を説明しますね。 小学生になる僕の息子が、なんでそんな質問をしてきたのか? それは、彼の「好き嫌い」がはっきりしていることが原因の1つです。 例えば、好きなものといえば、ダンボールを使

18年前の母からの手紙を今になって読んだら、今の自分とダブっていて泣いた。

母は私にあまり興味がないと思っていた。 明るくて常にテンションが高くて、漫画の世界から飛び出してきたようにおっちょこちょいで、悩みなんて全然なさそうに思っていた母。でも私はそんな母と暮らしていた頃(二十歳まで)は、別に仲良くなかった。仲が悪いわけではないけど、明るすぎる母を冷静な目で見ている自分がいた。 私は中学~高校くらい、いわゆる思春期にはしっかりと反抗期があり、激しくはなかったものの、とにかく母のことが鬱陶しかった。たぶん傷つけるような言葉もたくさん言ったと思う。

連絡帳の終わりと不安の正体

夫と息子たちと共にお花見をした。年間快晴日数ランキング最下層の私の県では、満開の桜と快晴がセットで見れる期間は少ない。この日は文句なしの天候で、おかげで満開の桜を見ることが出来た。 お花見、と言ってもやんちゃ盛りの長男。大きな公園に解き放てば、あっという間に走っていき、それを夫が追いかける。長男は随分と逞しくなった。 ※ この春、長男が年少に進級した。 0歳入園児はひよこ組。そこからリス組→ウサギ組を経て、今年度からコアラ組になった。 進級して変わったことがある。

シャツワンピースを着て試着室で泣いた話

 大学生の夏、バイトを終えた足で深夜バスの停留所へ向かった。  前輪と後輪のあいだにぽっかりと口を開けたトランクルームがある。荷物を預ける乗客が長い列を作っていた。  運転手が流れ作業のように長方形のトランクケースを次々に投げ入れているのを横目に、乗車口へ向かう。肩からかけたトートバッグはバスの中に持ち込むと決めていた。  乗車口へ行くと、特有の匂いが充満していた。久しぶりだな、と思いながら数段のステップを登る。発車まで音を立てて唸るエンジンの匂いか、いつ乗っても新品のような

分身の術が使えるようになるまでは

リビングの壁にマスキングテープで貼ってあるのは、息子が園で描いてきた「ママのかお」たち。 最初はピンクや紫のペンで描いた大きな丸の中に、目と口らしい点が3つ。次に見せてくれたときには、ぐるぐるまんまる大きな黒い目2つと、大きく開いた赤色の口が1つ。次第に体を描くようになって、最近は息子が好きだという肩下まで伸びた髪の毛まで描くようになった。 「ここにいるママと、紙のママと、みーんないたら、いいのにねえ」 私の顔と自分で描いた顔を交互に見つめながら、息子がいう。 ママ見

息子たちが描いた『スイミー』の絵は、ちっとも『スイミー』に見えなくて、とてもうつくしかった

8月の終わりに、保育園の壁にこどもたちが描いた「海の絵」が掲示された。 色とりどりのクレヨンと絵の具を使って思い思いの世界が描かれている。まるでほんとうの海のなかにいるような心躍る光景が、とてもとてもきれいだった。 半月以上経って、息子が衝撃のひとことを放った。 「この間保育園で描いた『スイミー』の絵ね、」 ん!?あ!? え、あれ『スイミー』の絵だったの!? 『スイミー』ってあれだよね、アメリカの絵本作家のレオ・レオニ師匠の代表作で、赤い魚群の中で1匹だけ黒い「スイミー

雷が鳴ったら、へそ信仰の伝道師が姿を現す

息子は雷がきらいだ。 遠雷がゴロゴロと鳴るだけで、慌てて寝室にかけこみ、身を隠す。 タオルケットの中から顔も出さずに「おうちの中にいるから、雷鳴っても大丈夫だよね!」なんて言っているのが滑稽だ。 しばらく様子を見ていると、突然、がばっと立ち上がり、必死に着ているシャツをズボンの中へ押し込みはじめる。 「おかあさんも!シャツ入れたほうがいいよ!こうすればおへそ取られないから!」 あ、そうなん?だいぶ対策ゆるめでいけるんやね。 「へそくらい取られてもいいよ」 息子の

水色の世界

ちゃぷちゃぷと水音を立てるちびの表情は、夏の太陽みたいだった。 「おかあさん、みてみて!!」 ぴょんぴょんと弾むような声が、青空の下に響き渡る。彼の「みて!」に従って目線を下げた私の前に、幻想的な世界が広がった。その色と光の美しさに、ちびの笑顔が重なる。 「ね、きれいでしょう?」 私の宝ものは、この世界から”きれいなもの”を見つけるのが得意だ。その瞬間の彼の笑顔は、あまりにも真っすぐで時々眩しくなる。子犬のようにしっとりと濡れた黒目の輝きをのぞき込むたび、奥のほうがぎ

父と本の話

私の父は、寝る前に30分ほど本を読むのが日課だった。 布団に寝転び電灯をつけ、カバーを取った文庫本を片手で持って読む。 しんとした部屋で、ぺらり、ぺらり、と時折響く紙擦れの音が好きだった。 本が好きな父は、私が子どもの頃、ゲームや漫画を反対するかわり、欲しいという本はなんでも買ってくれた。 本を読んだ後は、できるだけ早く、父に感想や見解を伝えるように言われていた。 話す内容はなんでも良い。 好きなキャラクターのこと、主人公の一風変わった口調のこと、その物語と私が重なったこ