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あなたの部下はなぜ自発的に動かないのか

多くの人が「部下や依頼先が融通が利かない」と感じることがあります。特にクリエイティブ業界では、外部に作業を依頼する場面も少なくありません。同人活動や依頼を受ける側であっても、作業の一部を他人に手伝ってもらうことがあるでしょう。

30代以上の管理職からは、「最近の若者(Z世代)は自発的に動かない」「言われたこともできない」「先回りして行動できない」「相手の立場に立てず自分本位」といった声がよく聞かれます。

では、なぜ部下は自発的に動かないのか。そして、どうすれば動かせるのか。

実は「最近の若者は…」という不満は、古代エジプトの時代から存在する定型句です。Z世代に限らず、自発性や創造性を育む環境が整っていない場合、人は動きにくくなります。

Z世代が変わったのではなく、環境が変わっただけ

人間の本質は数万年前から変わっていません。変わったのは、彼らを取り巻く環境です。確かに、教育によって思想や価値観は変わりますが、仕事の指示や作業においては、それほど大きな影響を受けるわけではありません。

部下が指示通りに動かない場合、それは上司の指示や会社の環境に問題があることが多いです。優れたスキルを持つ人材でも、リーダーや上司が適切な指導力を持っていない場合、組織はうまく機能しません。

ケーススタディ:部下の行動を引き出すためには

例えば、あなたが飲食店の社長で、客足が遠のいているため新商品の開発が必要だとします。しかし、別の業務で忙しく、自分で新商品を開発する時間がない。この場合、どうすれば部下にうまく指示を出せるでしょうか?

ダメな例:

  • 指示だけを与える: 部下からすれば、業務が増えるだけでメリットがありません。

  • 経営者目線を持てと要求する: もし全ての利益を公平に分配しない限り、部下は動かないでしょう。

  • 給料を固定で上乗せするだけ: これだけではモチベーションは上がりません。

  • 感情に訴える: 情に訴えても、部下が本当にやりたいと感じなければ動きません。

なぜこれではダメなのか

部下にとって、通常の業務でもリスクやデメリットが存在します。新しい作業やプロジェクトを指示されると、そのリスクやデメリットが増加します。そのため、ただ給料を上乗せするだけでは十分ではありません。

部下の行動規範を明確にする

部下が自発的に動かない理由の一つは、責任範囲や評価基準が曖昧であることです。プロジェクトにおいて、任せる範囲や責任を明確にし、リスクに対して責任を明示することで、部下は動きやすくなります。

例えば、予算や権限、報酬の仕組みを事前に明示することで、部下は最低限動けるようになります。また、評価基準を事前に設定し、リスクやデメリットを上司が負うことを示すことが重要です。

大事なのは評価の方法です。
リスクやデメリットは自分で負うことを明示し、プロセスや結果をどう評価するか事前に明確にしておくことで、動けます。

これは外注の場合、請負と委託の違いにも繋がってきます。

指示する側は「自分の立場と利益」以前に「指示を与える側の立場と利益」を考える必要があります。

ただこれは発注・指示側が「社長」という最高位の決裁権を持つ場合で、かつ小さい組織の場合のみ有効な話です。

大規模組織や構成員の立場が並列の組織(協同組合等)、自分が中間管理職である場合。この場合はこう簡単な話ではありません。

別の機会に、そのような場合はどうすると上手くいくか、記載していきますので興味がある方はマガジン追加等をよろしくお願いいたします。

まとめ

部下が自発的に動かないのは、彼らの能力や意欲の問題ではなく、指示を出す側の環境や指導方法に問題があることが多いです。まずは、部下にとってリスクやデメリットがない環境を整え、彼らが安心して動けるようにサポートすることが大切です。


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