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なんだろう

301
自分でも不思議に思う詩のような、エッセイなのか…内容もなんなのでしょうか?と思うような作品です
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2024年2月の記事一覧

何にもこころに入ってこない

何にもこころに入ってこない

このスニーカーを欲しがっていたLさんも彼方の世界へ還られた

言われた時は母と二人で困惑した

お姉さんと二人で暮らしていたLさん
そのお姉さんが昨年始め
亡くなって
急に弱られた

早々にお姉さんの納骨をされ
「あなたも早くお母さんの納骨をしなさい」と言われるが…

「母は散骨です」
粉骨さえもまだだったから先は長いと思っていたが…

みんなに心配をされ
お宅に伺った人たちもいる
通いのヘルパー

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言葉足らず

言葉足らず

わたしは心の中の言葉をうまく人に伝えられない

さみしいけれどさみしさを伝えられない
自分でも分かっていた
あまのじゃく
このひねくれた性格をどうにかならないものだろうか

最近よく思う

ひとりではさみしいくせに
あまりにも近寄られると
キツくなる
放っておいて欲しくなる

わがままだろうか

このまま独りで過ごすのはつらい

晩年の母もそうだった
かまわれ過ぎるのは嫌いなくせに
やっぱりさみし

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ばれちやった

ばれちやった

このことは…

長男には黙っていた
あいつにばれたら病院に行けと言われるから

少し様子を見ていたの

彼は医療従事者

彼の言うことは絶対だ

俺様の言うことを聞け

確かにね、分かるけど
三年前の骨折から立場が逆転した

老いては子に従え
あぁ、もうそんな歳ですか
しかもわたしはひとり暮らし

かなしいけれど
老いてくる

ところがね、ばれちやった
このnote を読んでいる

最初のころはフ

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逃げおうせない

逃げおうせない

逃げたつもりはないけれど
端から見れば
そうなるか…

わたしにはわたしなりの思いがある
逃げたと言うより
やりたくない

ただそれだけ

忘れていたことを蒸し返される

あぁ、こんなところに来るんじゃなかった

自分から飛び込んだ

誰だ?
昔を知る母の友だちを呼んだのは

後悔しても仕方ない
腹をくくるしかない

分かりました

黙って少し辛いタヌキの坦々焼きそばを食べる

辛いのは苦手なの

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死ぬかと思った

死ぬかと思った

昨夜の風呂上がり

風呂の残り湯を使い洗濯をする
バケツに風呂の湯をいれて
洗濯機まで運ぶ

風呂の湯で濡れた床
つるんと足を滑らして

その場にあった昔々父の使っていた介護用の風呂の椅子に右腰部の少し後ろ上を打ちつける

「いたたたぁ~」
一瞬息が出来なくなり
少し気分が悪くなる
「死ぬかと思った」
と独り言を言う

あぁ、このまま死んでもいいのにな
その方が楽なのに

起き上がり
そのまま洗濯

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ソウルメイト

ソウルメイト

ソウルメイト

魂の友だち

わたしの周りにいる人はみんなソウルメイトと言われている

でも違う、そうじゃない

元夫が出てくる少し前
わたしの出会ったあの人だ 

親友からもらった曼陀羅展のチケットが一枚
稽古ごとの帰り道が一緒で電車の中で見せていた

何でだろう…多分、とっても行きたかった展覧会だったから

ある土曜日の午後
ひとりで美術館に足を運ぶ
こういうものはひとりでゆっくりと観たいから

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よく眠れて仕方ない

よく眠れて仕方ない

みんな眠れなくて
眠り薬をもらっている

実はわたし、何が起きても眠れるの

「嘘でしょう?」
いつもいつも言われている

いえいえ本当です

つらいこと、かなしいことがあっても眠れている

時々、眠れない日があっても数日すると眠れてしまう

これを特技というのならそうでしょう

骨折して手術して「痛い、痛い」とわめいてもいつの間にか眠れている

母があの世に旅立っても眠れていた(多分眠りはとって

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あの時と同じ

あの時と同じ

キラキラ光る日差しを浴びて

林の中をひとりで歩いている

三つ編みに、モカシンをはいて

そう…わたしの前世はネイティブアメリカン

幼い頃もう今はない遊園地、横浜ドリームランドに行った時
頭にインディアンの羽根を付け、ニッと笑った父の撮った写真のわたしを思い出す

元夫と行った新婚旅行はカナダ

バンクーバーで見たトーテムポールは大きくてやけに印象深かった

なんだ、なんだこの繋がり

わたし

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吹っ切れた

吹っ切れた

ちょっと苦手な人が出来ていた

それまではとっても仲が良くて
何でも話せる人だった

小さな行き違い

その人は困っている人に心から尽くそうとする人

でもわたしは天の邪鬼、あんまりかまって欲しくない、ひとりにして欲しい

母がいなくなってから…
どうしたことか行き違い
そこに息子も加わって
わたしの中でこんがらがる

あんなに仲が良かったのに
神様の元なのに
気分が悪くなる

神様はいやなことは

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不思議な夢

不思議な夢

明け方に夢を見る

変な業者が突然やって来て使っていない実家の石油ストーブの容器に無理やり灯油を入れようとする
家の中から「警察を呼びますよ」と叫ぶとその業者は逃げて行く

イライラしながら母の使っていた部屋を覗くと
可愛らしい色白のまるでアザラシのような、丸々とした赤ちゃんがいた

わたしの顔を見るとニコニコする

その子を見ただけで癒される

何故だか母を思い出す

母は赤ちゃんになって生まれ

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かほり

かほり

梅の花が咲いている
青い空に白い花

古い大きな梅の木に
今年は花つきが良くない

最近は梅の花を愛でるといよりも
梅の薫りを愛でる方に気持ちが向く

ほんの微かな薫りをつかむ

面白いほど惹かれている

クンクンと犬のように
梅の花に鼻先を寄せてみる

匂うか匂わぬかのほのかな甘い薫りに出合う

うれしくなる
こころが弾む

ただ嗅ぎすぎると消えてしまう

本当に微かな薫り

逃げないように

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慣らし運転

慣らし運転

新しい相棒が来て約二週間
まだまだ慣らし運転中

夜暗くなると不安になる

昼間の246は混んでいる
少しずつ慣れて来てはいるけれど
緊張する

東名に入るところを通過する
懐かしい母と一緒に出掛けたことが浮かび来る

あぁ、また泪がこぼれる
わたしはいつまで泣くんだろう

ひとりにはまだまだ慣れない
母の家から自分の家まで小一時間
全くひとりの空間を楽しんでいた頃を思い出す

あの頃に戻れるもの

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ガサツな女③

ガサツな女③

ガセネタをつかまされました
それを信じておりました

Mさんという
音楽家でございます
一緒にこころ学びをしております

海外での留学経験もあり
イタリアでオペラの賞を受賞しいるプリマドンナさんでございます

海外にいると強く自分を主張するので

奥ゆかしい?日本人のわたくしには近寄り難い存在でございました

ところがございます
あちらから挨拶をされまして
えっ?わたくしに…

なんかかわいらしい

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ひとりごち

ひとりごち

大切なことは誰にも言わない

これはわたしだけのことなのか

ひとりごち

母が慌てて、父の待つ実相の世界に還ったのは
なんのため

もしかしてもうすぐ父はこの世に生まれ出るからか

母はあっちの世界に戻って
甲斐甲斐しく父の世話をしたかったのか
しっかりと送り出したかったのか

そんなことを考えるわたしって…

父と母の感謝の日
おやさまが息子とわたしに言われた言葉を
わたしは全く覚えていない

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