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「宇治」鳳凰が見下ろす憂し平安

最初に

こんにちは。
皆さんは、平等院鳳凰堂に行かれたことはありますか?
私は今回初めて行きました。人によっては修学旅行で、観光で、たまたま立ち寄ったなどの理由で行かれたかもしれません。
今回はお祝いごとのある友人と一緒に拝観に伺いました。僅かながらの観光でしたが、とてものびのびとさせていただきました。

鳳凰堂(この呼び方は江戸時代に流行ったそうです)に行ってみたいと思ったのは、以前、白秋の故郷の柳川で泊まらせていただいた宿の女将さんとおしゃべりをした際の事がきっかけです。左右対称の建物がとても素敵だったことや、お堂の近くを宇治川を歩けること、近辺に源氏物語ミュージアムがある事などを、聴かせてくださいました。どちらにも興味があったのと、友人のお祝いも兼ねて行けたのは嬉しいことでした。

平等院鳳凰堂

一番の誤算は、到着時間でした。知人から、下道でもそんなにかからないと聞いていて、それでも早く出発したにも関わらず30分遅刻しました。相手さんはカフェでゆっくりしてくれていたので、よかったもののまさか自分がこんなに遅刻するとは思いもよりませんでした。
遅れてから平等院の中に入場しました。駐車場の近い所からの入口は「南門」とされるそうです。表参道のある方の入口が正門になるようでした。これも風水に肖った造りなのかなと思いました。

この形前にもどこかで…

時間の都合が合ったおかげで、鳳凰堂の中にも入らせていただきました。ご存知、あの拾円の真ん中に刻印されている御堂です。こちらは、入場する時間が決まっている為、別途拝観料を納めて時間になったら指定の場所に並んで入るのを待つという感じです。入堂まで時間があったので、その間に廻りをぐるぐると回りました。池の回りを歩くのも、とても心地よく感じました。歩いてて意外だったのは外周に梔子の実がなっていたことです。花が咲いていたら、隣にあった白い椿と一緒に真っ白になって綺麗だったのかなとも思いましたが、今回はどちらも時期を終えていたのでまたの機会にという感じでした。クチナシの実は漢方やきんとんようなお菓子を作る際にとても身近にあるものです。お菓子には「クチナシ色素」と書かれているものあるのでは、ないでしょうか。漢方では「山梔子(さんしし)」と呼ばれる方がピンと来られる方もいるかもしれません。当時もここにこうして植わっていて、薬として自然になってたりしたのかなと思うと、観光施設と言われている場所でも見方が変わります。

梔子の実

中に入る際、撮影録音は厳禁、服や鞄が建物に触れてはならない、尖ったものなどは持ち込んではならない、リュックは背中ではなく前にして抱えるようにして持つようになど接触に関してを徹底していました。

平等院の真ん中の御堂のなか。現状維持の修理で保存している分、劣化の酷い点も多くありますが、建物としてちゃんと残っていて、繊細な細工の数々に開いた口が閉まりませんでした。

鳳翔館。お堂の最盛期の時の再現であったり、当時の仏教観や仏様が浄土から迎えにくるときの発想についてだったりを知ることができました。映像で言っていた事ですが、仏教では最も近しい人、心に強く思い描いた人が目に前に菩薩となって現れ、自分の魂を蓮の花に変えてその手の中で浄土へ運んでいくという観方があるようです。少し前でnoteに書いた「あなたは、誰かの大切な人」を彷彿とさせました。何千年も前から人が人を想える人数はやはり変わらない、変えられないのだと感じました。自分も一人しか居ないから然りと言われてしまえば、そうなのかもしれない、ですね。
たーだ、時代が時代で、移り気が多かったとは思いますが。(笑)昔の唯一人を選ぶとしたら誰が誰を選んでいたんでしょうね。
当時の御堂の再現をみたら、今では考えられないくらいに極彩色でした。

宇治市源氏物語ミュージアム

源氏物語、講義で多少扱った覚えがあるけどあんまり覚えていないのが正直なところです。私がプレゼンやら調べるのに選択したのが清少納言の「枕草子」で、個人的に風景や感想がストレートなこっちのが好みだったという理由が大きいです。たまに聞く、どっちの女官がいいか、みたいな二択で面白い会話が繰り広げられそうな気がします。皆さんはどちらに傾くでしょうか。紫式部は小説、清少納言は随筆です。

建物は少しコンパクトになったけど、現代的な「京」のようでした。小さな池の上に橋が架かって参道に紛れるように隠れた隠れ別荘にも見えました。シンプルなのに昔を思わさるデザインという発想はありませんでした。

源氏物語は全部で54巻?章?の三部構成になっていて、長いです。全部、恋愛です。枕草子は約300段ありますが、1つが短いのと、単元ごとに区切られているのでどこからでも読めます。

日本史についてとっつきにくいと思われる方も興味のある方も、どういうものかちょっと見てみたいと思う方もとても新鮮に感じられるかと思います。なんかみたことあるなーっていうものを実寸大でみたり、模造でイメージしやすかったり、変わった体験もあったりといろいろとあって小さな博物館で昔の日本と絵巻の中、果ては昔の地理の記録の展示なども見られて面白かったです。宇治と憂しは洒落で掛かっていたのは初耳でした。
正直、これは二人以上で行った方が体験の共有ができていいかなという気がします。このミュージアムには簾の表と裏を見られるとことがあります。一方からはすごくはっきり見えますが、もう一方側から見るとまるで見えません。日本の古典的な簾ってこんなに表裏で差が出るものなのかと驚きでした。

おまけ

鳳凰堂の側には宇治川が流れています。地図をみて初めて知ったのですが、宇治川の間を渡り歩ける島のような場所がありました。こんなとこがあったのかと少し驚きでした。車は通れない様になっていたので、本当に歩く人専用、一息するための憩いの場所という印象でした。

花の名前にもなってた

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