「信夫山」夏の影 彼は誰そ、誰そ彼そ
八月一日の朝。福島県福島市。街の中心に聳える、小さな山。その麓に佇む静かな神社。森の中に黒い、神様の坐、神域。そして、この縣の英霊が眠られる地。水の中みたいに静まり返っていた。本殿へ先にお参りさせていただく。暫くお邪魔します、それから、ありがとうございます、と。
誰もいない、参拝に来られてもすぐに帰られていく。誰もが深々と頭を下げて丁寧に手を合わせて祈りを捧げている。またすぐ境内には一人になる。朝、早めだったからか、雲が神社を包んでいた。曇っていたので、もしかしたら雨になるの